「天のエネルギーが満ちる聖地」として信仰され、菅原道真が祀られるといっそう霊験が増して、天神信仰の発祥地となりました。北野天満宮周辺のパワースポットをご紹介しましょう。
目次
北野天満宮周辺のおすすめ6つのパワースポットとは
- 椿寺(つばきでら):五色の散り椿が有名
- 大将軍八神社(だいしょうぐんはちじんじゃ):陰陽道の星神を祀る
- 東向観音寺(ひがしむきかんのんじ):菅原道真の母のご廟あり
- 千本釈迦堂(せんぼんしゃかどう):市中最古の本堂は国宝
- 釘抜地蔵(くぎぬきじぞう):奉納絵馬は八寸釘と釘抜
- 千本ゑんま堂(せんぼんえんまどう):実は慈悲深い巨大閻魔法王
では、京都市内の北西、西大路一条からご案内しましょう。
西大路通から一条通に入る所に、「京都一条・妖怪ストリート」と書かれた奇妙なのぼりが目につきます。一条通には、古くなって捨てられた道具類が妖怪に化けて行進したという百鬼夜行(ひゃっきやぎょう)の伝説があります。
それをもとに、物を大切にする「もったいない」や「エコロジー」を掲げて、一条通の商店街が2005年から妖怪ストリートを始めました。
店先には、京都嵯峨芸術大学の学生らによって、古道具や古着などを利用して造られたさまざまな妖怪が置かれています。毎年秋に、西大路通から東へ約400mを、妖怪仮装行列「一条百鬼夜行」が行われます。
そんな一条通の入り口の右角に椿寺があります。
【椿寺】(正式名称 地蔵院)
地蔵院は、奈良時代初めに行基菩薩が摂津国(現在の兵庫県伊丹市)の昆陽池(こやいけ)のほとりに建立した地蔵院が始まりといわれています。さまざまな変遷を経て、室町幕府三代将軍足利義満が金閣寺建立の余財で再建したものが、1589年、豊臣秀吉の命によって現在地に移されました。
浄土宗のお寺で、山門を入って右手に本堂があり、本尊は阿弥陀如来です。奥の地蔵堂に安置されている地蔵菩薩は行基作のものと伝えられています。
地蔵堂の右手の観音堂には、十一面観音菩薩が祀られ、洛陽三十三所観音霊場の第30番札所となっています。正月・盆・彼岸に開帳されます。
地蔵院の最大の見どころは、「五色八重散椿」です。1本の椿の木に白、ピンク、赤、白赤の縞模様など濃淡さまざまな色合いの花が咲きます。
椿は首からぽろりと落ちるので、縁起が悪いときらわれますが、この散椿は、散るときに花びらが一枚一枚散るので、散った様子も美しく風情があります。3月下旬から4月上旬が見ごろで、パワースポットです。
豊臣秀吉が愛した初代の散椿は枯死し、現在のものは二代目で樹齢100~120年です。
地蔵院の公式HP「椿だより」jizouin.exblog.jp に椿の開花状況が案内されます。その年の気候によっては、境内の枝垂れ桜と一緒に楽しむことができます。
御朱印は山門を入って右の寺務所でいただけます。納経料は300円です。
住所:京都市北区大将軍川端町2 ☎:075-461-1263
境内参拝自由 9:00~16:00
最寄り駅:京福電鉄(嵐電)「北野白梅町駅」下車、徒歩5分
京都市バス「北野白梅町」下車、徒歩1分
椿寺を出て右へ、妖怪ストリート(一条通り)を東へ進み、紙屋川にかかる一条橋を渡って、しばらくすると左側に、大将軍八神社があります。
【大将軍八神社】
大将軍八神社は、794年平安京遷都の時、都の方除(ほうよけ)守護神として、大内裏の北西角、陰陽道(おんみょうどう)の天門にあたるこの地に造営されました。大将軍神は陰陽道による方位の吉凶をつかさどる星神です。建築、移動、旅行などに関して、方除け・厄除け神として世間の崇敬を集めました。
