楽しいことを運んでくれることで有名な弁財天は元来、インドの河神であると言われています。
日本では、古く奈良時代から弁財天信仰が始まって、たくさんの人に親しまれています。弁財天が祀られている場所は海や湖、川に縁がある場所が多いのでその自然に癒されることが多いですね。
そんな弁財天ゆかりの地を訪れてみませんか?
宝厳寺(滋賀)
琵琶湖に浮かぶ竹生島をご存知ですか。
昔から竹生島は「神が住まう島」として崇められてきました。この島にある宝厳寺には、日本三大弁財天の中のひとつでありながら、最も古い歴史を持つ弁財天が祀られています。宝厳寺は神亀元年(724年)に聖武天皇の夢枕に立った天照皇大神のお告げで僧行基を遣わして建てられたお寺です。
本堂にお祀りされているのは「大弁才天」です。日本三大弁財天にも数えられるパワーあふれる弁天様なのです。
水辺に祀られることが多い弁財天ですが、ここの弁財天もまさに琵琶湖の近くということで、水に深くかかわる神様・仏様ということが分かります。弁財天は才能を生かす神様として知られているので、芸能関係や芸子さんなどに人気があります。財をもたらす神様としても崇められているんですよ。
実際に竹生島に足を運ぶと神社やお寺が自然と調和しているのに気づきます。願い事は職人さん手作りの「弁天様の幸せ願いダルマ」に託すと1年間祈願してもらえますよ。
大願寺(広島)
世界遺産にもなっている広島の宮島にも有名な弁財天である大願寺が存在します。
厳島神社の方に目が行きがちですが、こちらの弁財天も日本三大弁財天のひとつです。大願寺の正式名称は「亀居山放光院大願寺」で、かつて千畳閣と五重塔のある塔の岡(亀居山)に本堂があったことから名付けられたそうです。
明治時代の神仏分離令によって厳島神社から遷された八臂弁財天像は、めったに公開されることがなく、毎年6月17日の厳島弁財天大祭の時のみ公開される貴重なものです。ここの弁財天は福徳・医薬・智恵・生産・海運・音楽・弁論など現世利益の女神として有名です。
現世利益の女神ということで美しい女神様にあやかり、キレイになりたいと願う若い女性にも人気の弁財天になっています。
他にも、境内には弁財天を守護する「竜神の社」や伊藤博文によって植えられた「松」など見どころがたくさんあります。賓頭廬尊(びんづるそんじゃ)は、「なで佛さま」として親しまれています。自分の身体の悪いところと同じところをなでると、その部分の病が治るといわれています。
江島神社(神奈川)
湘南海岸から相模湾に突き出した形になっている江の島には、船を使わずに江の島弁天橋を歩いて渡ることができます。江の島全体が龍の巣とも言われていて、龍神を押さえる関東の要所です。
そんな江の島にも日本三大弁財天のひとつである妙音弁財天があります。江島神社、辺津宮の境内にある八角のお堂「奉安殿」に祀られています。別名「裸弁財天」とも呼ばれていて、琵琶を抱えた全裸体の姿は、女性の象徴を全て備えているとも称されています。
江戸時代までは弁財天を祀って「江島弁天」「江島明神」と呼ばれていましたが、江戸時代以降は江島弁天(日本三大弁財天の妙音弁財天)への女性の篤い信仰が集まりました。江の島が観光地として賑わっているのも、弁天様のご利益かもしれませんね。
今では誰でも気軽に訪れることのできる江の島ですが、かつては修行の島でした。江ノ島最奥にある江の島岩屋の洞窟は、修験道の開祖・役小角、弘法大師空海、日蓮聖人などが洞窟に籠り修行したとされています。
弁財天と五頭龍の伝説にちなんだ「龍恋の鐘」などがあり、カップルにも人気のデートスポットですが、同時に悪縁切りの名所でもありますので、少し注意が必要になりそうです。
天河大弁財天社(奈良)
奈良にある天河大弁財天社は不思議ないわれのある弁財天です。
宗像三女神の一人、市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)を主祭神弁財天なのですが、「縁がなければ、たどり着けない場所」とも言われています。「来るべき時期が来ないと辿りつけない」「神様に呼ばれた人が行くところ」などという言い伝えがあり、縁のない人は行きたくても行くことができないそうです。
創設は飛鳥時代とも言われていて、吉野の山奥にひっそりと佇むその姿から放たれる神聖な気は、まるで神様がそこにいると思わせるような雰囲気です。通常非公開の弁財天像の御開帳は60年に1度となっています。
天河神社の弁才天さまは芸能の神としても名高いので、天河神社の宝物殿には能面や能装束など多数現存されています。その中には世阿弥が使ったといわれる「阿古父尉」面が寄付されたものも見ることができます。
本殿の正面には能舞台もあり、毎年7月16日から17日にかけて執り行われる例大祭では、能のみならず様々なアーティストの演奏奉納が行われています。弁財天の中でも独特の雰囲気を持つスポットです。
洲崎神社(東京)
東京の都会の中にある洲崎神社は、市杵島比売命を御祭神とする由緒正しい神社です。五代将軍綱吉公の生母「桂昌院」の守本尊、弁財天(弘法大師作)と稲荷社を祀り洲弁天社とも呼ばれています。
創建当時の洲崎神社周辺は海岸線が広がっていたことから、元々は弁財天が海の中に祀られていました。当時は海難避けの為に建てられた、漁民の生活を守るための神社としての役割もあったようです。海の中にあることから、多くの墨人などが訪れ、 楼船を浮べて遊ぶなど豪勢な遊びが行われていた場所でもあります。
現在は住宅街に囲まれた静かな場所になっています。ここの弁財天は江戸城から移したことでも知られているので、徳川家とも非常に縁が深いことが考えられます。元禄13年には本所深川の埋め立てが始まった影響で江戸の改革が盛んになりました。
この場所も埋め立てられ、江戸城中紅葉山の守り本尊を祀ってから洲崎弁天社となったと言われています。海の中にあったという不思議な弁財天はココでしか見ることができません。是非訪れてみたいですね。
まとめ
弁財天にゆかりのある場所おすすめはいかがでしたか。
自然や水辺に近い場所に祀られることの多い弁財天はそこに行くだけでも癒しの空間です。
積極的に参拝して毎日の生活に楽しいことを運び込みたいですね。
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