
イギリスといえば、新しい文化と古い文化が融合したような不思議な空間が特徴です。目を引く建物や雰囲気のある電車まで子供でも楽しめそうですね。
そんなイギリスの世界遺産はやはり建物を中心としています。1ヶ所に新旧の文化が混在していてとても見どころ満点です。イギリスの世界遺産に触れてみませんか?
ロンドン塔
イギリスのテムズ川のほとりに建つ世界遺産です。11世紀にイングランドを征服したウィリアム1世が築いた要塞が起源となっていて堅固な城壁に囲まれています。
高さ約27.4mの5階建てになるホワイトタワーを中心に、歴代の国王によって増改築された塔や館、礼拝堂などが軒を連ねています。しかし実は悲しくも血塗られた歴史を持っているんです。
12歳で即位したエドワード5世は、叔父リチャード3世によって王位を簒奪されます。そして10歳の弟ヨーク公とともに、このロンドン塔に幽閉され殺害されてしまうのです。権力争いの上に命を絶った人々の亡霊が、今でもロンドン塔にはさまよっているとも言われています。
またカラスのお話もイギリスでは有名です。チャールズ2世がロンドン塔に棲みついたカラスの駆除を命じたのですが、占い師から「カラスがいなくなると英国が滅びる」と予言され、以後英国王宮の守護神として大切に飼われています。その名残か、今でもロンドン塔にはカラスが棲みついています。今では観光名所となっている世界遺産です。
ストーンヘンジ
イギリス南部ソールズベリーにある世界遺産です。世界遺産なのに建物でも風景でもなく平野に忽然と現れる巨石建造物なのです。なんとも不思議な世界遺産ですね。
イギリス中世の人々は、この不思議をアーサー王物語に出てくる魔術師の所業と信じていたそうです。損傷が激しいので往時の姿を想像するのは難しいですが、古代人の偉大なる業績のひとつであることは間違いありません。
最大で50トンにもなるサーセンストーンは、約30キロ離れたマールバラ・ダウンズからテコを使って運び出されたものです。立石と横石はほぞ穴に突起をかませる方法で固定されています。
内側には同心円状に並べられたブルーストーンは、さらに歴史が古くサウスウェールズのプレセリの丘からはるばる運ばれたと考えられています。誰が何の目的でここに石を集めたのかは未だに謎のままです。
様々な説が唱えられる中、ヒールストーンと呼ばれる石が夏至の日の出の方向と一致していることから、太陽崇拝に関係あるのでは?という説が有力になっています。イギリスの中でもとても謎に満ちた世界遺産です。
カンタベリー大聖堂
イギリスで初めてキリスト教の布教が始まった地にある世界遺産です。
カンタベリー大聖堂、聖オーガスティン大修道院跡とイギリス最古の教会である聖マーティン教会が世界遺産に登録されました。
ローマ皇帝から派遣された修道士によって大聖堂の前身が創建されてから、イギリスの人々が祈りを捧げるために集まっています。人々が祈りを捧げると重篤な病人やけが人が次々に治癒する奇跡が起きたといわれている世界遺産です。
一度、火事で焼失しますが、ゴシック様式で再建されます。そこから様々な建築様式が混在し、入口のクライストチャーチゲートはバロック様式、地下にはロマネスク様式の古い聖堂が残されています。
一歩足を踏み入れると巡礼者でなくても、思わず祈りを捧げたくなる雰囲気です。カンタベリー大聖堂と同時期に建てられた聖オーガスティン大修道院は、閉鎖されて今は廃墟になってしまいましたが、イギリス以外からもたくさんの人が訪れる名所となっています。
歴史を体感したいなら訪れたい世界遺産です。
ウエストミンスター宮殿
イギリスのテムズ河畔に聳え立つ世界遺産です。ビックベンの愛称でしられる時計塔のあるこの建物は、イギリスにとどまらず世界中で有名な国会議事堂ですね。
かつて王宮だった建物は火災で焼失したので、今あるのは19世紀にゴシック・リバイバル様式で壮麗に再建されたものです。
全長約265メートルで1100を超える部屋、100の階段、中庭数11などその壮大なスケールはさすが世界遺産という感じです。その背景にあるのが、国王の戴冠式やロイヤルウェディングの舞台ともなっているウエストミンスター寺院です。
建立されてから何度も改築を重ねて、今では世界でも有数のゴシック建築の大伽藍となっています。また、歴代国王や王室関係者、国家に貢献した人物が眠る墓所でもあるので床や壁に墓碑銘が刻まれています。
科学者ニュートン、探検家リビングストン、音楽家ヘンデル、詩人コーナーにはシェイクスピア、ワーズワーズなど錚々たる顔ぶれが並びます。夜にはこの辺り一帯がライトアップされるので美しい夜景も楽しめます。イギリスに行ったら訪ねておきたい世界遺産です。
エジンバラ
イギリスのスコットランドは、イングランドと合邦するまでは独立した王国でした。その首都は欧州の中でも「エレガントな都市」と言われている世界遺産エジンバラです。
中世の風情を残す旧市街地と18世紀に造営された新市街地がそれぞれ素敵ですが、峡谷を挟んで接する2つの都市景観の融合が、ほかにはない魅力となっていて世界遺産なのもうなずけます。
高さ約130mの断崖にそびえるのは、イギリスの象徴であり地名の由来ともなったエジンバラ城です。城壁にズラリと並ぶ砲台からスコットランド動乱の歴史を感じることができます。場内で最も古い聖マーガレット礼拝堂や、王位継承の証である「至宝と運命の石」は必見の価値ありです。
毎年8月に行われる軍楽隊の演奏が呼び物の祭典、ミリタリー・タトゥーではライトアップされた白をバックに思わずうっとりしてしまいます。上品で洗練された雰囲気や美しい街並みにイギリスならではの歴史を感じられる世界遺産です。
まとめ
イギリスの世界遺産はいかがでしたか?
悲しい伝説の伝えられるところ、未だに謎が残る空間、イギリスならではの有名観光地など見る人を飽きさせない世界遺産ばかりです。古い街並みや歴史も大切にする国なので、イギリスには温かい人が多いのかもしれませんね。
世界遺産と一緒にイギリスの人柄にも関わってみたい、そんな場所を訪れてみたいですね。
