ハワイが大好きな人なら、一度は耳にしたことがあるかもしれないハワイ語の「ホ・オポノポノ」。この言葉は、ハワイに伝わる魔法のような癒しの言葉と言われています。
この特別な言葉「ホ・オポノポノ」は、現在では声に出して唱えるだけでよいという、とても便利なヒーリング方法のひとつとして紹介されることが多くなっています。
しかしその「ホ・オポノポノ」には、本来はどのような意味があり、古代ハワイではどのような使われ方をし、そしてどのような効果があったのでしょうか?
現在の「ホ・オポノポノ」
この十年ばかりの間に、「ホ・オポノポノ」というハワイの言葉、及びそのヒーリング方法が日本でもよく紹介されるようになり、ある種のブームのようにもなってきています。
しかし現在、ヒーラーと称する人たちが行っている「ホ・オポノポノ」と、古代ハワイで実際に行われていたものは異なるものであり、現在行われている「ホ・オポノポノ」は、古代ハワイで使われていたそれをアレンジした、ニューエイジのヒーリング法なのです。
現在身近で行われている「ホ・オポノポノ」のヒーリングは、1980年代にハワイのカフナ(祈祷師)として有名な、モーナ・ナラマク・シメオナ(Morrnah Nalamaku Simeona)により創設されたものです。
それは前世に起因する、トラウマからの魂の解放を目指すヒーリング方法であり、スピリチュアル的な要素を多く含む、新しいタイプの「ホ・オポノポノ」として、広められたのです。
この現代の「ホ・オポノポノ」には、もともと古代から行われてきたハワイアン・ヒーリングを土台として、シメオナ女史が当時傾倒していた予言者であり、心霊診断家のエドガー・ケイシーや中国、インドの哲学の要素も加えられています。
シメオナ女史の没後、彼女の子弟であったイハレアカラ・ヒューレン(Ihaleakala Hew Len)氏が彼女の遺志を継いで、この新しい「ホ・オポノポノ」を広めるために、書物を出版し日本でも親しまれるようになりました。
彼の「ホ・オポノポノ」は、シメオナ女史が創始したものをさらにアレンジし、『すべての問題は自分自身であり、すべての責任は自分自身の投影である』と解いているのです。
現代の「ホ・オポノポノ」においては、現在抱えている悩みや問題は、潜在意識の中にある記憶が再生されることによって起るので、それを浄化することで、あらゆる問題は解決するという考え方をしています。
そしてその問題解決のためには、自分の過去のどの記憶が現在抱えている問題と関係があるのかを自分に問いかけたあと、シンプルな呪文のようにあの有名な四つの言葉を唱えるだけなのです。
それは「ありがとう」「ごめんなさい」「許して下さい」「愛しています」、この四つなのです。
これらの言葉を繰り返して言うことで、自分の心にある問題を解放できるという癒し方法なのです。
癒しの言葉「ホ・オポノポノ」の本来の意味
ではここで、「ホ・オポノポノ」という言葉が本来はどのような意味なのか見てゆきましょう。
「ポノ(Pono)」とは、正しい、正義、モラル、健康で幸せな状態などを意味する言葉であり、地球上のすべてのものごとが、本来あるべき姿であることを表しています。
つまり言い換えれば「バランスを取る」ということでもあるのです。
何かひとつが欠けたり、狂ったりするだけで、バランスが崩れます。
そのバランスを元に戻すということ、そして本来の姿にすることが「ポノ」なのです。
そして「ホオ(Ho’o)」は、『~にする』という意味があります。
したがって「ホ・オポノポノ」は、『ポノの状態にする』、『色々なものごとをリセットして、バランスの取れた状態に戻す…』ということになるのです。
現在では、「ホ・オポノポノ」の四つの魔法の言葉と言われているのが
『ありがとう』『ごめんなさい』『許してください』『愛しています』となっています。
しかしもともとの「ホ・オポノポノ」の原語における四つの言葉は、
Kalamai:私に光を与えてください
Mihi:認める、受け止める
Mahalo:ありがとう、感謝
Aloha:愛、調和
となり現在使われているものとは、微妙にニュアンスが違うのです。
文献によると、実際には古代ハワイで初期の頃に執り行われていた、タブーを破った場合などにその過ちを正すために行われていた儀式では、この「ホ・オポノポノ」という言葉は、使用されていなかったとされています。