目次
石山寺・鐘楼(重要文化財)
経蔵の右手の石段を少し下りると、源頼朝の寄進により建立されたという鐘楼があります。上層の鐘は平安時代のものといわれ、下層から撞木を引いて撞く珍しい構造です。檜皮葺、入母屋造の屋根と白壁の袴腰のカーブの調和が美しい鐘楼です。
石山寺・多宝塔(国宝)

経蔵の前の石段を上がると、これも源頼朝の寄進により建立されたと伝わる国宝の多宝塔があります。1194年の建立で、建立年代が明らかな多宝塔の中では最古のものです。本尊は鎌倉仏師の快慶作の大日如来像(重要文化財)で、四天柱に金剛界の諸尊と五大尊が描かれています。檜皮葺で、円形の上層と方形の下層のバランスや軒の曲線などが美しい多宝塔です。
石山寺・めかくし石(石造宝塔)

多宝塔の左の方に建つ石造宝塔は鎌倉時代の作といわれ、目隠しをして塔を抱きとめることができると願いが叶うと伝えられています。
石山寺・月見亭と芭蕉庵

多宝塔の右手前方へ進むと、近江八景の一つ「石山の秋月」の図に描かれた月見亭があります。

懸造の月見亭の眼下に瀬田川が流れています。紫式部が石山寺で『源氏物語』の「須磨」の巻を書き始めたという伝説にちなんで、毎年中秋の名月には「秋月祭」が行われ、多くの人々が訪れます。しばし佇み、瀬田川に月が映る光景を想像してみました。
月見亭のすぐ隣に建っている茶室が芭蕉庵です。江戸時代の俳人松尾芭蕉は、石山の奥の国分山にある草庵に滞在していた時、たびたび石山寺を訪れ、仮住まいとしたそうです。「石山の石にたばしるあられかな」などの句を詠んでいます。
石山寺・心経堂(しんぎょうどう)

月見亭の向かい側にあります。花山法皇(968年~1008年)が西国三十三所を復興されてから千年の記念行事の一つとして、1990年に般若心経の写経を永久保存するために建立されました。

総檜造の方形で、内部中央の八角輪堂の一面に如意輪観世音菩薩半跏像が安置され、他の七面に写経が納められています。
その他、境内の上方に、石山寺の宝物と、紫式部や『源氏物語』を題材とした美術品を展示する「豊浄殿」、紫式部像、本堂の西側に八大龍王社やご神木の千年杉など、まだまだ見どころがたくさんあります。
石山寺・御朱印

中央に「大伽藍」の力強い墨書。左上は、西国三十三所草創1300年記念の朱印で、紫式部の姿があしらわれています。納経は本堂内の納経所でいただけます。
9:00~16:00 300円。
ご利益とおみくじ

本尊の如意輪観世音菩薩さまは、安産・福徳・厄除け・縁結びのご利益を授けてくださいます。

本堂「源氏の間」の近くに、おみくじがありました。

紫式部開運おみくじ 200円
開運・招福お守入おみくじ 200円
アクセス
石山寺 滋賀県大津市石山寺1-1-1
電話077-537-0013
電車・バス利用の場合
JR「京都駅」から東海道本線の新快速に乗り、JR「石山駅」で下車、約13分。さらに、
京阪バス1番乗り場から2、4、50、52、53、54、55系統に乗り、「石山寺山門前」で下車、約10分。
拝観時間 8:00~16:30 (入山16:00まで) 入山料 600円
本堂内陣拝観料 500円 9:00~16:00
豊浄殿「石山寺と紫式部展」入館料 300円 10:00~16:00
(春季〈3/18~6/30〉、秋季〈9/1~11/30〉に開館。)
まとめ

石山寺はいかがでしたでしょうか。紫式部の伝説だけではなく、平安女流文学の担い手となった女性たちも訪れ、作品に書いています。
『蜻蛉日記 かげろうにっき』の作者藤原道綱母(ふじわらのみちつなのはは)、『和泉式部日記 いずみしきぶにっき』の作者和泉式部、『更級日記 さらしなにっき』の作者菅原孝標女(すがわらのたかすえのむすめ)らは、それぞれ救いを求めて石山寺に参詣しました。お堂に籠り、お経を唱えながら一晩中観音様に祈り続けるという「石山詣」をし、その時の心境や参籠の様子を作品に記しています。
江戸時代には芭蕉もたびたび訪れ「幻住庵記(げんじゅうあんのき)」をしたためました。明治時代には若き日の島崎藤村が石山寺の塔頭の密蔵院に約2ケ月間寄宿し、その時の生活を「茶丈記」などに描いています。
また、石山寺は、梅、桜、ツツジ、花菖蒲、藤、シャクナゲ、牡丹など四季折々の花を楽しめる「花の寺」として、秋の紅葉の名所としても知られています。観音様のご利益や天然石のパワー、見どころが満載で、平安女人や文人たちの思いが今も息づいている石山寺にぜひ訪れてみてください。
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いつもながら素晴らしい記事を楽しみに読んでいます。
数回読み直して読みました。私も行きましたが、感性が乏しくて紫式部の部屋を見てもあまり感動しませんでしたが、あなた様の記事に教えていただきました。まだ煩悩の多い私ですが、これからはもっと観世音菩薩様に帰依できればと思います(無理でしょうが?)。次の記事も期待しています。
ご訪問ありがとうございます。紫式部が石山寺で『源氏物語』を書き始めたのではないかというのは、あくまでも伝説です。残念ながら『紫式部日記』には石山寺詣での記述がありません。
他の蜻蛉日記の作者や和泉式部、菅原孝標の娘などはそれぞれの作品の中に石山寺に籠もったことが書かれているのですが…。
いずれにせよ、その場所に立って、伝説や故事を思い浮かべながら、あれこれ思いを馳せてみるのもお参りや旅の楽しさですね。
いつも私が思うのは、行く前にもっと調べておけばよかったということです。何度も足を運ぶ価値はありますね。