清水寺は西国三十三所16番札所。京都の東山連峰の一つ、音羽山の中腹に広がる13万㎡の広大な境内を持つお寺です。
国宝や重要文化財の仏像及び建造物、本堂舞台からの眺め、四季折々の景色が美しいお寺として、世界文化遺産に登録され、毎日多くの参詣者でにぎわっています。
約1200年もの昔、平安時代から貴族や庶民に「清水の観音さん」として親しまれてきました。霊験あらたかな清水寺の魅力、ご利益やパワースポットを紹介しましょう。
目次
- Page 1
- 清水寺とは
- 清水寺の御朱印
- 清水寺・仁王門(重要文化財)
- 清水寺・鐘楼(重要文化財)
- 清水寺・三重塔(重要文化財)
- 清水寺・随求堂(ずいぐどう)
- 清水寺・開山堂(田村堂)(重要文化財)
- 清水寺・北総門(重要文化財)と月照信海両上人遺蹟
- 清水寺・梟の手水鉢(ふくろうのちょうずばち)
- 清水寺・轟門(とどろきもん、中門)(重要文化財)
- Page 2
- 清水寺・本堂(国宝)
- 清水寺・清水の舞台
- 清水寺・地主神社(じしゅじんじゃ)
- 清水寺・阿弥陀堂(重要文化財)
- 清水寺・奥の院(重要文化財)
- 清水寺・濡れ手観音(ぬれてかんのん)
- 清水寺・子安塔(こやすとう)(重要文化財)
- 清水寺・音羽の滝
- 清水寺・「アテルイ モレの碑」
- 清水寺・十一重石塔と鳥
- アクセス、拝観時間、拝観料金
- まとめ
目次
清水寺とは
山号:音羽山(おとわさん)
寺号:清水寺(きよみずでら)
宗派:北法相宗(きたほっそうしゅう)
本尊:十一面千手観世音菩薩(じゅういちめんせんじゅかんぜおんぼさつ)
開基:賢心(後の延鎮・えんちん)
奈良時代後期の774年、奈良興福寺で修行を積んでいた僧賢心は、夢に白衣の老翁が現れ「北へ清泉を求めて行け」というお告げを受けました。そして北へ向かい、京都の音羽山できれいな水が湧き出ているのを発見しました。そこで滝行をしながら千手観音を念じている老仙人、行叡居士(ぎょうえいこじ)と出会いました。行叡居士は賢心に霊木を授けて、「これで千手観音像を彫り、この霊地を守るように」と言い残して消えました。賢心は、老仙人が観音様の化身だと悟り、草庵を結んだのが始まりです。
780年、朝廷の武官坂上田村麻呂(さかのうえのたむらまろ)が、妊娠中の妻に鹿の肉を食べさせようと、音羽山にやってきました。滝の近くで賢心と出会い、霊地での殺生を戒められ、観音の教えを説かれました。帰宅して妻に話すと、妻は、殺生の罪から救われるために家を解体して、観音像を安置するお堂を建てることを提案しました。田村麻呂も賛同してお堂を建設し、音羽の滝にちなんで清水寺と名付けました。
その後田村麻呂は東北地方の蝦夷(えぞ)を討伐する「征夷大将軍」に任命され、手柄を立て、805年に桓武天皇からお寺の敷地を拝領し、天皇公認のお寺として発展しました。
しかし、平安末期の奈良興福寺と京都比叡山延暦寺との勢力争いや、応仁の乱(1467~77年)など9回も火災に遭いました。現在のものは大半が1633年前後、三代将軍徳川家光により再建されたものです。そして、1994年「古都京都の文化財」の一つとして、ユネスコ世界文化遺産に登録されました。
清水寺の御朱印
本堂の御朱印は「大悲閣」と書かれています。観世音菩薩を安置した仏堂を表します。左上は、西国三十三所開創1300年記念の印です。
清水寺は、洛陽三十三所第12番札所にもなっていますので、「西国」か「洛陽」か、両方かはっきり伝えましょう。本堂の裏の納経所でいただけます。各300円です。8:00~18:00。
清水寺にはこのほかにも御朱印をいただける所があります。
・阿弥陀堂:「阿弥陀如来」の御朱印。300円。8:00~18:00。
・奥の院:「大悲閣」の御朱印。300円。8:00~18:00。
・不動堂:「不動明王」の御朱印。300円。8:00~17:00。こちらは早く終了しますので、ご注意ください。
清水寺・仁王門(重要文化財)
応仁の乱で焼失し、16世紀はじめに再建されました。入母屋造り(いりもやづくり)、檜皮葺(ひわだぶき)の堂々とした美しい楼門です。
仁王像は鎌倉末期の作で、京都で現存するものの中では最も大きいものです。
