「オトギリソウ(弟切草)」は、春の終わりごろから夏にかけて、かわいい黄色い花を咲かせる日本が原産の山野草です。
秋になるとかわいらしい実を付ける「オトギリソウ」は、その花だけでなく実のなる季節にも、園芸店などでは人気のある植物のひとつです。
日本では古くから民間療法の薬としても用いられてきた「オトギリソウ」が持つ、スピリチュアル的な意味やエピソードなどには、どのようなものがあるのでしょうか?
目次
【オトギリソウ】にまつわるスピリチュアルなお話

「オトギリソウ」に関する日本の伝説
「オトギリソウ」には、少々怖い日本に伝わる伝説が残されています。
平安時代の頃、鷹匠としてとても優れた兄弟がいました。
特に兄の春頼は、鷹匠としてだけではなく、傷ついた鷹のケガを治すのがとても上手であったことでも有名でした。
鷹匠の仲間たちは、そのケガの治療法に興味津々で、いったいどのようにして、鷹のケガを早く、そして上手に治すのか知りたくてしょうがありませんでした。
しかし彼らがいくらこの兄弟に、その治し方を聞いてみても、決して教えようとはしなかったのです。
しかしある日、弟は仲間に迫られてどうしても断り切れず、ある草を治療に用いることを話してしまいました。
秘密をばらされた兄の春頼は怒り狂い、なんと弟を切り殺してしまったのです。
それ以来、鷹の治療に使った草は「オトギリソウ」と呼ばれるようになりました。
また「オトギリソウ」の葉にある黒い模様は、弟が切り殺されたときの血の飛沫が染みついたものであると言われています。
「オトギリソウ」に関する西洋の伝説
ヨーロッパでは、聖ヨハネの日(6月24日)の前夜に薬草を刈り取るという習わしがあり、この日に薬草を刈り取ることで、薬草の治癒力が高くなり、また魔除けの効果が期待できるとされています。
そして「オトギリソウ」も、この魔除けの薬草のひとつで、災いや病気から身を守ってくれるとされています。
「オトギリソウ」に関する西洋の民間伝承
西洋では、「オトギリソウ」に関して次のような言い伝えがあります。
- 「オトギリソウ」を庭に植えておくことで、悪霊を祓え、また花を摘むと呪いが消えるとされています。
- 『聖ヨハネ祭』の前夜に、若い女性が「オトギリソウ」の花を摘むことができたなら、その女性は一年以内に結婚できると言われていました。また摘んできた花を枕の下に入れて寝ると、未来の夫の夢を見ることができるとされています。
- 子宝に恵まれない女性が裸で庭に咲く「オトギリソウ」を摘むことができたなら、一年以内に子供を授かるとされています。
【オトギリソウ】が誕生花の日
【オトギリソウ】が誕生花です。
- 6月24日
- 11月19日
【オトギリソウ】を使って運気をアップする方
ここで説明する風水は、「誰でもできるかんたん風水!バグア・チャート風水」
伊庭野れい子著(太玄社)
著者ご本人に解説してもらいます。

(本の解説)
ハワイ在住の風水師クリア・イングレバート氏(『ハワイアン風水』著者)に師事した著者が、バグア・チャートを使った風水を基本からよりわかりやすく、誰でも手軽に自宅で実践できるようにイラスト付きで解説した開運風水本。
風水で運気UP
風水においては、「オトギリソウ」は、特に日本では怖い伝説が存在しているせいか、あまり風水に用いることはありません。
しかし同じ「オトギリソウ」の仲間で、同じような実を付ける「ヒペリカム」は、財運や家庭運を呼び込むとされていて、玄関に飾るとよいとされているので、同じように使うことができるでしょう。
花言葉【オトギリソウ】の意味
「オトギリソウ」は、夏ごろに可愛らしい黄色い花を咲かせる山野草です。
英語名は「ヒペリカム」、あるいは「セントジョーンズワート」とも呼ばれています。
正確には「セントジョーンズワート」は、「西洋オトギリソウ」になります。
日本では比較的どこでも見かけることができ、背丈は40センチほどのものが中心です。
その葉は、枯れていないのに黒いシミのようなものが見られるのが特徴でもあります。
古くから薬草として用いられ、外傷、虫刺されに効果がありますが、皮膚が弱い人は、皮膚炎になることもあるようなので注意しましょう。
また煎じたものは、リウマチ、神経痛、止血剤、痛風などにも効果があるとされています。
「オトギリソウ」の花言葉①
- 秘密
この花言葉は、「オトギリソウ」の日本に伝わる鷹匠の兄弟の伝説に基づいています。秘密にしておきたかった薬草であったことから付けられた花言葉です。
「オトギリソウ」の花言葉②
- 恨み
この花言葉も「オトギリソウ」の日本に伝わる伝説に基づいたもので、「オトギリソウ」の秘密をもらしたことで、兄に切り殺された弟の恨みの気持ちから付けられた花言葉です。
「オトギリソウ」の花言葉③
- 敵意
この花言葉も「オトギリソウ」の伝説にまつわるもので、鷹匠たちの間の競争心などを表したものです。
「オトギリソウ」の花言葉④
- 迷信
この花言葉は、「オトギリソウ」にまつわる西洋の言い伝えから付けられており、「オトギリソウ」が魔除けの効果があるなどというような迷信があることから付けられています。
「オトギリソウ」の花言葉⑤
- 盲目
- 盲信
これらの花言葉も、「オトギリソウ」に関する西洋の言い伝えからで、「オトギリソウ」にまつわる迷信を盲目に信じてしまうという意味で付けられたものです。
花言葉【オトギリソウ】の基本情報
科 属 | オトギリソウ科 オトギリソウ属 |
原産地 | 日本・中国・朝鮮半島 |
品種 | 約250種 |
開花時期 | 7月~8月 |
英語和名 | ・ Hypericum(ヒペリカム)、St. John’s wort (セントジョーンズワート) ・オトギリソウ(弟切草)、血止め草(ちどめぐさ)、鷹の傷薬(たかのきずぐすり)、青薬(あおやく)、盆花(ぼんばな) |
まとめ
「オトギリソウ」は、夏ごろに黄色いかわいい花を咲かせます。しかしその花言葉は残念ながら、日本の鷹匠にまつわる怖い伝説のため、怖いものが中心となってしまっています。西洋では「オトギリソウ」は、魔除けの花とされているものの、その花言葉もやはりあまりポジティブなものではありません。
