5人にひとりがHSPとされており、障害や病気とは全く違い、個人の気質を示します。初めてHSPを発見したエレイン・N・アーレン氏は、4つの性質すべてに当てはまる人がHSPとしています。
- 深く考える
- 過剰に刺激を受けやすい
- 共感力が高く、感情の反応が強い
- 些細な刺激を察知する
何を隠そう、チェックリストによれば筆者もハイスコアなHSP。今回紹介する本たちに、大変お世話になっています。もしも「自分も当てはまるかも…」という人はぜひ参考にしてみてください。
目次
「気が付きすぎて疲れる」が驚くほどなくなる「繊細さん」の本
画像:「気がつきすぎて疲れる」が驚くほどなくなる 「繊細さん」の本|飛鳥新社
HSP専門カウンセラーである武田友紀氏は、親しみを込めてHSPを「繊細さん」と呼んでいます。医者や学者の書いた本とは違った視点で、楽に生きる方法を教えてくれる本です。
HSPは性格ではなく、生まれ持った気質であり、感覚を麻痺させることはできないとしています。大切なのは、「辛い繊細さん」ではなく、「元気な繊細さん」になることだと教えています。
元気な繊細さんになるためには、繊細な感覚をコンパスにして、自分の本音を大切にすることが必要。本文にマーカーが引いてあったり、行間が広めに取られていたり、本をあまり読まない方でも読みやすい仕上がりになっています。
マンガ 敏感すぎて、「毎日がしんどい」を解決する5つのメンタル術
累計500万部突破のカリスマ精神科医ゆうきゆう氏の一冊です。
敏感過ぎる人たちが、個性豊かな精神科医とその妹に出会い、生きづらさを解決する術を学んでいくストーリー。テンポのいい会話が読者を飽きさせないので、活字を読むことに抵抗がある人にはうれしい、おすすめの本です。
~著者:ゆうき ゆう~
敏感にもほどがある
自らがHSPであるために経験した苦労や失敗を、ユーモアを交えて紹介しています。HSPが原因で転職を繰り返しますが、フリーランスの制作・編集という、自分らしい働き方を見つけていく様子を、わかりやすいイラスト付きで描いています。
興味深いのは、HSPが被害に会いやすいとするエナジーバンパイアについて、詳しく解説しているところです。他人のエネルギーを奪い、相手を消耗させながら元気になっていく、まさに吸血鬼のようなエナジーバンパイアは、実は身内に潜んでいることも…。ぞっとするような話ですが、HSPの方は情け深いので、知らずにエネルギーを供給していることが多いとのこと。
ほとんどの場合、エナジーバンパイアはエネルギーを与えると厚かましくなって、さらに要求してくるそうです。ここまで聞いて、何となく誰かの顔が浮かんだという人は、すでに餌食となりかけているかもしれませんね。
全体的に非常に読みやすく、オリジナリティー溢れる内容となっています。
鈍感な世界に生きる 敏感な人たち
画像:鈍感な世界に生きる敏感な人たち|ディスカヴァー・トゥエンティワン
この本を書いたイルセ・サン氏もまた、HSP本人であり、牧師、心理療法士という色々な立場から、たくさんの相談に乗ってきました。その経験から、周囲の鈍感な人たちや敏感な自分自身と、どうしたらうまく付き合っていけるのか、気の持ち方を中心に事細かく解説しています。
本の中でHSPは神経質でも忍耐が足りないのでもなく、「愛すべき能力」と擁護されており、HSPの自己肯定感を守ってくれる内容となっています。
ひといちばい敏感な子
アメリカでベストセラーとなったHSPの解説書。「人とは違う子どもを育てるなら、人とは違う親にならければなりません」とし、子どもの年齢別に、子育てのアドバイスをしています。
混同されがちな、HSC(HSPの子ども版)と発達障害との違いについても掘り下げており、かなり読み応えのある一冊です。発達障害が場の空気を読んだり、他人の気持ちを考えたりすることが苦手なのに対し、HSPは疲れてしまうほどに場の空気を読み、共感することができます。HSCは発達障害の軽いものではなく、むしろ正反対のものとして説明されています。
~著者:エレイン・N・アーロン~
HSCの子育てハッピーアドバイスHSC=ひといちばん敏感な子
画像:HSCの子育てハッピーアドバイス HSC=ひといちばい敏感な子|1万年堂出版
心療内科医、明橋大二氏が、不登校や摂食障害の子の診察を通して分かった、HSCの子どもを持つ親に向けた指南書。子どもを変えようとして親も子も苦しみますが、病気でも障害でもなく子どもの個性だと教え、肩の荷を下ろしてくれる一冊です。
そして敏感な子は、この世の「愛」や「美しい景色」などから誰よりもプラスのメッセージを受け取ることができる、幸せな子供達でもあるということに触れ、少数派の親子を勇気付けてくれる内容となっています。
敏感な人や内向的な人がラクに生きるヒント
画像:敏感な人や内向的な人がラクに生きるヒント|ディスカヴァー・トゥエンティワン
専門家以外の人へ配慮し、一方で教育現場でも使いやすくするために、不必要な情報は入れず、簡潔でわかりやすい言葉で説明された本です。
昔から、敏感な人や内向的な人は、マイノリティーとして抑圧される傾向がありましたが、今は彼らが自分らしくありたいと声を上げ始める時代だと述べています。そのための手掛かりになる対処法が、ぎっしり詰まった内容となっています。
まとめ
今回は、HSPに関する本7冊を紹介させていただきました。「生きづらさ」の面だけが注目されがちなHSPですが、その日常は悪いことばかりではありません。朝日や木漏れ日、星空に感動し、家族やペットとの触れ合いに、この上ない幸せを感じる、とてもカラフルな毎日です。
HSPと気づいた人たちが、希望を持てる世の中になるよう願っています。
▶︎【HSPの特徴20個】敏感で繊細すぎる気質への理解を深めようはこちら