モロッコと言えば世界最大のサハラ砂漠や、歴史の深いアラビアやイスラムの世界観を体感できる街です。
日本では味わえない世界観は、どこも魅力的な観光スポットばかりですね。そんなモロッコを思い切り感じることのできる観光スポットを巡る旅に出発してみませんか?
ラバト
モロッコ中西部の大西洋に面していて、落ち着いた佇まいから「庭園都市」とも呼ばれている首都です。
中心部は城壁に囲まれていて、旧市街と新市街のどちらも世界遺産に登録されている希少な都市です。北側を占める旧市街は、12世紀にアフリカ北部に興ったムワッヒド朝によって築かれたアラブ系の街として知られています。
狭い入り組んだ道の両側にはありとあらゆる店がひしめき、終始活気にあふれている観光スポットです。海の近くにはウダイヤのカスバが堅牢な姿で佇み、スペインのアルハンブラ宮殿を彷彿させるウダイヤ庭園やアンダルシア庭園も観光客にとって見どころのひとつです。
南側に広がる新市街は、20世紀前半にフランス人によって作られました。椰子の並木に彩られた広い通りにはヨーロッパの近代建築が整然と立ち並んでいて、おしゃれなレストランやカフェはまるでフランスにいるかのようです。
しかし未完成のまま残された高さ44mのミナレット「ハッサンの塔」が見えると、ここがアラブ・イスラムの街であると実感させられます。異なる文化と歴史ロマンを感じることのできる観光スポットとしてモロッコでも人気の観光地です。
青い迷宮シャウエン
モロッコ北部のリーフ山脈の奥にある標高約600メートルの山麓に、ティスーカ山とメッグ山に挟まれるように存在する小さな街です。人口は約4万人程度、この2つの山頂がヤギの2本の角のように見えることから、ベルベル語で「角」を表す言葉がシャウエンの由来です。
非常にユニークなモロッコのこの街には、観光客を虜にする観光スポットが存在します。それが「青い宝石箱」と呼ばれる通り、家の壁や路地が美しい青色で彩られたシャウエンの旧市街です。まるでおとぎ話の世界に迷いこんだような幻想的な空間が広がっています。
1930年頃にユダヤ教徒が神聖な色として青く塗ったのが起源と言われています。多くのユダヤ教徒がイスラエルに去った後も、この風習が今にも続いています。その幻想的な姿から観光客には人気のスポットです。街に2つしかないホテルに泊まれば街歩きを存分に楽しむことができます。まさにモロッコの隠れた観光スポットともいえるでしょう。
小高い丘の上にあるホテル「アトラス」に宿泊すると青いシャウエンの街のパノラマを楽しめるとあって、すぐに観光客でいっぱいになってしまいます。モロッコに行ったら足を伸ばしてほしい観光スポットです。
サハラ砂漠
モロッコに行ったのであれば、ここを見ないと帰れないと言われているのが世界最大の砂漠地帯であるサハラ砂漠です。数多くの映画やドラマでも取り上げられるように、どこまでも砂の世界が広がります。
サハラとはアラビア語で「荒れた土地」という意味です。その実態は石がゴロゴロと転がる礫砂漠が大半を占めています。砂漠と聞いて想像するようなサラサラとした砂の世界は、全体の3割にも満たないそうです。
それでも砂漠の中にある美しいオアシスや城壁に囲まれた要塞など、モロッコでしか見られない観光スポットも目白押しです。中でもラクダに乗って周遊し、夕日や朝日を眺めにいくツアーは観光客に人気です。
また砂漠の中にテントを張ってキャンプをするのも楽しそうです。一泊したその晩は、満天の星空を眺めるのもロマンチックですね。
モロッコでしか見ることのできない夜空に、観光客の誰もが息をのむといいます。砂漠をラクダが歩くさまを見るだけでも絵になる場所なので、決して過酷さだけがある観光地ではありません。モロッコとサハラ砂漠はセットで観光するのをおすすめします。
マラケシュ
モロッコでは「神の国」の意味をもつ代表的な観光スポットにもなっている街です。旧市街は世界遺産にも登録されているので、イスラムの歴史があふれています。最初のイスラム国家ムラービト王朝の都と定められたことでも知られていて、商業・経済・学問の中心として繁栄してきました。
王朝の栄枯盛衰のドラマを見てきたメディナと呼ばれる旧市街には、高くそびえるクトゥビアの塔、豪華絢爛なバビア宮殿、サアード朝の墳墓群など観光スポットが多数存在します。その中でも最大の見どころは、ジャマ・エル・フナ広場です。かつては公開処刑場だった広場で、ヒッチコックの傑作サスペンス『知りすぎていた男』のロケが行われたことでも有名です。
昼間は大道芸人がパフォーマンスを繰り広げ、観光客を楽しませています。夜になると食べ物を売る屋台が出て、まるで毎日お祭りのような賑やかさが明け方まで続きます。観光客に人気のもう一つの名所、広場の北側に広がるスークは、曲がりくねった細い路地にたくさんのお店がひしめく巨大マーケットです。
食料品や日用品はもちろん、衣類、じゅうたん、貴金属、革細工、陶器、鉄・銅などありとあらゆるものが手に入ります。しかも値段はついていないので、買い手の腕次第なんです。モロッコならではの買い物を楽しみたい人にはおすすめの観光スポットです。
フェス旧市街
モロッコ中北部のなだらかな起伏の丘に、イスラム王朝の古い都フェス・エル・バリと呼ばれる旧市街が広がっています。常に外敵の侵略にさらされてきた地中海沿岸地域では、周囲に堅固な城壁を巡らせて、内部を複雑な構造にした都市が発達したと言われています。
中でもフェス旧市街は巨大迷路のような複雑さで、「世界一の迷宮都市」と呼ばれるほどです。観光客をも迷わせる迷宮都市にタイル装飾が施されたメインゲートのブー・ジュルード門から足を踏み入れると、そこは混沌と喧騒の世界が広がります。
車両が入れない昔ならではの路地を歩く人々で溢れかえり、荷物の運搬にも手押し車やロバが活躍しています。まるで何世紀か前にタイムスリップしたような不思議な感覚を味わえます。モロッコの人々の生活を身近に感じることができるので、よりコアな観光を望んでいる人にはおすすめの観光スポットです。
複雑に入り組んだ路地を行きつ戻りつさまよえば、モロッコ最古の王都の1000年に渡る歴史を感じることができます。迷宮に迷い込んだようなワクワクする感覚を味わってほしい観光スポットです。
まとめ
モロッコの人気観光スポットはいかがでしたか。
やはりサハラ砂漠は見ておきたい観光スポットのひとつです。朝まで賑やかな街ではモロッコならではの食文化にも出会えそうですね。
買い物や観光だけでなくモロッコの人との交流も体験しておきたいものです。文化や歴史を大事にしているモロッコで観光スポットを歩いてみませんか。