秋の七草のひとつである「クズ(萩)」は、夏の終わりごろになると赤紫色の花穂を咲かせます。
日本では万葉集にも多く歌が詠まれている、秋の七草のひとつで、その時代から観賞用の植物として愛されてきました。
では甘い香りを漂わせ、日本らしさを醸し出す「クズ」が持つ、スピリチュアル的な意味やエピソードなどには、どのようなものがあるのでしょうか?
目次
【クズ】にまつわるスピリチュアルなお話
「クズ」にまつわる有名な伝説が日本に残されています。
「クズ」にまつわる伝説
その昔、今の大阪府の和泉市にある信太山(しのだやま)に棲んでいた白狐が、狩人に追われていました。
そこへ信太大明神(しのだだいみょうじん)にお参りに出かけた帰りであった安部保名(あべのやすな)という人物がやってきて、その白狐を助けてあげたのでした。
そのときにケガをした安倍保名のもとに「葛の葉(くずのは)」という名前の女性に化けた白狐がやってきて手当をしてくれました。
やがてふたりは結婚し、かわいい男の子にも恵まれました。
ところがある日、安倍保名が妻の正体を知ってしまい、白狐は深夜に歌を残して森へと帰って行ってしまったのです。
そのときの歌が「恋しくば 訪ね来てみよ 泉なる 信太の森の うらみ葛の葉」
この歌を見た安倍保名は、母が恋しくて泣く息子を連れて、森に葛の葉に会いに行ったのです。
すると葛の葉に化けた白狐は、水晶玉と黄金の箱を渡し、「私は生涯この息子の陰に寄り添って守ります」と約束して立ち去りました。
そしてのちに、葛の葉と安倍保名の息子であったこの男の子こそが、あの陰陽師『安倍晴明』となったのでした。
このように「クズ」の花は、子を思う母の気持ちがたっぷりと込められた花だったのです。
【クズ】が誕生花の日
【クズ】が誕生花です。
- 9月12日
- 9月13日
- 9月21日
【クズ】を使って運気をアップする方
ここで説明する風水は、「誰でもできるかんたん風水!バグア・チャート風水」
伊庭野れい子著(太玄社)
著者ご本人に解説してもらいます。
(本の解説)
ハワイ在住の風水師クリア・イングレバート氏(『ハワイアン風水』著者)に師事した著者が、バグア・チャートを使った風水を基本からよりわかりやすく、誰でも手軽に自宅で実践できるようにイラスト付きで解説した開運風水本。
風水で運気UP
「クズ」は、非常に繁殖力が強く、はびこるようにどんどんと伸び続ける植物なので、一般的にはあまり庭に植えたりすることはないかと思います。
しっかりと手入れができるのであれば、庭の南西方向に植えることで人間関係の改善や、健康運をアップさせる効果があります。
花言葉【クズ】の意味
「クズ」は、ツル性の多年草で、マメ科の植物です。
日本全国や中国、朝鮮半島、ニューギニアなどを原産とし、8月から9月頃になると赤紫色の花を咲かせます。
その蝶のような形をした、花径が約2センチほどの花は、下から上へと順に花を咲かせて花穂となります。
花穂は約20センチの大きさとなり、とても甘いよい香りを漂わせて咲きます。
「クズ」は、非常に繁殖力が強く、ツルが地を這うようにどんどんと伸びて、中には10メートル以上になることもあります。
またツルを刈り取っても根茎で繁殖を続けるので、荒地でも生息を続けることができます。
森林でも伸びすぎたり、ほかの木に巻き付いたりし、他の樹木を枯らしてしまったりするので、海外では侵略的外来種に指定している国もあります。
その根は葛根湯など、風邪、発熱、解熱や肩こりなどに効能がある漢方薬としても用いられ、また葛餅や葛切りなどの和菓子としても欠かせない材料です。
また「クズ」の花は「葛花(かっか)」と呼ばれる生薬で、二日酔いに効果があるとされ、元禄時代に水戸光圀がその効果を知ったとされています。
「クズ」のツルは、収穫後に乾燥して硬くなる前に籠を編むのに使用したり、ツルを煮て発酵させてから取り出した繊維で作った布で、衣服や壁紙などにも用いられていました。
「クズ」という名前は、奈良県吉野川上流の『国栖(くず)』という場所で、「クズ粉」が作られていたことに由来しています。
「裏見草(うらみぐさ)」という別名もあり、これは風が吹いてくると、「クズ」の葉の裏の白い毛に覆われた部分が見えることから付けられたものです。
また地方によれば、馬や牛が好んで食べる餌でもあったため「ウマノオコワ」や「ウマノボタモチ」とも呼ばれています。
「クズ」の花には、赤紫色のほかに白色や薄いピンクなどもありますが、色別の花言葉は存在していません。
「クズ」の花言葉①
- 芯の強さ
- 努力
- 根気
これらの花言葉は、「クズ」は地面深くにしっかりと根をはり、引き抜くのも大変なことに由来しています。
「クズ」の花言葉②
- 活力
- 治癒
- 思慮深い
これらの花言葉は、「クズ」が葛根湯などの漢方薬として用いられることがあるために付けられたものです。
「クズ」の花言葉③
- 恋のため息
この花言葉は、「クズ」の別名が「裏見草」であることから、転じて「恨み草」と考えて、万葉集などでは失恋したり、思い通りにゆかない恋を歌うときに用いられたことが由来となっています。
「クズ」の花言葉④
- 気品
この花言葉は「クズ」の赤紫色をした花穂が咲くその姿が、どことなく品があるように感じられることから付けられたものです。
「クズ」の花の絵などを贈るのであれば、この花言葉を添えて贈ると喜ばれるでしょう。
花言葉【クズ】の基本情報
科 属 | マメ科 クズ属 |
原産地 | 日本、中国、東南アジア、朝鮮半島、 |
品種 | 約35種 (うち日本には2種) |
開花時期 | 8月~9月 |
英語和名 | ・Kudzu(クズ) ・クズ(葛)、裏見草、真葛(まくず) |
まとめ
「クズ」は、古くから万葉集にも多く詠まれ、秋の七草のひとつとして、風情のある植物です。その花言葉は、たくましい繁殖力から生まれたものや、その立ち姿の美しさなどから付けられたものなどがあります。