明治時代の初め、日本古来の神道を国教としようとする新政府の神仏分離令により、陰陽道は排除されました。そのため日本古来の神である素戔嗚尊(すさのおのみこと)及びその御子神八神と、陰陽道の暦神八神を習合し、さらに、聖武天皇と桓武天皇を合祀して現在の大将軍八神社となりました。
本殿の主祭神は大将軍神(素戔嗚尊)です。本殿前に設置されている石塔は、八角形の方位盤の上に、陰陽道の魔除けに使われる六芒星(ろくぼうせい)が置かれています。1994年に造営1200年記念として建てられました。パワースポットです。
本殿右奥の方徳殿には、主祭神の大将軍神をはじめ、重要文化財に指定されている80体の神像が安置されています。5月1~5日、11月1~5日に公開されますが、公開期間以外でも受け付けていただけます。(要問合せ)
御朱印は「大将軍」の墨書に八角の方位盤の印を押してあるのが特徴です。右手の社務所でいただけます。300円です。
住所:京都市上京区一条通御前西入西町48 ☎:075-461-0694
方徳殿拝観500円 10:00~16:00
最寄り駅:京都市バス「北野天満宮」下車、南西へ約200m
大将軍八神社を出て、左(東)へ進みます。次の天神通を左へ曲がり、北上します。今出川通を渡ると北野天満宮です。一の鳥居をくぐってすぐ左手に東向観音寺があります。
【東向観音寺】(正式名称 観音寺・かんのんじ)
東向観音寺は真言宗のお寺で、洛陽三十三所観音霊場の第31番札所です。
平安時代の初め、806年に桓武天皇の勅願により藤原小黒麿(ふじわらのおぐろまろ)らが皇城鎮護のために建立した朝日寺に始まります。947年、朝日寺の僧最鎮らが九州大宰府で亡くなった菅原道真の廟を移し、北野天満宮を建立しました。その時に、朝日寺を北野天満宮の神宮寺としました。961年、九州の筑紫観世音寺から道真作の十一面観音菩薩を招来し本尊としました。1311年、無人如導宗師が観音寺と改めました。
本堂・礼堂は17世紀のもので、京都市指定有形文化財となっています。本尊の十一面観音菩薩は、道真の本地仏であることから25年に一度公開され、次回は2027年です。
本堂の左奥に、道真の母の墓と伝えられる「伴氏廟(ともうじびょう)」があります。4mを超える巨大な石造五輪塔で、パワースポットです。元は北野天満宮三の鳥居の西側にある「伴氏社」(後述)にありましたが、明治の神仏分離令の時にこちらに移されました。
境内には、子授け・安産などにご利益がある白衣観音堂、商売繁盛・財運招福などにご利益がある岩雲弁財天があります。
御朱印は右手の寺務所でいただけます。納経料300円。
住所:京都市上京区今小路通御前通西入上る観音寺門前町863
拝観時間:9:00~16:30
最寄り駅:京都市バス「北野天満宮前」下車、徒歩2分
東向観音寺を出て、左へ参道を北上します。三の鳥居付近に「伴氏社(ともうじしゃ)」があります。道真の母が祀られており、子どもの成長と学業成就を願うお母さんの信仰を集めています。
先ほどコメント入れていてパワースポット青龍寺の記事を読んで、戻ったら消えてしまいました。妖怪ストリート面白いですね、釘抜き地蔵廻るの大変でしたね、北野天満宮閻魔さん等面白いですね、いつも楽しい記事有難うございます。
ご訪問頂きありがとうございます。
妖怪ストリートは、イベントの維持が大変だそうです。今年はコロナ禍でおそらく実施できないでしょう。
京都にはなんでもない小さなお寺でも、何かいわれがある所が多く、調べていて驚くことがたくさんあります。
機会がありましたら、狭い小道にも入ってぶらぶらしてみてください。きっと何か歴史に関連のある寺社や史跡に出会えると思います。