仁王門の下の狛犬は左右どちらも口を開いた阿形で、清水寺七不思議の一つです。元は、地主神社(じしゅじんじゃ、後述)に設置されていました。
清水寺・鐘楼(重要文化財)
仁王門をくぐると左手にあります。1607年の再建。牡丹彫刻の懸魚、菊花彫刻の蟇股、四隅の柱の先には獏・象の彫刻が施された桃山建築様式の鐘楼です。
清水寺・三重塔(重要文化財)
鐘楼の斜め右にあります。847年に建立されましたが、現在のものは1632年の再建です。三間四方、高さ31mの国内最大級の美しい三重塔で、清水寺のシンボルとなっています。
一重の内陣に、大日如来像、四方の壁に真言八祖像、天井・柱などに密教仏画や飛天、龍などが極彩色で描かれています。
清水寺・随求堂(ずいぐどう)
三重塔の斜め左手にあります。1718年の再建。本尊の大随求菩薩(だいずいぐぼさつ)は、人々の願いを求めにしたがって叶えてくれる仏様です。
縁結び、安産、子育ての神仏も祀られており、胎内めぐりが体験できる人気のパワースポットです。
大随求菩薩のお腹を想定した胎内めぐりは、真っ暗な中を数珠を伝って奥へ進み、ほのかに光る梵字の「ハラ」に出会い、その石を回して拝み、さらに前進して再び太陽の光をあびて、喜びを感じるという体験です。料金は100円、体験は9:00~16:00です。
清水寺・開山堂(田村堂)(重要文化財)
随求堂の斜め右手にあります。清水寺創建に関わる人物を祀る入母屋造り、檜皮葺の三間堂。1633年ごろの再建。坂上田村麻呂夫妻像、向かって左に行叡と延鎮(賢心)の像が安置されています。
清水寺・北総門(重要文化財)と月照信海両上人遺蹟
開山堂の左手、池の方へ進むと清水寺本坊の北総門があります。門を入ったところに月照上人(げっしょうしょうにん)とその弟の信海上人(しんかいしょうにん)の石碑があります。
月照上人は、この奥にある成就院の第24世住職でしたが、幕末に尊王攘夷の思想を持ち、西郷隆盛らと密談したと伝えられています。西郷と月照は安政の大獄で追われる身となり、薩摩に逃れました。しかし、薩摩藩から死刑同様の「日向国送り」を言い渡され、錦江湾に入水自殺します。西郷は生還しましたが、月照は亡くなりました。
2018年NHK大河ドラマ『西郷どん』の前半に登場した眉目秀麗の品格のある僧侶でした。
清水寺・梟の手水鉢(ふくろうのちょうずばち)
轟門(とどろきもん)の入り口左側にあります。こちらで手と口を清めます。この水で口をすすぐと歯痛・頭痛が治まるといわれています。台座に観音菩薩とフクロウが刻まれています。室町時代、フクロウは人間の煩悩を祓う聖鳥とされていたそうです。
清水寺・轟門(とどろきもん、中門)(重要文化財)
1633年ごろの再建。八脚門の本瓦葺。手前が轟橋(とどろきばし)で、真ん中は板張り、両端が石造りになっています。俗界と本堂との境界となり、この橋を渡ることによって、心身が清められるとされています。
轟門近くのチケット売り場で本堂の拝観券を購入します。大人400円です。

清水寺広すぎて見どころを見逃した所をあなた様の記事で感じました、残念です。又工事中の為見晴らしあまりよくえませんでしたが、音羽の滝小学生など多く混雑していましたが飲みました、(何のご利益か考えずに)
神社は縁結びに縁がないので熱心に拝みませんでした。工事完成したら又参拝できればと思っています。
参道を歩きながら、小学生時代に修学旅行で来てから何回か参拝しているのですが、ご本尊様に対してあまり興味持っていなかったようです。あなた様の記事で又目が覚めました。
それから坂東33観音の清水寺、江戸33観音の上の清水寺は規模が小さいですが、それぞれ有難くお参りしました。いつもながらご丁寧な記事有難く拝読しました。
いつもご訪問いただきましてありがとうございます。
坂東33観音、江戸33観音の清水寺にもすでにお参りされたとのこと。京都の清水寺の系列だと思います。
本堂の修復が終わったら是非再度お参りなさってください。確かに音羽の滝はいつも行列ですね。早朝6時から開門していますので、早めに行くと静かでいいかもしれません。参道のお店はまだあいてないでしょうが。