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京都【清水寺】は健康長寿・縁結び・安産のご利益あり!御朱印と見どころ

清水寺・本堂(国宝)

西国16番,清水寺,本堂
音羽山の崖に建てられた木造建築で、「懸造り(かけづくり)」です。現在のものは1633年の再建。正面約36m、側面約30m、棟高18mの巨大な本堂です。
西国16番,清水寺,懸造り
本堂内部は丸柱によって外陣・内陣・内々陣に分かれています。

西国16番,清水寺,本尊御影
本尊の十一面千手観世音菩薩像は内々陣の厨子の中に安置されています。33年に1回開扉される秘仏で、次回は2033年です。

像高173cm、光背から台座までの高さは260cm、檜材の寄木造り(よせぎつくり)、素地仕上げです。眉間の白毫(びゃくごう)に水晶がはめられています。このことから鎌倉中期の作だろうと推定されます。

慈悲、憤怒、大笑いなど頭上の11の表情は、人々の悪行を改めさせ、努力する者を励まし、人々から一切の苦しみを抜き去ってくださることを表しています。

両脇から左右の腕を上方に伸ばして、釈迦如来像の化仏を両手で捧げ持っています。これは「清水型」と呼ばれる独特のものです。正面で合掌する2手のほか、数珠や宝鏡、宝弓などの法具を持つ40手にはそれぞれ25の法力が宿り、40×25で、無量・無限を表す「千」手となります。千本の手でどのような人々をももらさず救済してくださることを表しています。

西国16番,清水寺,千日詣り
「清水の観音さん」は、無病息災、立身出世、良縁などのご利益があるとして人々に信仰されてきました。「千日詣り」などの特別な法会のときには内々陣に入り、献灯ができますが、通常は外陣から、内々陣の厨子前のお前立でそのお姿を思い浮かべてお参りします。
西国16番,清水寺,修復工事
2017年2月から本堂の檜皮葺屋根の葺き替え工事が行われています。お参りはできますが、名物の舞台も含めて覆いがかけられていますので、景観がずいぶん異なります。2020年3月完成のあかつきには、平安時代の宮殿や貴族の邸宅の面影が残る檜皮葺の、優美な屋根が蘇ることでしょう。

清水寺・清水の舞台

西国16番,清水寺,清水の舞台
清水寺の代名詞となっている本堂から張り出した舞台は、高さ13mで、4階建てビルに相当します。釘を1本も使わずに、樹齢400年以上の長さ約12m、周囲約2mのケヤキ18本の柱を並べ、縦横に何本もの貫(ぬき)を通して組まれています。日本古来の伝統工法です。下から見ると迫力があります。

西国16番,清水寺,清水の舞台から飛び降りる
ここから「清水の舞台から飛び降りる」ということわざが生まれました。覚悟をして物事を実行するという意味です。

西国16番,清水寺,境内から
この舞台からの眺めが素晴らしく大勢の人が訪れますが、実はこの舞台は観音さまに芸能を奉納するための舞台なのです。雅楽や能、狂言、歌舞伎などが奉納されてきました。現在も特別な法会のときにはこの舞台で奉納が行われます。

清水寺・地主神社(じしゅじんじゃ)

西国16番,清水寺,境内社,地主神社
本堂の左手にあります。神仏融合時代は清水寺の鎮守社でした。大国主命(おおくにぬしのみこと)をお祀りしていることから、縁結びの神様として人気を集めています。

本殿の前に、恋占いの石が10m間隔で二つあります。片方の石からもう片方の石へと目を閉じて歩くと恋が叶うそうですよ。石は縄文時代の石だそうです。

西国16番,清水寺,恋占いの石

この神社がある場所は、蓬莱山(ほうらいさん)といい、健康長寿のご利益があるとされています。

本殿・拝殿・総門は1633年の再建です。明治の神仏分離令により、清水寺から独立しましたが、世界文化遺産「古都京都の文化財」の清水寺の一部として登録されています。ここにあった狛犬が、現在仁王門の前に設置されています。

縁結び守り、恋愛守り、健康守り、勝守り、福銭守りなどあります。境内は9:00~17:00。

清水寺・阿弥陀堂(重要文化財)

西国16番,清水寺,阿弥陀堂
本堂を東に抜けて、「音羽の滝」への石段を下りないで右手に進みます。
※この石段は一方通行のため、一度下りると本堂の納経所や阿弥陀堂、奥の院に行くためには、轟門から再入場しなければなりません。半券があれば再入場できます。

地蔵堂、釈迦堂と並んでいます。1631年の再建。本尊は阿弥陀如来坐像。浄土宗の開祖、法然上人が最初に念仏道場とした場所です。「法然上人二十五霊場第十三番札所」となっており、御朱印がいただけます。

清水寺・奥の院(重要文化財)

西国16番,清水寺,奥の院
阿弥陀堂の右手、「音羽の瀧」の真上に建つ懸造りです。1633年の再建。本尊は千手観音坐像(重要文化財)です。御朱印がいただけます。

清水寺・濡れ手観音(ぬれてかんのん)

西国16番,清水寺,濡れ手観音
奥の院の裏にある池の中に設置されています。音羽の滝の水源から湧き出る金色水(こんじきすい)をかけると、煩悩・罪障が洗い流されるご利益があります。

清水寺・子安塔(こやすとう)(重要文化財)

西国16番,清水寺,子安塔
奥の院から道なりに進み、小ぶりの三重塔を目指して小高い丘に上りましょう。

聖武天皇・光明皇后の祈願所と伝えられている檜皮葺の三重塔で、内部には子安観音(千手観音)が祀られています。安産にご利益があるとして信仰されてきました。現在のものは1500年に建立されたものです。
西国16番,清水寺,子安塔から
この丘からの本堂の眺めは素晴らしく、シンボルの三重塔や懸造りの柱組みもよく見えるビューポイントです。この辺りは人も少ないのでほっとできる所です。

