千葉県市川市にある正中山法華経寺は鬼子母神が祀られていることでも有名なお寺です。
広い境内には国指定重要文化財がいくつもあり、見どころがたくさんあります。御朱印もいただくことができますが、日蓮宗のお寺なので注意が必要です。
そんな正中山法華経寺の御朱印と見どころをご紹介します。
目次
正中山法華経寺の御朱印
正中山法華経寺は日蓮宗のお寺です。一見、他のお寺と変わりないように見えますが、御朱印についてはちょっと独特な決まりごとがあります。
特徴
日蓮宗は御朱印を「御首題」と呼んでいます。
※御朱印代を納める場所に「御首題・御朱印」と書かれていたので、御朱印でも伝わります。
御首題をいただく場合は御首題専用の帳面を用意するのがベターです。
御首題をいただく場合、他宗派や神社の御朱印が一緒になった納経帳に書いてもらおうとすると「押すことは出来ません」と断られることが多いです。
御朱印の受付時間は15:30くらいで終わってしまうので早めにいただきましょう。
御首題帳はネット通販でも購入できるので、事前にお取り寄せしておくと良いでしょう。受付でも購入できます。
4種類ある
正中山法華経寺の御首題は、4種類あります。
- 中老日法上人の作の日蓮聖人像が安置されている「祖師堂」の御首題
- 鬼子母神像を安置する鬼子母神堂がある「本院」の御首題
- 法華経寺の守護の宇賀徳正神の本社である「宇賀神堂」の御首題
- 十羅刹女、鬼子母尊神、大黒様を安置する罪障消滅の霊場である「刹堂」
正中山法華経寺のそれぞれのお堂でいただくことができるので、参拝の後に声をかけてみましょう。
御朱印とはちょっと違った雰囲気を持つ御首題の魅力にハマってしまうかもしれません。
正中山法華経寺の歴史
正中山法華経寺は祖師「日蓮」の足跡がみとめられる日蓮宗の霊跡寺院・大本山です。
由来
中世、この地は八幡荘谷中郷と呼ばれていて、下総国守護千葉氏の被官である富木常忍と太田乗明が館を構えていました。
彼らの館には持仏堂が建立され、後にそれが寺院となったのが法華経寺の始まりといわれています。
1431年頃に今の名前と同じ「法華経寺」と改称したそうです。
江戸時代には寺領50石1斗餘の御朱印状を拝領した日蓮宗の大本山で、江戸三大鬼子母神のひとつということで、現在でも多くの参拝者に親しまれています。
日蓮聖人
中山の地は日蓮聖人の法難の際の安らぎの地であり、説法の地でもあります。
日蓮聖人御真刻の鬼子母神が安置されている鬼子母神堂は、信仰に厚く、子育て安産、病気平癒の祈願だけでなく、社運隆盛のための参詣の人も多く訪れています。
正中山法華経寺は歴史がある分、信仰する人も多く境内のあちこちにその恩恵を受けることができる建物や仏像が並んでいます。
正中山法華経寺の見どころ
正中山法華経寺は境内にあるものすべてが見どころといっても良いのですが、広い境内なので、ポイントを抑えて散策するのにおすすめの見どころをご紹介します。
中山大仏
正中山法華経寺には釈迦如来坐像はお釈迦様が悟りを開かれた姿の大仏があります。
「中山大仏」として地元の人に親しまれていて、鋳像では千葉県一を誇る大きさなんです。
像高は35センチ、膝張279.5センチの法量をもつ大佛像であり、参拝者を優しく包み込むお釈迦様の貴高さを表しています。見上げるだけで穏やかな気持ちになれる大仏様です。
法華経寺五重塔
正中山法華経寺の境内でもひときわ目を惹くのが「法華経寺五重塔」です。
本阿弥光室が両親の菩提を弔うために、加賀藩主前田利光公の援助を受けて建立したものと言われています。
塔の総高は約30メートルで近世の五重塔としては標準的な規模ですが、国指定重要文化財となっています。
初重の正面は両開きの桟唐戸、両脇には窓枠に等間隔の格子をはめ込んだ連子窓を取り付けた伝統的な形式が守られています。古い中にも歴史を感じる五重塔です。
法華経寺祖師堂
同じく国指定重要文化財になっている「法華経寺祖師堂」は、宗祖日蓮聖人をお祀りするお堂です。
最初は鎌倉時代の1325年に上棟した小規模な五間堂でしたが、今は大規模な七間堂で屋根を二つ並べたような比翼入母屋造の形式を持つのが特徴です。
国内で比翼入母屋造の屋根を持つお堂は岡山県にある吉備津神社本殿と正中山法華経寺の2ヶ所だけなのだとか。見るだけでも価値を見いだせるお堂になっています。