
新西国三十三ヶ所観音霊場の第4番札所にもなっている水間寺は、通称「水間観音」としても親しまれているお寺です。
ここは深い歴史と語り継がれる伝説が残るお寺でもあるのです。一度、水間寺に訪れるとまた行きたくなるという人が続出するほど魅力的なお寺です。
そんな水間寺の御朱印や見どころをご紹介します。
水間寺の御朱印について特徴

(水間寺で購入させていただきました。)
水間寺は新西国の札所であることから、御朱印を求めて訪れる人が後を絶ちません。御朱印集めをしていて初めて水間寺に来たという人も多いでしょう。しかし、一度足を踏み入れると、その魅力は絶大で何度も訪ねたくなるお寺なんです。
御朱印をいただく時には礼儀として必ず本堂で手を合わせて参拝しましょう。願い事をするというよりも、日々の感謝を伝えるという気持ちが大切です。参拝が終わったら近くの納経所にて御朱印をいただくことができます。
御朱印には大慈悲の観音様がいらっしゃるお堂を意味する「大慈殿」と書かれています。

歴史のあるお寺だけに、その雰囲気を表すかのような達筆な文字がどっしりとした迫力を感じさせてくれます。混雑している時は先に納経所に立ち寄って御朱印帳をあずけて、書いていただいている時間に境内を回るという方法も可能です。
境内には魅力的な建造物や豊かな自然が豊富なので、是非時間をかけて堪能したいですね。
水間寺の歴史
水間寺には「聖観世音菩薩」が祀られています。御朱印をいただく際に歴史を知っておくと、よりご本尊にお近づきになれると言われています。水間寺の歴史には不思議なお話があります。聖武天皇が42歳の時、病に伏せてなかなか治らなかったことがありました。
そんな時、夢で「奈良の都より西南の方角にあたって観世音菩薩がご出現なされる。この観世音の尊像を都にお供をしてご信仰申せ」とお告げがありました。聖武天皇は当時、庶民から最も信頼されていた行基にこの大切な仏像を探すことを依頼しました。行基が、この仏様を求めて到達したのがこの水間の地であり、霊峰葛城の峯よりこんこんと流れる水の間にある巨岩の上に白髪の老人がいました。
その手に持っていた仏様を「汝を待つこと久し」と言って行基に手渡し、自分は龍となって昇天したそうです。これを聖武天皇に捧げたところ。病は全快し、行基は水間に堂宇を建立してこの聖観世音菩薩を祀りました。水間寺では、今でも厄除け観音として広く庶民に信仰されています。
水間寺の見どころ

素晴らしい観音様が祀られている水間寺の中でも特に外せない見どころを紹介します。
三重塔
境内でもひときわ目を惹くのは市指定文化財にもなっている「三重塔」です。
1834年に再建され高さは20メートルになります。境内広場のほぼ中央部に建てられていることにより、本堂よりも目立つ上に、大阪にある現存する塔の中では唯一のものです。
この三重塔の初重の蟇股には彩色された十二支の彫刻が素晴らしいと評判です。
護摩堂
水間寺の本堂の南側にある「護摩堂」は憤怒の形を現し、一切の悪魔を降伏させるという不動明王が祀られています。
この不動明王は、行者につかえて菩提心を起こさせ、悪を断じて善行を修め誘導する役を持つそうです。
愛染堂
更に南側には観音院と隣接して「愛染堂」が建てられています。
愛欲染着の至情を本体とする明王と言われる「愛染明王」が祀られていて、祈る者には敬愛の徳を授け縁を結び福を与えていただけるそうです。
聖観世音出現の滝
本堂の裏手には小川が流れていますが、ここが行基が龍神より聖観音像を授けられた場所といわれる「聖観世音出現の滝」です。
現在は滝と表現するほどの迫力はありませんが、水間寺の観音様のお話を知っていると、興味深く見ることができますよ。
水間寺の縁結び伝説
水間寺の愛染堂に祀られている愛染明王は縁結びを成就させてくれると言われていますが、実際に恋を成就させた2人の伝説が残されています。今から700年前の鎌倉時代末か、南北朝時代のお話です。
伏見天皇の勅使として水間寺を訪れた山名清十郎は、近くの豪農楠右衛門の娘、お夏と恋に落ちます。2人は身分の違いを乗り越えて結ばれたいと、愛染明王に祈願しました。その後、清十郎は合戦に出ますが、戦場を彷徨うお夏と再会し、2人は水間に帰りました。しかし、朝廷の咎めを受け、清十郎は追われる身となります。2人の縁はそこで切れてしまうかと思いきや、清十郎の家来が身代わりとなり、2人は無事に追っ手を逃れて恋を成就させたのです。恋を誓った愛染明王は本当に2人の縁を結んでくれたんですね。
水間寺境内の愛染堂の前にはお夏と清十郎のお墓があります。幾多の困難を乗り越えて恋を成就させた2人にあやかりたいと、縁結びを願う多くの人が水間寺に訪れています。実例があまりにも困難な恋だっただけに、ご利益が期待できそうですね。
水間寺のおすすめ周辺スポット
水間寺で見どころを見学したら、その周辺スポットにも足を運んでみませんか。
水間寺の周りにはこの地域でしか楽しめないスポットが点在しています。
善兵衛ランド
水間寺からほど近い場所にある「善兵衛ランド」は、昼間でも巨大天体望遠鏡で天体観測ができる話題のスポットです。
スタッフの説明を受けながら、天文台から提供された天体画像をコンピュータディスプレイで、誰でも画像を選んで見ることができるので、星好きな人にはたまらないスポットですね。
脇浜戎大社
今宮戎や西宮戎と並んで、三大戎神社として知られる「脇浜戎大社」は、泉州で最も古い戎社として知られています。
豊かな漁業を願って建てられた神社なので、毎月「子の日」と「巳の日」に塩漬けの鯛・鰺・干し魚や魚の内臓でつくった調味料など二十石六斗を都の役所へ納入するという決め事もあったそうです。
珍しいしきたりの残る貴重な神社ですね。
奥水間温泉
美人の湯として知られる「奥水間温泉」もおすすめです。泊まらなくても日帰りで入浴し、個室で季節の料理を楽しめるコースが人気なんです。
泉質も良く滑らかで肌がすべすべになると好評です。
初夏にはホタル観賞もできるスポットなので、水間寺参拝の締めくくりに立ち寄ってはいかがですか。
まとめ
水間寺の御朱印と見どころはいかがでしたか。
祀られている観音様の伝説や、本当にあった縁結びの伝説など、興味深い言い伝えが多く残るのが水間寺です。
御朱印をいただくだけでなく、何度も訪れたくなる気持ちが分かりますね。周辺スポットも歴史あり、癒しありのスポットばかりなので、気持ちをほぐす1日になりそうですね。
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