よい香りを放つことで知られている「沈丁花」は、その根を薬用に用いるために、室町時代に日本に輸入されるようになりました。
しかしその香りがあまりにもよいことから、「沈丁花」は次第に観賞用に用いられるようになり、クチナシ、キンモクセイと並ぶ三大香木とも呼ばれています。
ヨーロッパでは恋愛にまつわる花とされている「沈丁花」ですが、このお花が持つスピリチュアル的な意味やエピソードなどには、どのようなものがあるのでしょうか?
目次
【沈丁花】にまつわるスピリチュアルなお話
ギリシャ神話の伝説
太陽神のアポロンは、キューピットに「子供が矢で遊んではいけない」と注意したところ、怒ったキューピットがアポロンには恋の矢を、そしてたまたまそばにいた森の妖精であるダフネに恋の拒絶の矢を放ったのです。
アポロンはその矢のためにダフネを熱烈に恋してしまい、また拒絶の矢を射られたダフネは逃げ回るということになってしまいます。
どこまでも追いかけてくるアポロンに、ダフネは河の神である父に、自分の姿を変えてもらうように、月桂樹の木の下で頼んだところ、彼女の身体は樹皮に覆われた一本の「沈丁花」と化したのでした。
実は月桂樹の葉と「沈丁花」の葉はよく似ています。それもこのお話にあるように、月桂樹の下でその願い事をしたためでしょう。
がっかりしたアポロンは以後、月桂樹の葉で作った冠をかぶり、ダフネへの思いを馳せていたのだそうです。
ローマ神話の伝説
ローマ神話の主神、ユピテルは月桂樹が自分の木であると考えていました。
戦場で勝利した将軍はローマにもどってくると、ユピテルに月桂樹を奉納することになっていました。
ここから、月桂樹=月桂樹に似た葉を持つ「沈丁花」は、英雄のシンボルであり、栄光を意味するものと考えられるようになりました。
中国の伝説
廬山(ろざん‐江南省)に住んでいた比丘尼(びくに―尼僧)が谷川沿いの岩の下あたりで昼寝をしていたところ、よい香りが漂ってくる夢を見たのです。
目を覚ましてから、そのよい香りがする場所を探してみると、夢で見た花を見つけることができ、「睡香(すいこう)」と名付けました。
のちに「睡」が同じ発音であった「瑞」と改め、「沈丁花」の別名である「瑞香」と呼ばれるようになり、そして比丘尼が見つけて名付けたところから縁起のよい香りとされ、不老不死のシンボルとなりました。
【沈丁花】が誕生花の日
【沈丁花】の誕生花です。花の色別の誕生花はありません。
- 2月10日
- 2月23日
- 3月15日
- 3月16日
- 12月15日
【沈丁花】を使って運気をアップする方
ここで説明する風水は、「誰でもできるかんたん風水!バグア・チャート風水」
伊庭野れい子著、太玄社
著者ご本人に解説してもらいます。
(本の解説)
ハワイ在住の風水師クリア・イングレバート氏(『ハワイアン風水』著者)に師事した著者が、バグア・チャートを使った風水を基本からよりわかりやすく、誰でも手軽に自宅で実践できるようにイラスト付きで解説した開運風水本。
風水で運気UP
風水でも開運のために「沈丁花」を用いることがありますが、毒があるため、東及び南に植えると凶木とされているので、注意してください。
また名前に「沈む」とうい文字があるため、運気が沈むと解釈する地方もあるようです。
したがって「沈丁花」を庭に植える場合は、方角に注意をしてご利用ください。
恋愛運UP
ピンク色の「沈丁花」は、恋愛運アップの効果があり、西南方向に植えるとよいでしょう。
もしくは切り花として数本を、バグアチャート風水を使った恋愛のコーナーである、お部屋の入口を入って右手奥のコーナーに生けておくと、甘い香りとピンク色のエネルギーが恋愛運を引き寄せてくれます。
金運UP
同じくピンク色の「沈丁花」は、金運もアップさせてくれます。玄関近くに植えておきましょう。
あるいは黄色い「沈丁花」をバグアチャート風水を使った金運のコーナーである、お部屋の入口を入って左手奥のコーナーに生けておくと、金運を引き寄せてくれます。
花言葉【沈丁花】の意味
「沈丁花」の花弁のように見えているのは、実は肉厚のガクの部分になります。
日本に存在する「沈丁花」は、ほとんどがオス株のみなので、結実もほぼありません。
別名を千里先まで、その香りが届くという意味で「千里花」とも呼ばれています。
小さい花がまんまるく集まって咲く「沈丁花」は、ピンク色、白色、黄色がありますが、花の色別の花言葉は存在せず、全体の花言葉のみになります。
香りのよい花であり、中国では縁起のよい花とされているので、小さな鉢植えなどを、花言葉を添えてTPOに合わせてプレゼントすると喜ばれます。
「沈丁花」の花言葉①
不滅、不死、永遠
「不滅」「不死」「永遠」は、「沈丁花」が常緑樹であり、ずっと枯れずに不老不死であることから与えられている花言葉です。
結婚記念日や長寿のお祝いなどにも、これらの花言葉を添えて贈りものにしてみるのもよいでしょう。
「沈丁花」の花言葉②
栄光
「沈丁花」は「月桂樹」の葉に似ていることから、かつて戦争の勝者や功績のあった者には月桂樹の葉で作った冠が贈られていたことから、それになぞらえて、「栄光」という花言葉が付けられていました。
「沈丁花」の花言葉③
歓楽、甘美な思い出
「歓楽」「甘美な思い出」は、その甘い香りに由来する花言葉ですが、やさしい癒しの香りというよりは、やや危険な香りといった意味で付けられています。
「沈丁花」の花言葉④
実らぬ恋
「実らぬ恋」は、ギリシャ神話の伝説に基づくもので、恋焦がれてダフネを追いかけたアポロンの恋が実らなかったことからきています。
花言葉【沈丁花】の基本情報
科 属 | ジンチョウゲ科 ジンチョウゲ属 |
原産地 | 中国 |
品種 | 約90種 |
開花時期 | 2月~4月 |
英語和名 | Winter daphne(ウィンター・ダフネ)・沈丁花、瑞香、千里花 |
まとめ
非常に香りの高い「沈丁花」は、春の「沈丁花」、夏の「クチナシ」、秋の「キンモクセイ」として三大香木とされています。中国ではおめでたい木と考えられ、またその花言葉も甘い香りからイメージして付けられたものは、ギリシャ神話に基づくものなどがあります。