ルーマニアといえば周りをたくさんの国に囲まれた多国籍な街が特徴です。それは昔から変わることがなく、今でも観光として訪れる人が多い人気スポットです。そんなルーマニアの多国籍な観光スポットで、ルーマニアならではの雰囲気や人柄に触れてみませんか?
ドナウ・デルタ
ルーマニアを流れるドナウ川はその美しい景観から絵画の中に登場したり、楽曲のテーマとなったりと観光以外でも有名です。
そしてヨーロッパ各国を通過する川として非常に長い全長を有することで知られています。ヨハン・シュトラウス2世の作品である「美しく青きドナウ」のモチーフであることから、世界的に知名度の高い河川です。
このドナウ川は最終的に黒海に流れ込んでいきますが、その河口辺りには長い月日をかけて作られた三角州、通称デルタが存在します。このドナウ・デルタは世界遺産にも登録されていることから、観光の一つとしても人気です。
この一帯には多種多様な鳥類や魚類を始めとする多くの動植物が生息しています。その中には貴重な固有種も確認されているので、観光として見つける人も多いそうです。同時にルーマニアの長い歴史を感じる場所でもあるので、地形や自然環境など興味深い場所でもあります。ルーマニアの長い歴史に思いを馳せたい観光スポットです。
シギショアラ歴史地区
ルーマニアのトランシルヴァニア地方にある小さな城塞都市です。
今でも中世の面影が残るこの街は、独自の雰囲気が観光客に人気です。多くの国と隣接するルーマニアは多様な民族が流入していますが、12世紀にザクセン地方から入植したドイツ人によって築かれました。
オレンジ色の三角屋根が連なる美しい街並みは「トランシルヴァニアの宝石」と呼ばれるほどで、観光客を魅了しています。ここには王がいなかったので入植者たちは職人組合ギルドを結成し、商工業を発展させていきました。
旧市街には「大工の塔」や「仕立屋の塔」など各ギルドが建てた塔がそびえています。中でもひときわ高い、高さ約64メートルの「時計の塔」は町のシンボルとして親しまれています。時を刻み続ける大時計はカラクリ時計で、定時になると人形が現れ踊り始めるので、観光客が集まっています。
そして観光客が途絶えない理由の一つが「吸血鬼ドラキュラ」のモデルとなったヴラド3世の聖地としても知られるからです。ミステリアスな雰囲気も魅力の観光スポットです。
マラムレシュの木造聖堂群
ルーマニアのマラムレシュ地方は、林業が盛んであることで知られています。
そんなマラムレシュの地には16世紀から18世紀ころまでに造られたといわれている木造聖堂が残されています。世界には近代的な鉄筋の聖堂が多い中、ルーマニアに残る木造聖堂はとても珍しく貴重なものです。
華やかさはないものの、木のぬくもりや木が長時間かけて色を変えたと思われる木材にしか出せない色味など、観光客も思わず夢中になって魅入ってしまう外観は素晴らしいです。ここに残る聖堂群はキリスト教の一派である「正教会」による建造物となっています。
正教会の聖堂群であるため、各聖堂の内部には、多数のイコンが配置されています。複数の聖堂群の中でも、「生神女進殿聖堂」や「聖ニコラス聖堂」、「聖大天使聖堂」などが含まれる、計8つの聖堂が、1999年に世界遺産に登録されています。ルーマニアのこの拠点の歴史を今に伝える貴重な観光スポットです。
ホレズ修道院
ルーマニアの正教を代表する建築のひとつです。
17世紀にこの地の領主であったブルンコヴェアヌにより建設されました。その設立者にちなんでこの修道院の建築様式はブルンコヴェネスク様式と呼ばれています。建築の様式の一つになってしまうほどこの修道院を有名にしたのには理由があります。外観は清楚な白を基調としたシンプルな造りになっていて、細やかな彫刻が観光の目を惹きます。
内部は一転して目が覚めるような青を基調としたカラフルなフレスコ画で壁も天井も埋め尽くされているのです。このフレスコ画を辿っていくと、ルーマニア正教の教えが少しずつですが理解できます。これらのフレスコ画を一目見ようと、多くの観光客が訪れます。
また、この修道院にはシンプルな部屋が用意されていて宿泊もできます。宿泊したら是非、体験してほしいのがトアカという木の板を打つ音です。オスマントルコの支配の名残で、礼拝の時間を知らせるためには鐘ではなくトアカを打つそうです。
軽やかでリズミカルな音にルーマニアの雰囲気がマッチして良い旅の思い出になりますよ。ルーマニアでも珍しい宿泊できる修道院は根強いファンが多い観光スポットです。
ブルケンタール国立博物館
ルーマニア最古の博物館として有名なのがブルケンタール国立博物館です。
オーストリア・バロック様式を使った立派な建物で外観を見ているだけでもため息が出てしまいそうです。オーストリア帝国のトランシルヴァニア総督であったサミュエル・ブルケンタール男爵の邸宅を、1817年に開放した博物館となっています。
主な作品は男爵のプライベートコレクションが収蔵されています。ハプスブルク家の女帝マリア・テレジアの顧問でもあった男爵のそのコレクションは、十分に見る価値があります。ルーマニアを愛した男爵の趣味が垣間見れてしまう面白い空間でもあり、年間を通して様々な国から観光客が訪れています。3階建ての館には小部屋がいくつもあります。
その部屋にも15世紀から18世紀までのフランドルやドイツ、オーストリア、イタリア、スペイン、フランス絵画がぎっしり展示されています。そのほとんどは無名の画家のものばかりです。銀の食器や燭台など、上流階級の家具調度品も展示されているので、ルーマニアで過ごした貴族生活の一端を垣間見ることもできる人気観光スポットです。
まとめ
ルーマニアの人気観光スポットはいかがでしたか。ルーマニアには様々な国の文化が入り混じって、一つの街を形成しているのが分かります。それだけにどの国の観光客にも愛される、魅力的な観光スポットが多いです。もしかすると日本に近しい場所もあるかもしれません。ルーマニアの歴史や文化に触れたい観光スポットです。