お香の匂いを嗅ぐと、それだけで背筋が伸びるような爽快な気分になった経験はありませんか。
数多くあるルームフレグランスのような華やかさはありませんが、どこか心の奥深くまで染み渡るようなお香は瞑想にどのような影響を与えるのでしょうか。
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瞑想にお香はどんな効果があるの?
お香と聞くと、多くの人がお寺の本殿などを思い浮かべるのではないでしょうか。長い年月を経てお堂全体に良い香りが染み込んでいて、そこにいるだけで清らかな気持ちになることでしょう。
お堂ほどの深みはないまでも、部屋の中で気分転換のつもりで焚いたお香が部屋の雰囲気そのものを変えるような力を感じたことがあると思います。
嗅覚が人体に与える影響にについて、まだまだ未解明な部分も多いのですが、「植物の香り」については特有のバイブレーションを持つということがわかってきました。
精油のバイブレーション(周波数)を紹介した本では、ラベンダーが118MHz、サンダルウッド(白檀)は98MHzとされています。最も高いバイブレーションを持つ精油はローズで、なんと320MHzだそうです。ローズの香りによる多幸感には、理由があったのですね。
また、わたしたちの身体も、健康状態によってバイブレーションが変わってきます。健康な身体が持つバイブレーションは70MHzとされています。一方で、ガンを患うと42MHzまで下がります。こうしたバイブレーションの変化に着目した治療法なども研究されています。
周波数の高いお香を嗅ぐと、わたしたちの身心は少なからず影響を受け、高い方へと引き上げられるのです。瞑想においても、雑念が遠ざかり、お香によってよりインスピレーションが得られやすいバイブレーションへと導びかれます。
自然の植物の香りが、わたしたちの心と身体を調える手助けをしてくれるのですね。
瞑想でおすすめなお香の種類
もとは宗教的な意味合いが強かったお香も、6世紀から7世紀頃にかけて、日常の中に取り入れられてきました。日本においては、平安時代の貴族の嗜みとして華やかな香りを醸成しやすい煉香が好まれましたが、戦国時代になると武士たちによって、戦の前の精神統一として清爽な香りが特徴の香木が好まれるなど、時代のニーズに応じて形を変えながらも、その香りは脈々と引き継がれてきました。
長い歴史の中で人々に好まれてきた、瞑想と相性の良いお香をいくつかご紹介します。
白檀の香り
お香の中でもっとも親しまれている香りといえる「白檀」は、木そのものが香りを放つ日本には生息しない香木です。インド産の白檀が最高級とされますが、香りを放つまでに育つには何十年もの年月が必要なため希少なものとなっています。お釈迦様が入滅され荼毘に付された折も、白檀を入れたというエピソードからも、神聖なイメージを伴う香りです。
ホワイトセージの香り
パワーストーンの浄化用などとして、昨今入手しやすくなったハーブのひとつに、ホワイトセージがあります。全体的に白っぽい色をしたハーブで、乾燥させて束ねたものが販売されています。
ホワイトセージの歴史は古く、かつてはネイティブ・アメリカンたちが清めの儀式や薬草として使用していたと知られています。
乾燥した葉に火をつけ、炎を消してから燻して使用します。浄化したいパワーストーンや空間に煙をくゆらせて使用し、香りというよりは煙に力があるとされます。燻して使用するため、焚き火のような力強い匂いがします。
チベットのお香
チベット香の最大の特徴は、お香そのものが伝統医学に基づいており、長い歴史の中で、変わらない材料、配合、手法で作り続けられているということです。
医学的要素が強いことから、薬草や高山植物など自然由来の素材が主原料です。心や身体に作用することを主目的とするため、香りは素朴な印象を持たれがちですが、深みのある香りが瞑想の集中を深めてくれます。
日本の線香より太いのですが、柔らかく折れやすいので保管には注意しましょう。
インドのお香
インドのお香の特徴は、なんといっても香りのバリエーションの多さです。お香を取り入れたいと思っているけれど、従来の香りに抵抗があるという方は、自分好みの香りが探しやすいですよ。
インドのお香と聞いてすぐに思い浮かぶのが、木材などを芯にして香料を巻きつけた長いスティックタイプのものではないでしょうか。今では、コーンタイプや、短い線香タイプのものも豊富ですので、お好みで探してみてください。
インドのお香は、天然香料だけではなく、合成香料も使用されているものが多く出ていますので、目的にあった方法で使用することをおすすめします。
