
羽田空港に近い場所にある穴守稲荷神社は、下町風情にあふれるしっとりとした神社です。
実はこの穴守稲荷神社は言い伝えや伝説がある謎めいた神社でもあるのです。それでも参拝者が多いのは、穴守稲荷神社でしかいただけないご利益があるからなんですね。
そんな穴守稲荷神社の見どころやご利益をご紹介します。
目次
穴守稲荷神社の歴史
穴守稲荷神社の創建は1804年頃と伝えられています。
稲荷大神

当時の羽田一帯は漁師の町でしたが、しばしば海が荒れて海岸の防波堤が決壊して大洪水の被害を受けていたそうです。
そこで村人たちは海を鎮めるために防波堤の上に稲荷大神を祀ったところ、水害はおさまったそうです。これが穴守稲荷神社の起源と言われています。
堤防に開いた穴の害=水害から人々を守ることに因んで「穴守稲荷」と名付けられたと言われています。
その後、1884年の暴風雨で穴守稲荷神社は甚大な被害を受けましたが、その後の再建で境内が広くなり、昭和初期に至るまで大いににぎわいました。
そのご神徳は「朝参り、晩には利益授かる」と謡われるほどで、全国各地から多くの参拝者が訪れたそうです。羽田一帯は穴守稲荷神社の門前町として発展したと言ってもよいでしょう。
古い話
穴守稲荷神社には、こんな言い伝えがあります。
穴守稲荷神社は昔、多摩川の河口に鎮座していたのですが、昭和28年の敗戦で、赤鳥居を残して強制退去することになりました。
退去後、羽田空港国際線建設や、滑走路拡張により、赤鳥居を撤去する計画があったのですが、撤去作業に入ると死傷者が出たり、突然の雨風と奇妙な現象が起き、工事は中止されました。
ですから現在も多摩川付近に大鳥居だけが残されています。
穴守稲荷神社の見どころ
穴守稲荷神社ならではの見どころ満載ですので、紹介させて頂きます。
大鳥居

穴守稲荷神社の見どころといえば、歴史のところでも紹介した「大鳥居」があげられます。
不自然な場所にポツンとたたずむ姿が不思議な世界観を演出している穴森稲荷神社の大鳥居は、現在の東急グループが昭和4年に奉納したコンクリート製です。
本殿はここから1キロほど離れた場所にあります。
本当に穴守稲荷の怒りだったのかは分かりませんが、当時の地元の人の心の拠り所であったことは確かです。
千本鳥居

穴守稲荷神社の境内には「千本鳥居」があります。
「奥之宮」へ続く鳥居は伏見稲荷大社を思わせるような異空間です。
実際に千本あるわけではありませんが、鳥居が無数に並んだ様子は何故か心惹かれるものがありますね。
奥之宮に向かう途中にはご利益の違うお稲荷さんのお社があり、距離的には短いものの見どころとしては十分楽しめる空間になっています。
奥之宮

千本鳥居をくぐった奥にある「奥之宮」はガラリと雰囲気の変わる場所です。
お社の中には無数のお狐様が置かれていて、ちょっと独特の雰囲気を味わうことができます。
穴守稲荷神社の奥之宮のお社の壁は岩石になっていてゴツゴツしています。まさに穴の中のお稲荷さんです。
このお社の左側にはさらに小さなお社があるので、見逃さないようにしましょう。異空間に迷い込んだような奥之宮は一見の価値ありです。