数多くある仏教のひとつである「チベット仏教」について知っている人はそう多くないかもしれません。そう、ダライ・ラマという高僧の名で知られている地位です。
このチベット仏教には、通常の仏教とは少し違った不思議な教えや、心に響く言葉が数多くあることをご存知でしょうか？
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チベット仏教の歴史
チベット仏教の歴史は、チベットにおいて７世紀前半のソンツェン・ガムポ王の時代に国が栄えた頃から14世紀にかけて、インドから仏教が伝わったとされています。その後、モンゴルや中国などにもチベット仏教は広まりを見せましたが、第2次世界大戦後にチベットは中国に侵略されてしまったのです。
流血を避けるためにダライ・ラマ第14世はインドへ亡命し、10万人以上のチベット人もそれに続いてインドへと移住し、そこにチベット亡命政府を設立したのでした。このようにしてチベット仏教は、インドにおいて受け継がれ、今日に至っています。
ダライ・ラマとは
チベット仏教の最高位であるダライ・ラマは、もともとは17世紀に発足したチベット政府の長でした。現在のダライ・ラマ14世は、4歳のときに14世に認定され、1951年まではチベット国の君主でしたが、その後中国の侵略でインドに亡命政府を設立し、世界中にチベット仏教と、平和の教えを説く旅を続けています。
チベットでは、前任者のダライ・ラマが没すると、前任者の生まれ変わりとなる人物を、占いなどを用いて子供の候補者から選び、その子が本当に前任者のダライ・ラマの化身であるのか、前世の記憶があるのかなどを調査し、その結果生まれ変わりであると認められた場合、次のダライ・ラマであると認定されるのです。
現在の14世もこのように、13世でなければ知るはずのないことを正確に言い当てたことから認定されたのでした。
不思議な生い立ち
ダライ・ラマ14世は、1935年7月3日に、チベットの北西部で農家を営む両親の息子として生まれました。本名はラモ・トンドゥプという普通の子供でした。
ある日、亡くなったダライ・ラマ13世の化身を探していた捜索隊の人々が、預言に従ってやって来て、いろいろなテストをした結果、彼がダライ・ラマ14世であると確信したのでした。そして5歳でチベットのラサにあるポラタ宮殿に移り住み即位したのです。
不思議なことに、彼は幼い頃からこの運命を知っていたかのように、自分は大きくなったらきっとラサに行くんだと周囲にも話していたということです。
また彼が生まれたときから、カラスのつがいが家の屋根を棲みかとしていましたが、ダライ・ラマ１世、７世、8世、12世が生まれたときも同じようなことが起こっていたそうです。
そしてそのカラスがチベット仏教の護法尊の化身だと考えられているそうです。ほかにも、彼が初めてポラタ宮殿に到着したとき、「箱の中に私の歯が入っている」と言ったそうですが、その歯は13世の義歯だったそうで、これも生まれ変わりでなければわからないことであると考えられています。
素晴らしい数々の名言
世界中を回り、人々に平和と愛を教えてあるくダライ・ラマ14世は、数々の心に残る名言を述べ、1989年には、ノーベル平和賞も受賞しています。そんな数ある名言の中でも有名なものをいくつか上げてみましょう。
「人に幸せになってもらいたいと思うなら、思いやりを学びなさい。自分が幸せになりたいと思うなら、思いやりを学びなさい」
「自分が何も理解してないことを理解し始めたときから、人の成長は始まるのです」
「あなたを傷つける人に出会ったら、忍耐や寛容を覚えるチャンスだと思いなさい」
なんでもない言葉のようではありますが、意味の深い、暖かい名言の数々だと思いませんか？
スピリチュアルな心
ダライ・ラマ14世のお説教や名言の多くの根底に流れているのは「思いやり」「愛」であるように思います。彼は瞑想をしながらバランスの取れた心を維持することを薦め、また瞑想を続けることで、自分の心を見つめ、変えて行くことができると説いています。
バランスのある心と慈悲を持って他人に接すれば、スピリチュアル的にも開き自分の意識にも変革が起こるとしています。
まとめ
いかがだったでしょうか？
チベット仏教は複雑な歴史的背景と、ダライ・ラマという不思議な高僧による数々の偉業により成り立っているようです。
私たちが知る仏教とは違いもあるようですが、ダライ・ラマ14世の名言は世界中の多くの人々の心に希望と光を与えているのです。
