達磨大師(だるまだいし)の顔が描かれた「だるま」は、祈願をするときに願掛けをしながら片方の目を入れます。心に決めた目標を達成するために、覚悟して取り組んでいく準備にもなるでしょう。
達成したい願いをだるまに込めることで、努力していくことができるのではないでしょうか。だるまの目入れは、いつ行えば良いのでしょうか?だるまの目入れのやり方、色の意味などをご紹介します。
だるまの意味や由来
何度倒れても立ち上がる「七転び八起き」の縁起物で、商売繁盛や合格祈願、開運などの祈願をします。だるまは、サンスクリット語「Bodhi-dharma」の音写「菩提達磨」の略です。
だるまのモデルとなったのは、禅の教えを解いたインドの僧侶である達磨大師(だるまだいし)です。達磨はインドで生まれ、国内で仏教を広めた人物です。達磨が中国に渡った際、9年間壁に向かって坐禅を行い、その坐禅によって手足が腐ったのが由来です。達磨の死後、大師の号を授かり「達磨大師」と呼ばれるようになります。「面壁九年」と言い、1つの物事に忍耐強く取り組み、成し遂げたという意味が込められています。目標は、設定したあとに努力して取り組んでいくことで達成されるので、祈願をするだけでなく、目標に向かって日々努力をしていきましょう。
江戸時代には、天然痘(疱瘡/ほうそう)の流行により多くの命が失われました。失明する子どもも後を絶たなかったため、厄除けのためにだるまの目入れが始まり、縁起物として飾られるようになりました。
だるまの目入れはいつがいいの?
だるまに目を入れることを「開眼(かいがん)」と言います。願い事をするときに目を入れます。吉日である大安や一粒万倍日、天赦日などに入れて縁起を担ぎましょう。願い事が叶ったらもう片方の目に目入れをするのですが、これを「満願」と言います。また、新しい年の始まりに一年の目標を設定して目入れをします。「ブライダルだるま」は結婚式や披露宴の日に目入れをすることが多いです。
だるまの目入れはどっちから入れるの?
だるまは、左右どちらも目が入っていません。だるまの目入れが始まったのは、江戸時代からと言われています。だるまの目は「阿吽(あうん)」を表しており、左目の「阿」は物事の始まり、右目の「吽」は物事の終わりになります。
目標が決定したら、その目標を達成するために努力をし、必ず達成すると誓いながらだるまの左目(向かって右側)に目を入れます。願いや目標が達成できたら、感謝の気持ちでだるまの右目(向かって左側)に目を入れます。だるまの目入れをする場合は、筆ペンや油性マジックで入れましょう。
だるまの目入れの手順
だるまの左目(向かって右側)に願いを込めて目を入れます。願いが叶ったら、だるまの右目(向かって左側)に目を入れます。日本のだるまは、国のだるま生産の約8割を占めている「高崎だるま」になります。伊豆の土肥達磨寺には、商売繁盛、家内安全、健康祈願、学業成就、良縁祈願など、最初から両目を入れるだるまもあります。選挙のときなどは、右目から書くことがあります。
だるまの目入れをするときには願い事を思い浮かべ、達成された様子をイメージしながら書きます。だるまの目入れが終わったら、特に設置場所に決まりはありませんが、神棚や高い場所に飾っておきましょう。また、魔よけ効果があるので玄関に飾るのも良いでしょう。
お正月のだるまの意味は?
初詣に行くとさまざまな縁起物が売られていますが、「だるま」もそのひとつです。お正月には新しい年の目標を立て、強い決意とともにだるまの目入れをします。高崎だるまはお正月に飾るのが恒例になっており、全国でも有数のだるま生産地です。伝統的な高崎だるまで有名な群馬県高崎市では、お正月に「高崎だるま市」が行われます。
だるまの色の意味
だるまは、全国の産地によって特徴が異なります。だるまの定番は赤ですが、最近ではさまざまな色のだるまが販売されています。だるまの赤は、達磨大師がまとっていた衣の色のやや 黄色 みのある鮮やかな赤である「緋色(ひいろ)」を表しています。赤色には魔除けの効果があります。
だるまの色の意味
定番の赤だけでなく、色の効果を取り入れた「だるま」があります。だるまの色によって意味が異なります。願いに応じて色を選ぶのも良いでしょう。
【赤のだるま】家内安全・魔除け・開運吉祥・大願成就・すべての祈願
【オレンジのだるま】子宝成就・災難除け
【ピンクのだるま】恋愛成就・良縁成就・結婚成就
【青のだるま】学業向上・才能向上・仕事運向上
【緑のだるま】身体健勝・無病息災・才能開花
【ゴールドのだるま】金運向上・商売繁盛
【黄色のだるま】五穀豊穣・金運向上
【ホワイトのだるま】受験合格・目標達成
【黒のだるま】商売繁盛・事業繁栄
まとめ
目標や願いがある人は、達成すると決意してだるまの目入れを行うのも良いでしょう。だるまの有効期限は一年間ですので、一年間で叶えられるような目標設定を立てましょう。また、目標や願いが達成された後は、近くの神社に返納しましょう。
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