ノストラダムスと言えば、その著書「ノストラダムスの大予言」で日本でも有名になりました。その中にも多くの予言を残していますが、いったい彼はどのようにして予言者になり、またどのような予言を未来に残していったのでしょうか?
ノストラダムスの予言
ノストラダムスとは
ノストラダムスの本名は、ミシェル・ド・ノートルダムで、1503年12月14日にフランスのプロヴァンスで生まれました。
しかし彼の祖先はユダヤ人で、商人であった祖父がユダヤ教からキリスト教に改宗して、姓もノートルダム(ノストラダムス)とその時に変えたと言われています。ノストラダムスはその祖父に育てられ、多くの言語、薬草や薬剤の扱い方、天体観測についてなどを学んだとされています。
ノストラダムスは医師、占星術師、詩人、料理家としても知られていましたが、1545年に南フランスでペストが大流行したときに、その治療と根絶に尽力し、医師としてまず名声をあげたのでした。しかしそのペストにより妻子を失うことになり、絶望感からしばらく放浪を続けた時期もありました。
予言者として
ノストラダムスの経歴については、色々な説があり、不確かなものも多く、中には彼のことをイカサマ師であったと言う人も少なくなかったようです。
しかし大学在学中から、「地動説」をコペルニクスよりも20年早く唱え、天球の回転についてを説いたり、また翌年の運勢を暦のようにして作り上げたことから、予言者として注目されるようになったのでした。その後ずっと先の未来のことまで予言をした「ミシェル・ノストラダムス師の予言集」を発刊し、これが大きな反響を得たと言われています。
現在「ノストラダムスの大予言」として知られる本は、この予言集が元になっています。これをきっかけに、国王から宮廷に招かれて、王子たちの未来を予言し的中させて、名声をあげてゆきました。
また、彼が書く予言は、四行の詩と散文からなるため、その解釈は非常に多くあり、予言が当たる、当たらないもその解釈の違いに大いに左右されているようです。
ノストラダムスの大予言
「1999年7月に恐怖の大魔王が降臨し、人類は滅亡する」という有名なあの一節で、かつて多くの人が恐怖に陥ってしまいました。
しかし実際にはこれといった出来事も起こらずに終わっています。ノストラダムスが書いた原文が古い言葉であり、また普通の文章ではなく詩の形態を取っていたので、その深い意味まで現代語に翻訳できる力が翻訳者にあったのかどうかという点(原文は、おそらくフランス人でも読解困難な詩のようです)、そしてフランス語の原本そのものにも編集の段階で何度も加筆された形跡があり、いったいノストラダムスが本当に意図することは、何であったのかがよくわからなくなっているのが本当のところのようなのです。
従って、この時を境に以前のようにノストラダムスを大予言者として扱うことが少なくなって行ったのでした。
実際に起こった予言
しかし、そんな不可解な文章の予言の中に、2001年9月11日のアメリカの同時多発テロについては、それに近い予言がなされていたと言われています。
「空は燃える 45度で 炎は近づく 大いなる新都市に 時をうつさず ばらまかれた巨大な火が跳ねまわる ノルマン人を試さんと欲するとき」とあり、「ニューヨークが北緯41~45度から爆撃される」とう解釈がなされています。
絶対に同時多発テロのことだ!とは言い切れないかもしれませんが、なんとなく近いニュアンスではあるようです。このほか、東北大震災や中国の軍事台頭に近いことも予言していたようですが、これもどう解釈するかによって、内容はかなり違ってくるかもしれません。
これから起こるかもしれない予言
では、この先に起こるかもしれないことに関して、ノストラダムスは何を予言しているでしょうか?「シリア、ユダヤ、パレスチナのあたりの野蛮な国が崩壊する」と予言しています。
これは現在まさにシリア周辺で繰り返される反政府軍やイスラム教徒の反乱、テロなどを意味しているのかもしれません。このほかには、アメリカの西側で巨大地震が起こることや、人類の平均寿命がやがては200歳になること、北極や南極の雪や氷が解けることなどを予言していたと言われています。
まとめ
いかがだったでしょうか?
大予言者と言われたノストラダムスですが、思いのほか彼の予言は複雑で、どのように解釈するかで、その内容も変わってしまうようです。あまり不確かな予言や噂には捉われずに過ごすほうが、賢明なのではないでしょうか?