古くはお寺や神社は女人禁制とされる場所が多く、女性が入れない場所がたくさんありました。
今はかなり減りましたが、それでも女人禁制を守っているのが大峰山の大峰山寺です。
山深い山林の中に佇む大峰山寺は女人禁制の聖地として話題を集めています。そんな大峰山の厳かな雰囲気を感じてみませんか?
大峰山
大峰山寺を守るように立ちはだかるのが大峰山です。大峰山は1936年に吉野熊野国立公園に指定され、2004年には世界遺産に登録されました。しかし大峰山寺と同様に女性の立ち入りが認められていない場所でもあります。そんなことから、「男尊女卑を肯定する象徴」として多くの物議が繰り返されてきました。
霊山大峰山の登山口は洞川温泉という温泉街となっています。
大峰山や大峰山寺からは温泉街を見渡すことができるのですが、その絶景はメディアで紹介されるほどです。実際に洞川温泉に宿泊する人は大峰山に登り修行する修険道の人々なんです。そして大峰山寺には女性が入れないことから、旅館に宿泊する人は男性客の割合が多いそうです。
他の温泉地とはちょっと違った雰囲気をもつ場所なので、どこか神聖な空気も感じられますよ。大峰山寺に行くなら大峰山に必ずご挨拶をするようにしましょう。
面不動鍾乳洞
大峰山や大峰山寺の近くには洞川の町を一望できる「面不動鍾乳洞」があります。高所にあることから、電動モノレールに乗って山道を登り、洞窟に入っていく様子が他では体験できない貴重なものとなりますよ。
面不動鍾乳洞は奈良県の特別天然記念物に指定されていて、洞窟内は無風で平均気温は8度となっています。夏でも冷蔵庫の中にいるように涼しく、冬は比較的暖かいという不思議な鍾乳洞です。何万年もの歳月をかけて形成された地下宮殿のような光景が大峰山寺の近くにあるなんてと目を疑います。

鍾乳石は、20〜30センチのものから、3〜4メートルに達する巨大なものまで様々です。最大の石柱は「大黄金柱」と呼ばれ、高さが8メートルにもなり迫力満点です。洞窟内はライトアップもされているので、とても美しい光景が広がります。
この付近では「ごろごろ水採水場」と呼ばれる名水百選に選ばれた湧水を飲むことができます。洞窟の内部で反響して「ごろごろ」と音がしていたことが名前の由来です。長い時間をかけて磨かれた水をいただいて、大峰山寺のパワーをいただきましょう。
母子堂

大峰山寺の女人禁制エリアは、昭和の初期までは現在の場所よりももっと手前にありました。その場所が今では母子堂がある付近だったといわれています。
当時はここに大きな黒門があり、明け六つに開いて、暮れ六つに門が閉じられたといいます。まさしく大峰山寺の女人禁制を表す関所のようですね。今は当時の結界の碑だけが残されています。この母子堂は、大峰山を開いた役の小角が母を伴ってここまで来た際に、ここから先は道が急でとても女性の足では登れないと判断し、涙を飲んで別れた場所なのだとか。そして母は、息子のために小さなお堂を作ったそうです。
またこんな伝説も残っています。役の小角の母が息子の身を案じて訪ねてきたとき、この場所で一匹の大蛇がトグロを巻いて行く手を塞いでいました。困り果てた母は洞川の里に引きかえし、小角が下山するまで里の人々に仏の教えを説きながら下山を待ったとされています。こんな伝説から大峰山寺の女人禁制が今に伝えられているのかもしれませんね。
女人結界門
大峰山寺の現在の女人結界門です。大峰山寺を訪れた多くの女性がこの門までやってきては写真を撮っていくほど有名なスポットになりました。昔は霊山と呼ばれる多くの山に女人結界とされる「結界門」が多く存在していました。ところが、明治時代以降、多くの山の女人結界が解除されて行くようになるのです。
そんな中、大峰山寺では今もなお「女人結界門」が現存し、女人禁制を守っている数少ない山になっています。この女人結界門より先は女性は絶対に入ることができません。しかし女性でもここまでくるのは至難の業というほどの山道を歩きます。ここから大峰山寺に向かって手を合わせるだけでもありがたいご利益がいただけるそうです。
この女人禁制に関しては「男尊女卑を肯定する象徴」として反対する意見もあれば、ここには「男尊女卑などの差別を推進する意図はない」として伝統的な風習を残すべきだといった考え方もあります。なかなか難しい問題ですね。でもだからこそ、大峰山寺は神秘的で近寄りがたい雰囲気を感じることができます。この女人結界門まで来るだけでも、強いパワーを感じることでしょう。
天河大弁財天社
大峰山の麓にある神社「天河大弁財天社」は厳島神社や竹生島神社と同じく日本三大弁天のひとつなので、強いパワーを取り巻くパワースポットなのです。
御祭神は弁天様で有名な宗像三女神の一人、市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)です。宗像三女神が芸能の神様とも言われ、能との縁が深く能の関係の品物が多く奉納されています。芸能関係の参拝客が多いのも特徴です。拝殿にある鈴緒には五十鈴が付いていますが、これは古事記に出てくる天岩戸にお隠れになった天照大神を岩戸から出すために使った神代鈴と同じものだと言われています。
弁天様は女性の神様とも言われているので、大峰山寺には行けませんが天河大弁財天社で参拝をしておけば、楽しいことを運んできてくれること間違いなしです。大峰山寺に入れないのは残念ですが、ここでご利益をいただいて明日からの活力にしてみましょう。
まとめ
大峰山にまつわるパワースポットはいかがでしたか。
数少ない女人禁制の聖地として知られる大峰山寺は、どこか神秘的でミステリアスな雰囲気も感じますね。もちろんそのパワーは計り知れないので、女性は間違っても大峰山寺には入らないようにしましょう。
女人結界門からでも充分にご利益を得ることは可能なので、足を運んでみてくださいね。
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