日本三大〇〇といえば、真っ先になにを思い浮かべるでしょうか。夜景、祭り、名所……いろいろありますよね。その中の1つ、日本三大名鍾。名鍾といわれてあなたが思い浮かべるのはいったいどこですか?
今回は、日本三大名鍾についてご紹介していきます。
【日本三大名鍾】とは?読み方は?
日本三大名鍾<メイショウ>とは、知恩院・東大寺・方広寺にある3つの鐘のことです。音色の良さや装飾の良さなどに注目した平等院・園城寺・神護寺・東大寺という説もありますが、歴史ある名鐘の中から大きさなども考慮の上で選ばれた名鐘となるとやはり、知恩院・東大寺・方広寺の3つ。この3つは、寺院のつりがねを意味する梵鐘という言葉をつかい、日本三大梵鐘<ボンショウ>とも呼ばれます。
では、日本三大名鍾と呼ばれる鐘がどれほどのものなのか、それぞれご紹介していきましょう。ちなみに、名鍾の“鍾”の字はカネとは少しちがいますが、一文字で“つりがね”の意味をもつ漢字です。
【知恩院】
知恩院の鐘は、1636年に鋳造されました。大きさは総高が3.3m、口径2.8m、厚さ30cm、重量70tです。1人で鳴らすのは到底無理なので、除夜の鐘などは17人で鳴らしています。大みそか以外では、御忌大会と成人式でも鳴らされますよ。除夜の鐘は、一般参加は受け付けていませんが、迫力のある鐘撞を一目見ようと毎年多くの参拝者がおとずれています。
【東大寺】
東大寺の鐘は752年に鋳造されたといわれており、これは大仏開眼と同じ年です。大きさは総高が3.86m、口径2.71m、重量26.3t。除夜の鐘は、一般参加も可能ですが先着順に8名ずつのグループとなって鳴らすことになります。希望者は大みそかの22時30分ごろを目安に整理券をもらいに行きましょう。
【方広寺】
方広寺の鐘は1614年に鋳造されたといわれています。大きさは、総高4.2m、口径2.8m、厚さ27cm、重量82.7t。方広寺でも整理券を配り、希望者に除夜の鐘をつかせてくれます。だいたい2~3人でつくことになるので、鐘の重さをしっかりと感じられるのではないでしょうか。
【日本最大の鍾】蓮華院誕生寺
日本三大梵鐘である知恩院・東大寺・方広寺は、それぞれ歴史や鐘の大きさなどが決め手となって選定されています。しかし、日本で一番大きな鐘があるのは、蓮華院誕生寺。知恩院・東大寺・方広寺のどれでもないのです。
【飛龍の鐘】について
蓮華院誕生寺にある「飛龍の鐘」の大きさは、実は日本一どころか世界最大級。総高4.55m、口径2.88mもあるのです。ただし重量は37.5tで、これだけは知恩院や方広寺のほうが上。とはいえこの数字にも意味があり、一万貫、つまり「萬願達成」に通じているのです。
これだけ大きな飛龍の鐘ですからもちろん音も大きく、鐘の音は有明海を越え、対岸の島原半島まで届くほど。毎日朝6時と昼12時に鳴り響く鐘の音は、世界平和への祈りが込められているそうです。ちなみに、6時は13回、12時には7回鐘が鳴らされます。
【大梵鐘祈願】
蓮華院誕生寺では、毎日11時50分から大梵鐘祈願がおこなわれています。これは、僧侶の指導のもと、参詣者が大梵鐘をついて祈願するというもの。参加は1人でも大丈夫なので、希望する場合は寺務所に申し出ましょう。大梵鐘祈願では、過去の罪障消滅とご先祖さまの供養のために一打、現在の所願成就と家内安全のためにまた一打、未来の福徳円満と成功成就のためにさらに一打、と鐘をつきます。
まとめ
お寺の鐘の音を聞くと心が和むという人も多いのではないでしょうか。とくに大みそかなどは、除夜の鐘を聞かないと年が越せないという人もいるかもしれませんね。機会があればぜひ一度、ご紹介した名鍾の音を聞いてみてください。もしかしたら、これまで鐘の音などあまり意識していなかったという人も、心にしみる感覚を味わえるかもしれませんよ。
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