家の中にはたくさんの神様が宿る場所があり、それぞれの場所に応じて神様をお祀りします。日本では古くから信仰されている神様で、家とも深いつながりがあります。家を建てる際には、地鎮祭を行い、土地に棲む神様を祝い鎮め、土地を使わせて頂く許しを乞います。
一年を幸せに過ごせるよう、家の中に神様をお迎えします。家のそれぞれの場所をお守り頂く神様やご利益についてご紹介します。
目次
家の神様とは
神様が家に宿り、お守り頂いているから安全に暮らすことができます。それぞれの場所に関係した神様がいらっしゃいますよ。
台所の神様:三宝荒神 (荒神様)
台所の神様である三宝荒神(さんぼうこうじん、さんぽうこうじん)は、「仏・法・僧」の三宝を守護するという神様です。炎で不浄を焼き尽くすといわれています。竃(かまど)の神とされ、台所の神と言われていますので、台所にお祀りします。
神様のご利益
ご利益は、不浄浄化、厄除け、除病、家内安全、家計費やりくり、などの功徳があります。
神様の祀り方
神棚は台所の清らかな場所で、目の高さより上にお祀りします。お札は、火が東向きか南向きになるようにお祀りしましょう。毎朝、ご飯、お塩、お水、お酒をお供えします。荒神御真言「オン・ケンバヤ・ケンバヤ・ソワカ」を七回唱えます。
トイレの神様: 烏枢沙摩明王(荒神様)
トイレの神様として知られている烏枢沙摩明王(うすさまみょうおう)は、人間界と仏界の境界線を守護しています。火生三昧(かしょうざんまい)という炎の世界に住んでいます。炎によって、人間の煩悩や欲望を焼き尽くす功徳をもっています。
神様のご利益
不浄除け、金運上昇のご利益があると言われています。
神様の祀り方
お札はトイレに、目線より高い位置に貼っておきます。
「オン・クロダノウ・ウンジャク」「オン・シュリ・マリ・ママリ・マリシュシュリ・ソワカ」の真言を唱えながらお掃除をすると、金運アップのご利益があると言われています。
戸棚・柱の神様:大黒様
家の中で一番大きな太い柱を、大黒様(だいこくさま)と呼び、柱の上に鎮座されていると言われています。
神様のご利益
富貴栄達、商売繁盛、立身出世、五穀豊穣、縁結びなどのご利益をもたらしてくれます。
神様の祀り方
目線より高い場所で南向きあるいは東向きにお祀りします。明るく静かな場所にお祀りしましょう。真言は「オン・マカキャラヤ・ソワカ」になります。
リビングの神様: 氏神
氏神(うじがみ)は、自分の住む地域にある神社の神様になります。その地域に住む人々を守ってくれている神様です。神社本庁のホームページなどで、自分が住んでいる地域の氏神を検索することができます。
地図から自宅周辺の神社を探してみるのもよいでしょう。日本全体を守っているのが、伊勢神宮です。伊勢神宮では、天照大御神(あまてらすおおみかみ)を祀っています。
神様のご利益
地域によって異なります。地域の神社でご利益を確認してみましょう。
神様の祀り方
神棚やお札は目線より高い位置にお祀りしましょう。氏神と天照大御神をお祀りするとよいでしょう。南または東向きにし、一年に一度お札を交換して頂きます。
家の門の神様:天石門別神
天石門別神(あまのいわとわけのかみ)は、門番のように家をお守りする神様です。日本神話で、天照大神が隠れた天の岩戸を神格化した神様になります。
神様のご利益
厄除け、開運招福、家内安全、無病息災などの功徳があります。
神様の祀り方
家の中への悪霊の侵入を防ぐために、玄関の目線より高い位置にお祀りします。
土地の神様:屋敷神様
宅の敷地内にある祠を、屋敷神(やしきがみ)と呼んでいます。家の中の神棚に祀られるのは、屋内神になります。稲荷、不動尊や地蔵尊、道祖神、庚申塔など地域によって異なります。屋敷神は、家や土地を守護する神様としてお祀りされています。
神様のご利益
御先祖様への感謝や家内安全などをご祈願します。
神様の祀り方
敷地の一角に祀られています。屋敷の北西・北東に祀られることが多く、少し離れた山林の中に祀られるところもあります。毎月1日と15日には、塩、米、水、酒を奉納します。
井戸の神様: 水波売神
井戸は古くより神聖なものとして扱われており、不浄や罪や穢れを清める力があると言われています。命あるもの全てが水の恩恵を受けています。水が集まる井戸は、神が宿る場所として大切にされてきました。水は生命の源です。水波売神(みずはのめかみ)は、日本神話に登場する女神、水の神様です。イザナミの排泄物から、和久産巣日神とともに生まれたと言われています。
神様のご利益
安産祈願、子宝祈願、五穀豊穣などの功徳があります。
神様の祀り方
井戸がある家庭は今ではほとんど見られなくなっています。井戸がある場合は、感謝の気持ちをもってお参りしましょう。
まとめ
神様は穢れを好まず、汚いところを好みません。キレイにお掃除をしておかないと、離れていってしまいます。それぞれの神様をお迎えする場合には、キレイにお掃除してから、お祀りするようにしましょう。
