「龍」と言う日本語を英語で言うと「ドラゴン」になる訳ですが、それって同じものだとどうにも思えない所ありませんか?
事実、西洋のドラゴンと東洋の龍では一般的にイメージされる姿も違えば、持っているイメージもかなり違った物である事が多く、この二つの想像上の生き物と言うのは全く別な物だと考えて良いでしょう。
では一体どんな所が龍とドラゴンは違っているのか?どうして違ったモノであると言えるのか?という事の考察を今回はご紹介してみたいと思います。
龍とドラゴンにこんな違いがあるという事ご存知でしたか?
目次
実は全く別モノである龍とドラゴンの違いについて
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①龍とドラゴンの見た目の違い
東洋の龍とドラゴンについて一番分かりやすい違いと言ったらやはり見た目。
簡潔に分かりやすく言うならば、東洋の龍は蛇に手足を生やしたようなイメージで、肉食恐竜に角と翼を生やした形がスタンダードなのが西洋のドラゴンのイメージではないでしょうか?
しかし厳密に言うと龍と言う生き物は9つの生き物の特徴を持つ神そのものや神獣であると言われています。
角は鹿、頭は駱駝、目は鬼、体は蛇、腹は蜃気楼を作り出すと言われるヘビがキジと交わって出来たと言われる伝説の生物「蜃(しん)」、鱗は鯉、爪は鷹、手足は虎、そして耳は牛。
聞いただけで姿を想像できる人はまずい無いと思いますが、とにかくそんな凄い色々な生き物の特徴を持っているのだと言います。
一方ドラゴンは基本描写は完全なる爬虫類と悪魔の合体した姿、そのことは「ドラゴン」と言う名前の由来からも分かると言えます。
ドラゴンの語源はギリシャ語の「ドラコーン」、ラテン語の「ドラコ」だとされていますが、この意味は「鋭い眼光でにらむもの」であり、もともと基本爬虫類、主にヘビを指す言葉でしたが、「凶悪な印象」を訴えかける言葉なのです。
他にも例えば角や翼のあるイメージは殆ど悪魔と共通しているイメージですし、神話なんかでも「醜悪な見た目」「恐ろしい相貌」と表現されやすいのも一致している特徴です。
②龍とドラゴンの住処の違い
今でこそ小説やアニメ、ゲームの中では東洋文化も西洋文化もごっちゃになっていますから、ドラゴンも龍も色んな所を住処にしているイメージがあると思いますが、そもそもは住んでいる場所が全く違う存在。
東洋で言う龍と言うのは基本的に水の中にいて天に時折昇って言ったりもしますが、ドラゴンは寧ろ地下の洞窟や山岳地帯にいるとされています。
コレは原型が実はちょっと事なるところがあるからであると考えられます。
龍の起源は日本でも化石となって発見されることがある体長約7メートルの大型のワニである「マチカネワニ」の群や泳いでいる姿の見えるさまや、「竜巻」「稲妻」と言った自然現象が合致して、「こんなでかい怖い奴いる」と広まりやがて伝説化したものだと言われており、水辺の爬虫類や魚と言った生物の特徴を多く持っていますから大体が水の中や水辺や島に眠っていると言われているわけです。
ドラゴンもまた元々実在すると言われていましたが、こちらは恐怖のイメージの肥大化が主なようで、インドやアフリカから入ってくる「象をも殺す爬虫類」と言う話が「巨大な爬虫類」へと変わって言ったと考えられます。
実際にキングコブラの毒は象をも死に至らしめるに足るとも言われていますから間違ってはいないのですが、大きさも同じぐらいの物へとなったのでしょう。
この遠くの地にいる「危険で巨大な爬虫類たちがあげる声」が洞窟の奥や山の上から聞こえてくると言われるようになったからこそ「ドラゴンと言う化け物は洞窟や山に生息している」となったと言えます。
この当時での登山装備では実際に山に入ったら帰ってくるのはとても難しいですし、洞窟の中も天然ガスが充満していたり、沼沢地方の毒虫にやられたりする危険がとても高く、まず死んだことからも恐怖をあおったことでしょう。
③天候を操る龍と火や毒を噴くドラゴン
龍とドラゴンの差はその能力にもあると言えます。
まず龍ですが基本的に水の中にいるとされているのにほぼ全ての龍が雷雲や嵐を呼び、また竜巻となって天空に昇り自在に飛翔すると言われますが、ドラゴンは全てのドラゴンが飛ぶという訳でもなく、翼が無いそれこそ蛇のような日本の龍と姿が近いものは全て飛べません。
コレはいったいどんな自然現象が龍のする事だと捉えられてきたか、ドラゴンの仕業だと考えたか、の違いであると言えます。
山や洞窟かを風がなる音は遠くあちこちで聞こえると言っても土地から移動しませんが、龍のすることだと捉えられた事は天候に関するものですからその活動範囲も当然広く空を自在に飛び回る存在であるといわれていたという訳ですね。
一方でドラゴンもただの爬虫類とは違い空を飛ぶものもいますし、口や鼻から炎や毒の息を吐くと言われることが多いです。