清水寺・音羽の滝

西国16番,清水寺,音羽の滝
子安塔から来た道を少し戻りますが、「音羽の滝」の表示を目指して進みます。「清水寺」名称の由来となった滝で、「金色水(こんじきすい)」と呼ばれ、最も人気のあるスポットです。

三筋の水が流れ落ちており、向かって左が「学問成就」、中央が「恋愛成就(縁結び)」、右が「延命長寿」のご利益があるといわれています。

ただし、飲み方に注意があります。どれか一つを選んで、一口だけ飲みます。三つとも飲んだり、何口も飲んだりするとご利益が薄れるそうですよ。滝の後ろにひしゃくを殺菌する機械がありますから安心して飲めます。

滝の下の不動堂に不動明王が祀られていますので、滝前の「滝の堂」で御朱印がいただけます。

清水寺・「アテルイ モレの碑」

西国16番,清水寺,アテルイ モレの碑
音羽の滝から本堂の崖下の迫力ある柱組みを見ながら、仁王門の方へ進む途中に「阿弖流為 母禮 之碑(アテルイ モレ のひ)」があります。

1mほどの石碑ですが、よく見ると東北地方の地図が刻まれています。坂上田村麻呂が征夷大将軍となって、東北の蝦夷(えぞ)を討伐した時の蝦夷軍の総大将アテルイとモレの記念碑です。

清水寺・十一重石塔と鳥

西国16番,清水寺,十一重石塔
「アテルイ モレの碑」から出口に向かい、仁王門の左手にあります。塔の先の九輪の上にサギのような鳥が止まっていました。その超然とした姿にしばらく見とれてしまいました。

アクセス、拝観時間、拝観料金

清水寺:京都市東山区清水1丁目294 ☎075-551-1234

JR京都駅から市バス利用:「五条坂下」下車、徒歩10分。
206系統「東山通北大路バスターミナル」行き
100系統「清水寺・祇園・銀閣寺」行き
※これらのバスは頻繁にきます。他にもルートはあります。

通常の拝観時間:6:00開門 18:00閉門
その他夜間特別拝観、季節や行事、土・日・祝日など閉門時間が延びることがあります。
納経時間は8:00からです。

拝観料金:大人400円(一部施設、本堂・舞台)

まとめ

西国16番,清水寺,
清水寺はいかがでしたでしょうか。広大なお寺も魅力的ですが、道の両側にお店が立ち並ぶ門前の清水坂、八坂の塔が遠望できる情緒あふれる三年坂(産寧坂)・二年坂(二寧坂)、清水焼の工房やショップが並ぶ茶わん坂など周辺にも人気のスポットがあります。

平安時代の清少納言の『枕草子』に「さわがしきもの」として「十八日に、清水にこもりあひたる」とあります。十八日は観音の縁日の日で、大勢の人でにぎわう様子が思い浮かびます。

また、平安時代後期の説話集『今昔物語集』の巻第11に「田村将軍、初めて清水寺を立てる語(こと)」があります。お寺に伝わる縁起とニュアンスが違いますが、清水寺創建の事情が詳しく記されています。

今や年末の風物詩になっている「今年の漢字」は、12月12日の漢字の日にその年の世相を表す漢字一字が選ばれます。2017年は「北」でした。日本漢字能力検定協会の一般公募で最も多かった漢字を、清水寺の貫主(かんす)が大きな和紙に太筆で書きます。さて、2018年は何という漢字になるでしょうか。

まだまだ紹介しきれないものがたくさんあります。観光客や修学旅行生も多く訪れるお寺です。人の多いのがいやな方は、早朝の静かな清水寺を訪れてみてはいかがでしょうか。

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ABOUT ME
Written by ゆうこ
卯年、山羊座。元国語教師。趣味は、温泉旅行や食べること。百人一首競技かるたは選手&読手A級。お寺や神社に立つと、幾度もの興亡が繰り返され、再建・再生され、長年月維持し、受け継いできた無数の無名の人々がいたことを思わずにいられません。そういう人々の思いを少しでも伝えられたらと思っています。 共著書:『新渡戸稲造の至言』(新渡戸基金発行)『花ひらく女学校』(女子教育史散策 明治後期編)

POSTED COMMENT

  1. 鈴木政雄 より:

    清水寺広すぎて見どころを見逃した所をあなた様の記事で感じました、残念です。又工事中の為見晴らしあまりよくえませんでしたが、音羽の滝小学生など多く混雑していましたが飲みました、(何のご利益か考えずに)
    神社は縁結びに縁がないので熱心に拝みませんでした。工事完成したら又参拝できればと思っています。
    参道を歩きながら、小学生時代に修学旅行で来てから何回か参拝しているのですが、ご本尊様に対してあまり興味持っていなかったようです。あなた様の記事で又目が覚めました。
    それから坂東33観音の清水寺、江戸33観音の上の清水寺は規模が小さいですが、それぞれ有難くお参りしました。いつもながらご丁寧な記事有難く拝読しました。

    • Written by より:

      いつもご訪問いただきましてありがとうございます。
      坂東33観音、江戸33観音の清水寺にもすでにお参りされたとのこと。京都の清水寺の系列だと思います。
      本堂の修復が終わったら是非再度お参りなさってください。確かに音羽の滝はいつも行列ですね。早朝6時から開門していますので、早めに行くと静かでいいかもしれません。参道のお店はまだあいてないでしょうが。

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