自分よりも相手のことを考える……小さいころからしつけとして、そう教わってきた人も多いのではないでしょうか。たしかにそれはとても大事なことなのですが、行き過ぎるとやさしさを通り越して自己犠牲となってしまいます。そうなると、今度は自分に対して大きな負担をかけてしまうことに。難しいですよね。
今回は、やさしさとはちがう自己犠牲についてと、その対処法についてご紹介します。
目次
自己犠牲の意味とは?
自己犠牲とは、自己を省みずに、他者のために尽力し、思いやりと愛情をもって接することです。自分自身の利益や幸福よりも、だれかの利益や幸福を優先するのですから、もちろん悪いことではありません。しかし、「犠牲」という言葉から、気持ちや機会など、なんらかの抑圧や損失があることがわかります。これは、自己犠牲をおこなった本人の負担となるでしょう。
自己犠牲と優しさの決定的な違い
自己犠牲とやさしさのちがいは、自己犠牲が自分自身を犠牲にして他者を優先しすぎるのに対して、やさしさは自分自身も大切にしながら他者にも思いやりをもって接することです。つまり、自分をかえりみないか、自分自身も大切にするか。それぞれの言葉の意味を簡単に説明すると、自己犠牲は他者のために自分の利益を犠牲にすること。やさしさは他者に対する思いやりのある態度や行動です。
自己犠牲の強い人の特徴&対処法
自分を犠牲にしてまで、だれかのために尽くすことができる人。そういった人には、いったいどんな特徴があるのでしょうか。
【頼まれるとイヤだと言えない】
頼まれるとイヤだと言えない人は、結果的に自己犠牲を強いられることになります。この場合、自分の意思ではなく、だれかのための行動をせざるを得なくなっているので、より「自分を犠牲にしている」という気持ちが強いかもしれませんね。
もしも自分がそういう状況に陥りがちで、それをなんとかしたいと感じているのなら、自分自身の気持ちや意見を遠慮なく伝えることができるようなコミュニケーションスキルを身につけることが大切。まずは、親しい人たちだけにでもいいので、これまで言わずにいたようなことも伝えるようにしていきましょう。
【自身に対する評価を求める】
他者からの期待や評価を求める人も、自己犠牲が強くなりがちです。自分自身を犠牲にしてでも他者に応えようとするためですが、その結果得られる賞賛や評価が大事なので、自分が犠牲になっているというマイナスな印象はもっていないかもしれませんね。ただし、期待していたような評価が得られない場合は、一気に不満が吹き出すでしょう。
こういったケースは、境界を設定することが大切です。自分自身の限界をあらかじめ理解しておいて、だれかの期待に応える必要があるときと、自分自身を守る必要があるときを見きわめるようにしましょう。
【自分に厳しい】
自分に厳しい人も、自己犠牲が強くなりがちです。こういう人は自分自身に対して高い理想や基準を設けていたり、自分に対する要求が厳しかったりするために、だれかのための行動をするのが当たり前だという意識になるのでしょう。自身のイメージとしては、犠牲になっているというよりも、あっさりと期待に応えてみせたというほうが近いはずです。
この場合、自分自身のニーズや欲求を無視しない、むしろ注目することが大切です。まわりの期待に応えたい気持ちとはべつに、「自分はこうしたい」という気持ちが必ずあるでしょうから、そちらの声にもきちんと耳を傾けてください。
【自己肯定感が低い】
自己肯定感が低い人は、自分で自分を褒めたり、認めたりすることができません。そのため、他者からの承認や評価を得ようとし、自己犠牲が強くなってしまうのです。
この場合はもちろん、自己肯定感を高めることが大切。なにかがうまくいったり、いいアイディアが思いついたりしたときは、それがどんなに些細なものでも自分を褒めるようにしましょう。
【やりがいを感じやすい】
やりがいを感じやすい人も自己犠牲が強くなりがちです。たとえ自分の意にそぐわないことでも、こなしてみたら意外とやりがいがある、達成感があるとなると、他者からの求めにも断る理由がなくなります。このため、自然と自己犠牲が強くなっていくのです。
こういったケースは、他者に思いやりをもつ一方で、自分自身にも同じように思いやりをもつことが大切です。やりがいのあることをこなすのは自分のためにもなるかもしれませんが、まずはもともと自分が「したい」と思っていたものを優先するようにしましょう。
まとめ
自己犠牲の精神は、第三者からみるとすばらしいものかもしれません。ですが、それにより本人に負担がかかりすぎたり、ストレスがたまったりしては意味がないのです。もしもあなたが、「自分は自己犠牲が強い」と感じているのなら、他者よりもまずは自分にやさしくしてみましょう。また、まわりにそういった人がいるのなら、ちょっとだけその人を気づかってあげてみてはいかがでしょうか。
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