飛ぶと言うイメージも毒や火を噴くイメージも後に詳しく語りますが、翼があるとされ始めてからついたイメージが大きいのですが、後者の火や毒のイメージは爬虫類の持つ毒のイメージと自然現象である天然ガスや火山の噴火と言ったイメージ、そして何より普通の獣では扱えず避けるはずの火すらも扱うと言ったイメージも強く反映されていると考えられます。
龍とドラゴンの差としてあるその能力もこうしてできたと考える事ができます。
④龍の好きなもの、ドラゴンの好きなもの
龍とドラゴンは実は主に好きだとされている物もまた事なります。
例えば古典的なお話しに良く登場してくる「生贄」だとか「人柱」と言う発想自体はどちらも人を好んで害するようなイメージがあるようにも思えますが、龍は積極的に生贄を欲すると言うよりも、龍に何かをしてもらうための対価として「人柱」を求めていると言うような姿で描かれることが多いです。
ちなみに日本一有名な「生贄」を迫る化け物「ヤマタノオロチ」は龍だとは消して一度も語られず「化け物」として語られています。
龍に対してドラゴンは積極的に人を襲いそれを避けるために「生贄」が捧げられていると言う姿が多く、ドラゴンから美女を救うなんてお話が多いというのはその名残でもあると言えます。
また龍はあんまり物欲が無いようなのですが、ドラゴンはどういうわけか昔から金銀財宝を集めるとされている話があるようでして人の事を積極的に襲っては金銀財宝や人を攫っていく話が多いですから結構人間と同じような物欲が強いようです。
しかし龍は優しいのかと言いますと、そんなわけもなく、ドラゴン以上にプライドが高いとされており、テリトリーに侵入したり不敬を感じると天災を起こしてくると言う恐ろしい面もありますから、名誉欲と言うか承認欲求が強いようです。
もっと簡単に言うなら龍は名を好み、ドラゴンは実を好むとされていると言う違いがあるとされていると言えるでしょう。
④崇められる龍、恐れられるドラゴンの差
龍とドラゴンは共に爬虫類を基にしたイメージから発生した想像上の生き物ですが、姿形や能力を始めとする特徴以上に東洋では神様と言われることもある龍と、西洋では悪役になるドラゴンではなにより人が持つイメージの差が大きいです。
そしてこの差を決定的にしたものが実は宗教概念だと言えます。
東洋、特に日本においては自然信仰が元となった「万物に神が宿っている八百万の神の発想」が未だ根強く残っておりますし、東南アジアや中国でも仏教の教えが主流とは言え、自然信仰を批判的に見る傾向は強くなく、土着の神様も受け入れられる風土があった事は現存する信仰心、縁起やゲンを担いだり、土地や動物そのものに信仰心を持ちやすいところから分かります。
龍もそんな色々な神様のうちの一つとして未だにアジアではただ怖い存在とかモンスターなイメージにならずに済みました。
しかし西洋では自然は信仰する物ではなく淘汰する物だと言う考え方を前面に押した強い国であるギリシャ、ローマがありました。
これらの時代の中「人が生み出した神話の中で語られる神こそが神であり、神は人間の姿をしている」と言う思想がかなり強くそして広く西洋圏には広がり、取り分けこの自然信仰で生まれた神はかなりギリシャ神話やローマ神話において「化け物」として神々や英雄に淘汰される存在へとなって行きました。
更に拍車をかけたのはユダヤ・キリスト教の登場です。
これらの宗教においては「ヘビ」が神々の敵対する悪魔の使いであり、爬虫類は人類の敵になってしまいました。
それまでは水神として蛇を祭る信仰も西洋であったと歴史的な観点から分かっていますが、この時点では「それは悪魔です」の一言により邪教徒だと判断される材料にさえなっていきました。
そんな爬虫類の中でも言ってしまえば親玉みたいな存在ですし、元からあんまりいいイメージが少なかったドラゴンは悪の総大将として扱われ、ついには『新約聖書』の「ヨハネの黙示録」では、七つの頭、十本の角をもつ赤い竜「黙示録の獣」のように悪魔とかサタンとも呼ばれる存在と同一視されていきました。
こうして龍とドラゴンは同じ爬虫類の上位の存在としてのイメージから始まったのに、全く別の扱いをされる存在へとなっていったと言えるのです。
龍とドラゴンの差についてのお話しを色々ご紹介させていただきましたがいかがだったでしょうか?
こうして細かいことを考えてみると龍とドラゴンと言うものを同じ物だと言うのには、ちょっと違和感がある理由もなんとなく分かってもらえたのではないかと思います。
始まりは似たような事からでも周囲の環境の変化や扱われ方で大きく変わってしまう物があるという事の分かりやすい一例ですから、こうした面から東洋と西洋の違いを考えてみるのも面白いです。
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