秋の七草のひとつである「フジバカマ」は、古くは万葉集でも詠まれ、日本ではなじみの深い花です。
もともと山野草ではありますが、近年では野生種が激減したため、2018年に準絶滅危惧種に指定されてしまっています。
では秋の終わりに咲き始めて、切なさを漂わせる「フジバカマ」が持つ、スピリチュアル的な意味やエピソードなどには、どのようなものがあるのでしょうか?
目次
【フジバカマ】にまつわるスピリチュアルなお話
「フジバカマ」にまつわる有名な伝説が日本に残されています。
「フジバカマ」にまつわる伝説
この伝説は、室町時代の歌人である飛鳥井雅親(あすかいまさちか)の「古今栄雅抄(こきんえいがしょう)」に記載されているものです。
昔、秋の雨が降りしきる寒い夕暮れに、美しく上品な姫がひとりで野辺を泣きながら歩いていました。
そんな姫の姿を見た里の人々でしたが、あまりにも彼女が美しくて、声をかけたり近づくことすらできなかったのです。
翌日雨が上がったそのあとには、姫の姿はなく、代わりに紫色のかわいらしい花がひっそりと咲いていたのです。
里の人々はこの花がきっとあの姫で、姫は花の精だったに違いないと考えたのでした。
そしてその姫が履いていた花のツルで作った袴にちなんで、その花を「フジバカマ」と名付けたのだそうです。
【フジバカマ】が誕生花の日
【フジバカマ】が誕生花です。
- 9月8日
- 9月13日
- 9月14日
- 9月25日
- 9月28日
- 10月17日
- 10月27日
- 11月6日
- 11月7日
【フジバカマ】を使って運気をアップする方
ここで説明する風水は、「誰でもできるかんたん風水!バグア・チャート風水」
伊庭野れい子著(太玄社)
著者ご本人に解説してもらいます。

(本の解説)
ハワイ在住の風水師クリア・イングレバート氏(『ハワイアン風水』著者)に師事した著者が、バグア・チャートを使った風水を基本からよりわかりやすく、誰でも手軽に自宅で実践できるようにイラスト付きで解説した開運風水本。
風水で運気UP
風水において「フジバカマ」は、邪気払いの効果を持っているので、家の中に飾っておくとよいとされています。
また「フジバカマ」はバランスを取る植物とされているため、庭の西側に植えておくことで、余分なエネルギーを吸い取り、家庭に調和をもたらします。
花言葉【フジバカマ】の意味
「フジバカマ」は、キク科ヒヨドリバナ属の多年性植物で、中国が原産で奈良時代に日本に渡ってきて帰化したとされていたのですが、実は日本原産のものが存在したということが、最近の説となっています。
万葉集を始め、源氏物語や枕草子などにも登場している「フジバカマ」ですが、秋の七草のひとつとしても、古くから日本人に親しまれてきました。
夏の終わりから秋にかけて、関東より西の地域で以前は川の土手や斜面で生息しているのをよく見かけましたが、現在では野生のものを目にすることは、めったになくなってしまっています。
「フジバカマ」は茎の先端に、筒状の直径5ミリほどの薄紫色の上品な花を咲かせます。
これら小さな花が集まって咲く様子は、線香花火のように見えてきれいです。
また花の色が藤の花に似ており、また形が袴に似ているところから「フジバカマ」と呼ばれるようになりました。
「フジバカマ」は、長い地下茎を猛烈な勢いで伸ばして繁殖し、草の背丈は1メートルから1.5メートルにまで成長します。
その葉は深緑色で3つに裂け、一見別々の葉のように見えますが、実は1枚の葉で、茎から左右対称になって付いています。
「フジバカマ」の花そのものに香りはありませんが、茎や葉を乾燥させると桜餅のような香りがすることでも知られています。
中国では昔から、この香りのする茎や葉を『香水蘭』や『蘭草』と呼び、袋に入れて入浴時に用いたり、芳香剤や防虫剤としても用いていました。
日本でも平安時代には、女性たちが「フジバカマ」を干した茎や葉で髪の毛を洗ったり、お茶などにも利用していたのです。
また花のつぼみがついた時期に、草全体を刈り取って陰干ししたものは漢方薬となり、利尿作用や血糖降下作用があるとされ、利尿、解熱、糖尿病、月経不順、浮腫などに用いられています。
また肩こり、神経痛や皮膚のかゆみには、この乾燥されたものを風呂に入れて入浴すると効果があるとされています。
「フジバカマ」には紫、ピンク、白色などがありますが、色別の花言葉はありません。
「フジバカマ」の花言葉①
- やさしい思い出
- あの日を思い出す
これらの花言葉は、「フジバカマ」の茎葉が乾燥すると桜餅のような香りがするところから、昔食べた桜餅を思い出させてくれるかのようで、付けられたものです。
幼馴染に久しぶりに会うときなどに、この花言葉を添えてプレゼントしてみるとよいでしょう。
「フジバカマ」の花言葉②
- ためらい
この花言葉は、「フジバカマ」の小さい花の咲き方が、一度に咲くのではなく、少しずつ咲く様子から、ためらっているかのように見えることから付けられたものです。
「フジバカマ」の花言葉③
- 遅れ
- 延期
これらの花言葉は、「フジバカマ」の咲き方が一度に咲くのではなく、ゆっくりと徐々に咲くことから付けられたものです。
ややネガティブな花言葉になるので、お見舞いなどには用いないように気を付けておきましょう。
花言葉【フジバカマ】の基本情報
科 属 | キク科 ヒヨドリバナ属 |
原産地 | 日本、中国、朝鮮半島 |
品種 | 原種は2種、交雑種、園芸種などは多数 |
開花時期 | 8月~10月 |
英語和名 | ・Thoroughwort(サラワート)、Boneset(ボーンセット) ・フジバカマ(藤袴)、蘭草(ランソウ)、香草(コウソウ)、沢蘭(サワラン)、ヒヨドリバナ、ユーバトリウム |
まとめ
「フジバカマ」は、古くから万葉集などにも多く詠まれてきた、秋の七草のひとつです。小さい花がだんだんと咲いていくその様子から付いた花言葉や、乾燥させたときの香りが桜餅の香りであることから付けられています。
