ハワイに古くから伝わるマッサージの一種「ロミロミ・マッサージ」。ハワイに行ったことがない人でも、「ロミロミ」という言葉を耳にしたことがある方は多いと思います。この「ロミロミ」という言葉の本来の意味は「揉む」という意味であることをご存知でしょうか?
「ハワイ、ロミロミの歴史」5つの真髄とは
ハワイにおいて「ロミロミ」には、マッサージという意味と、トマト、玉ねぎをいっしょに塩で揉みこんで作った料理も差しますが、ここではマッサージのロミロミについて、その5つの真髄をお話しましょう。
ロミロミの起源
古代ハワイでは、日本と同じように自然を崇拝し、山、大地、空、植物など地球上に存在するものを神として信仰していました。
したがって、自然のパワーを不思議な力である「マナ」と呼び、その「マナ」を操ることができるカフナと呼ばれる特別な存在の人々が登場しました。その中でも医療に携わるカフナは「カフナ・ロミロミ」と呼ばれ、主に王族へのヒーリングや治療を行っていたとされています。
カフナによる施術
この特別な存在であるカフナは、施術の前に必ず「ヘイアウ」と呼ばれる寺院において、ハワイ語で祈祷を捧げたあとにロミロミの施術をしていました。その技術はヒーリング・アートとも呼ばれるほど、すぐれたものであったそうです。
彼らはハワイ原産の薬草の知識も豊富で、病人、けが人などを、これらの薬草を叩いたり、つぶしたり、煮たものを患部に塗ったり、身体に揉みこむようにしたり、飲ませたり、あるいはククイナッツなどのオイルを用いてロミロミ・マッサージを施したり、ポハクと呼ばれる黒い温めた石を患部にのせて治療を行っていました。
またカフナ・ロミロミは、霊的な力も兼ね備えていたので、身体の悪い部分を霊的に感じ取ることで、治療にも自然の力である「マナ」を注入していたと言われています。
ロミロミの伝統
かつて、このロミロミ・マッサージを行えるのは、ハワイでは決められたごくわずかな人たちだけに許された特別なものでした。基本的には血族内だけで継承することを許されていたため、家族以外の人にロミロミの技術を教えることはありませんでした。
ところがカメハメハ2世のときに、西洋からキリスト教文化がハワイに伝わり、ハワイの伝統的な文化や宗教などが禁止となり、それにともなって、ロミロミの伝統でもあった世襲制度が途絶えることになってしまったのでした。
現代のカフナ
現在のハワイにおいて、この伝統的なロミロミの技術を伝えていたのが、ハワイ島に存在した有名なロミロミ・カフナの「アンティ・マーガレット」でした。1970年代になると、キリスト教伝来以来、ハワイから消えかけていた色々な文化が復活の兆しを見せるようになりました。
ロミロミもそのひとつです。アンティ・マーガレットはハワイの伝統を絶やさないために、血族だけの伝承とされていた掟を破り、このロミロミの技術を家族以外にも伝える努力を始めたのでした。それによりロミロミは、現在では世界中で広く知られるようになっていったのでした。
しかしアンティ・マーガレットも残念ながら2010年に亡くなられてしまいましたが、彼女の意思を継ぐハワイの弟子たちによって、現在でもその特別な技術を世界中の人たちに伝授しています。
マッサージ法
ハワイにおける本来のロミロミ・マッサージは、このように神聖な状況の中、祈祷にはじまります。この祈祷により、自然の神々と交流をすることで治療のパワーである「マナ」を得ます。
そしてカフナ・ロミロミは、単に表面上のマッサージだけではなく、どこが悪いかを霊的に感知しながら、患者の骨ともコミュニケーションを取り、身体や心の不調部分に働きかけて癒してゆき、自然への感謝の祈りで終わります。現在日本などで受けるロミロミは、このように完全な古代ハワイ式のスピリチュアル色が濃いものではないものが、ほとんどであると思います。
しかし老廃物を排除したり、血流をよくしたりすることでリラックス感と本来持っている自然治癒力を高めてくれる、すぐれたマッサージ法です。また、怒りや悲しみなどの心に滞った感情を解き放つのにも、非常に効果が高い施術であるとされています。
まとめ
いかがだったでしょうか?
ハワイの伝統的マッサージの「ロミロミ」は、現在では世界中に普及をし、日本でもよく知られています。
しかしその起源はとてもスピリチュアルで、特別な施術だったのです。普通のマッサージとは少し違った神秘的な癒しの時間を楽しみたいなら、ぜひロミロミ・マッサージを一度受けてみたいものです。
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