
御朱印を集めている人にとっては、神社とお寺に行くのが一般的ですよね。
しかしそこで疑問に思ったことはありませんか。「神社とお寺で御朱印帳を分けた方がいいのか」ということです。
同じようで違いのある神社とお寺なので、せっかく御朱印をいただくのであれば、礼儀は心得ておきたいものです。そこで、神社とお寺の参拝方法や御朱印帳の違いについてご紹介していきます。
神社とお寺では御朱印帳を分けないといけないの?
御朱印を集めている人の中には「神社の御朱印だけ」や「お寺の御朱印だけ」という人もいると思いますが、1番多いのは「神社もお寺も両方集めている」場合ではないでしょうか。
そうやって御朱印を集めていると、ある神社では「神社とお寺の御朱印は一緒だと押印できない」と言われてしまったり、またあるお寺では「神社の御朱印帳にお寺のものは押印できない」と断られてしまうことがあります。
もちろん中には「あまりこだわらなくていいですよ!」といってくれて、御朱印をいただける場合もあると思います。
神社とお寺で御朱印帳を分けなければいけないのか、という疑問には「その神社やお寺による、もっと言うとそこにいる神主さんや住職さんの考え方による」といったところです。かといって神社とお寺の御朱印帳を一緒にしていて、御朱印を押してもらえない神社やお寺があるのも事実なので、できれば神社とお寺の御朱印帳は分けておく方が良いです。
1番良くないのは、御朱印帳を一緒にしていて「一緒では押せない」と言われた時に、こちらの考えや他の寺社のケースを持ち出して、どうにかいただけるように粘ることです。
お互いが気持ちよくやり取りする為にも、神社とお寺の御朱印帳は分けておくことをおすすめします。
神社とお寺で御朱印帳を分ける理由
そもそも、何故神社とお寺で御朱印帳を分けるようになったのでしょうか。
日本では古来から神仏習合が一般的でした。それは日本独自の価値観として、世界的にも興味を持って知られていることです。そうなると、御朱印帳も1つにまとめても問題はないのです。
しかし、明治時代に寺社をはっきりと区別するよう「神仏分離令」が出されました。その名残から神社とお寺で御朱印帳を分けてほしいと望む寺社が増えてきました。
最近ではまた、「神仏習合のほうが、日本人の感覚になじむ」とする考え方が戻りつつありますが、まだ全体的にという訳ではありません。
どちらにしても、当の神様や仏様はそんなに器が小さいとは思えません。特に神様は御朱印帳が一緒だろうと別だろうと、全く気にしないでしょう。
神社とお寺で御朱印帳を分けてほしいと固執するのは、そこに仕える人たちなのです。とはいいつつも、御朱印を書いていただく相手は人ですし、各寺社の流儀というものがあるのも事実なので、少しでもトラブルを避けたい人は、神社とお寺で御朱印帳を分けて持ちましょう。
神社とお寺の作法の違い
神社とお寺それぞれに御朱印をいただきに行く際に、もちろんしっかりと参拝を済ませるのは礼儀です。
しかし神社とお寺で作法が違うのはご存知ですか。間違った参拝方法では失礼にあたるので、神社とお寺それぞれの参拝方法を見ていきます。
手を打つか打たないかという部分です。お寺で高らかに手を打たないように、くれぐれも気を付けましょう。
神社
- 神社を参拝する際は、本殿に一礼して鳥居をくぐり境内に入ります。
- 手水舎で手水をとり、心身を清めてからご神前に進みます。
- ご神前で、神様に敬意を表す為に二拝します。
- 神様を招くために手のひらを合わせて二拍手します。この時に右手を少し下にずらします。これは神と人がまだ一体になっていないという意味です。
- その後、手を合わせることで神と人が一体となり神の力を得ることができると言われています。
- 最後に一拝をして完了です。
お寺
- お寺の場合は、山門の前で一礼して境内に入ります。
- 神社と同様に手水舎で身を清めます。
- お線香をあげます。
- 本堂の前で一礼しお賽銭を入れてから鈴を鳴らします。
- 胸の前で合掌して祈願します。
- 最後にまた一礼をして完了です。
どんな風に御朱印帳を選んだらいいの
神社とお寺で御朱印帳を分けた方が良いと分かったところで、実際にはどのように持つのがよいのでしょうか。一例をご紹介しましょう。
御朱印帳は大きく3つに分けます。
- 神社用(神社で購入する)
- お寺用(お寺で購入する)
- 霊場巡り用(各霊場になっているお寺で購入する)人によっては「書置き専用」を作る人もいます。
書置きとは御朱印帳に直接書いてもらうのではなく、あらかじめ和紙に書かれたものをいただいた御朱印です。
更に日蓮宗のお寺ではお題目をいただくこともできます。そうなると「お題目帳」も必要になりますね。
しかも日蓮宗のお寺は他の宗派の御朱印と一緒にされるのを拒むところが多いです。お寺同士でも一緒にされるのを拒むところがあるんですね。
拒まれないまでも、あの独特なひげ題目ではなく、「妙法」と略されるか別の名目になることが普通です。
ひげ題目をいただきたい場合は御朱印帳の名前も「お題目帳」と書いておくと良いでしょう。
大きく分けるとこのように分けるのが一般的ですが、実際にはもっと細かく分けている人もいます。
都道府県別にする人もいれば、宗派別にする人、ご利益別にする人など、御朱印をいただく側のこだわりが垣間見られますね。
自分なりの楽しみ方で御朱印を集めるのも少々大変そうですが、楽しそうですね。
神社とお寺で御朱印をいただく時の心得
神社とお寺、両方で御朱印を集めている人は御朱印を集めると決めた段階で、心得として心に留めておいてほしいことがあります。一つ目は「書いていただけないこともあると念頭に入れる」ことです。
神社とお寺の御朱印を一緒にできない場合、お寺同士でも宗派が違えば書いてもらえない場合、法要や行事で書いてもらえない場合、御朱印はいつでも書いていただけるものではない、ということです。
特にお寺は法要があったり、こだわりが強いところもあるので、もし断られても「これも修行」と思って出直しましょう。自分の都合で来ておいて、もらえなかったことに怒るのは論外です。二つ目は「複数の御朱印を同時にいただけないこともある」ということです。
ひとつのお寺に複数の御朱印が置いてある場合もあります。一般的には複数の御朱印を一度にいただくことが可能です。
しかし、これもお寺や神社の考え方によって変わってきます。一度に複数の御朱印を授与することを良しとしない場合や、同じ寺社でも書き手の方によって対応が変わることもあります。
稀に複数の御朱印をいただこうとすると注意を受けますが、その場合は引き下がりましょう。あらかじめ心に留めておくことで、必要以上に不快な思いをせずに済みますよ。
まとめ
御朱印帳は神社とお寺で分けるの?という疑問は解消されましたか。
表向きは参拝者の自由ですよ、と言いたいところですが、中には神社とお寺が一緒では御朱印をいただけない所もあるのが現実です。せめて神社とお寺で御朱印帳を分けておくと良いでしょう。
神社とお寺には少しずつ異なる作法や心得があるので、事前に勉強してから参拝するのをおすすめします。
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