瞑想を実践している方たちの体験談で、涙や鼻水が止まらなくなって驚いたというエピソードを聞いたことがあるかもしれません。それはいいサイン?それとも悪いサイン?と気になりますね。瞑想をするとあふれる涙や鼻水のメカニズムについて考えてみましょう。
瞑想で涙が出るのはなぜか?
瞑想を実践し、最初に体感するのは「マインドフルネス」です。心と身体の合一により、「なんとなく」だった行動に「意識」が結びついてゆき、今生きていることを強く認識するようになっていきます。
チベット仏教の修行者の脳活動の分析を行って、瞑想中の脳波を解析したところ、ガンマ波と呼ばれる認知活動に関わる脳波の活動量が増加しているとわかりました。さらにその増加量は、瞑想修行に費やした時間の長さに比例しているとのことでした。
瞑想を重ねるなかで、認知機能は高まり、今まで気づかずにいたご自身の感情や思いに不意に触れることで自己受容が起こり、涙という現象となって現れます。
また、瞑想を行うことで副交感神経が優位となりますが、副交感神経と関わる涙腺分泌も活発になりますので、涙は出やすくなります。これは、自分と向き合えるチャンスと捉えてみてはいかがでしょうか。
瞑想で突然涙が出る理由は?
修行者のように1日10時間もの瞑想を、数年間続けていくと、脳はその形を変化させていきます。具体的には、思考や創造性を担う前頭前野の皮質が厚くなり、脳の部位間のネットワークにも変化が見られるようになるとのことです。感情の働きを司る扁桃体と、前頭前野の結びつきが強くなることにより、感情のコントロールができるようになるそうです。
わたしたちは瞑想を続ける中で、瞬間的に修行者のような体験ができると考えられないでしょうか。ただし、感情をコントロールするまでは届かず、本来の感情に触れる、という体験としてですが。
日々を忙しく、自分自身の身心の状態に目を向けることなく過ごしているわたしたちが、瞑想という体験を通じて瞬間的に「本来の感情」に触れ、心と体がつながり、その体験が「涙」となって現れると考えます。
瞑想の涙を受け止める理由
瞑想中に、突然涙が出てきたら驚いてしまうかもしれません。もしも、心が乱れるようであれば、呼吸に意識を戻してください。
そして、落ち着いたらご自身の心に問いかけてみてください。そのとき、涙の理由に心当たりがあるかもしれないし、まったく答えが得られないかもしれません。それでもその涙をそのままを受け入れてください。
瞑想は、本来何かを得るためのものではありませんので、心当たりがなくても大丈夫です。ただ、あぁ心と身体がつながったのだとご自身で感じる、それだけで十分です。
そして、もうひとつ心に留めておいてください。瞑想中に、涙がでることを神聖視しないことです。繰り返しになりますが、瞑想は何かを得るためのものではありません。見返りを求める心を手放したところに、応えてくれる世界があるだけです。
瞑想で涙と鼻水がすごい理由
瞑想中に、涙だけではなく鼻水が止まらなくなったという体験も耳にします。同じ呼吸を大切にするヨガやピラティスを実践されている方も、頻繁に鼻水が出る体験されているかもしれません。
涙も鼻水が出たときというのは、単純に体から不要なものを排出してくれているというのは体感しているでしょう。
さらに、初めて聞いたときはにわかに信じがたいことでしたが、涙も鼻水ももとは血液だというのです。瞑想が深まってくると特に脳の前頭前野あたりの血流が増えた結果、目や鼻からあふれるという現象が起こります。涙腺や、鼻涙管を通じて血液の赤の元である赤血球が濾過されるため涙も鼻水も赤くはないのだそうです。
涙と鼻水は止めるでもなく、無理やり絞り出すでもなく、自然と流れ出るままにタオルなどで拭うのが良いとされます。そうして身体が浄化されるさまを観察して、自然治癒の力を感じましょう。
瞑想が続けられない状況であれば、一旦中断して、深呼吸をしながらご自身の状態を静かに眺めてみてください。
自分に向き合う浄化の瞑想
5分から10分ほど、瞑想の時間がとれるようであれば、自分に向き合う浄化の瞑想を実践してみましょう。「浄化」といっても、涙や鼻水が流れるための瞑想ではありません。身体からの合図に耳を澄ますようなイメージの瞑想です。
STEP1
まず、リラックスできる服装でしっかりと床に座りましょう。お尻を左右にしっかりと開くようにして、坐骨が安定するように座ります。床が痛く感じられるときは、クッションなどを上手に使って調整します。
3回くらい大きく深呼吸をして、胸やお腹をしっかりと膨らませて柔らかくして準備をします。
STEP2
呼吸の準備ができたら、頭を心持ち上向きにして目を閉じます。手首や耳の後ろなどを触って、鼓動を確かめましょう。確認ができたら、静かに目を閉じ、手を腿の上に戻したら、胸の鼓動を感じます。
脈打つ鼓動をしっかりと意識できるようになったら、次にその鼓動を指先で感じるようイメージします。指先でもしっかりと鼓動を感じられるようになれば、身体の気になる部分に鼓動を移していきます。
STEP3
肩や首など痛みがあれば痛む場所へ、胃もたれやストレスを感じるときには胃や腸など腹部へ、やる気が起きないなどパワーが落ちていると感じるときは第一チャクラと呼ばれる性器あたりで鼓動を感じてみてください。
最後に、もう一度胸に鼓動を戻し、鼓動に合わせて「感謝」の気持ちで満たし、静かに目を開けます。ゆっくりと身体を揺らしながら、意識を身体の中に戻してきて、瞑想終了です。
まとめ
瞑想をつづけていくと、涙や鼻水が突然出てきたり、思いがけない感情が湧いてきたりと驚かされることもあると思います。まだ、完全に解明されていない部分はありますが、瞑想はわたしたちの心と身体をなにかしら回復させてくれる効果があるようです。
どんなことが起こっても、そして起こらなくても、不安になることなく、肩の力を抜いて本当の自分に向き合う時間だけを粛々と過ごしてみてください。求める気持ちを手放したときに、本当に求めていたものが不意に姿を見せてくれることでしょう。
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