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西国三十三所札所8番【長谷寺】は大観音に出会える花の御寺!御朱印と見どころ

長谷寺・本堂〔国宝〕・ご本尊〔重要文化財〕

西国,8番,長谷寺,本堂

初瀬山中腹に建てられた入母屋造本瓦葺、断崖に建つ懸造(かけづくり)で、外陣には舞台があります。正堂(しょうどう、本尊を安置)と礼堂(らいどう、参詣の場所)とそれらをつなぐ相の間の3部分から成っています。現在の本堂は、徳川家光公の寄進により1650年に完成しました。
西国,8番,長谷寺,本堂舞台

ご本尊は、10m18cmの高さがある木像十一面観世音菩薩です。720年代に初瀬川に流れ着いた巨木が、触れるとたたりがあると人々が恐れていたのを、徳道上人が観音菩薩像に造りかえ、祀ることで人々を守る仏となったという伝承があります。
西国,8番,長谷寺,本堂ご本尊外舞台

現在の像は、1538年に再興された8代目で、右手に数珠と錫杖(しゃくじょう)を持ち、左手に水瓶(すいびょう)を持つ珍しい姿です。錫杖は地蔵菩薩の持物です。人間界に下りて衆生を救済する地蔵様の徳と、現世利益を叶える観音様の徳とを併せ持つ姿として、「長谷寺式十一面観音」と呼ばれています。

礼堂からは観音様の上半身を拝観できます。十一のお顔で世の中のすべての方向を見守っています。誰をも包み込んでくれるような優しいお顔です。
西国,8番,長谷寺,五色線

私がお参りした2017年4月は、草創1300年記念の特別拝観を行っていました。本堂右横の入り口から地下に下りて、巨大な観音様を足元から見上げ、御足に触れることができました。

1000円の有料ですが、入り口で仏の5つの知恵を表す五色線の腕輪をいただき、左手首につけるように言われました。これで観音様と縁が結ばれるのです。私の前の方は、観音様の御足にひれ伏して祈っておられました。私もなんだかとてもありがたい気持ちにうたれ、しばし御足に触れてパワーをいただきました。ご本尊の裏にも「裏観音」と呼ばれる十一面観音様がいらっしゃいました。

2018年後半の本堂特別拝観は、秋の10月13日~12月2日、9:30~16:00です。

長谷寺・三百余社(さんびゃくよしゃ)〔重要文化財〕

西国,8番,長谷寺,本堂前の三百余社
本堂前にある小さな祠です。1650年に造られた一間社春日造、銅板葺。小さいけれど風格があります。

長谷寺・大黒堂

西国,8番,長谷寺,大黒堂
七福神の一人大黒天が祀られています。こちらの大黒天は、大和七福神八宝霊場の一つになっています。

長谷寺・本長谷寺(もとはせでら)

西国,8番,長谷寺,本長谷寺
686年、道明上人が三重塔を中心としたお寺を建立した初瀬山の西の岡に建っています。現在の本堂(今長谷寺)に対して、「本長谷寺」と呼ばれています。天武天皇の病気平癒を願って「銅板法華説相図(千仏多宝仏塔)」を造り、本尊としました。これは、釈迦が説法をしていたところ巨大な宝塔が出現したという場面を銅板に鋳造したものです。国宝に指定され、現在は奈良国立博物館に寄託され、レプリカが宗宝蔵で展示されています。

長谷寺・五重塔

西国,8番,長谷寺,五重塔
1954年に戦没者を慰霊するために建立されました。高さ約27mの檜皮葺屋根(ひわだぶきやね)と鮮やかな朱色が美しい塔です。内陣には大日如来像が安置されています。

五重塔の前に686年の創建当初に建てられた三重塔の礎石が残っています。

長谷寺・桜咲く参道

西国,8番,長谷寺,桜咲く参
牡丹だけではなく、桜、シャクナゲ、花ショウブ、アジサイ、秋の紅葉、冬の寒牡丹などが境内を彩り、「花の御寺」と呼ばれるゆえんです。

長谷寺・御朱印

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長谷寺・アクセス

総本山長谷寺:〒633-0112 奈良県桜井市初瀬731-1 TEL 0744-47-7001
近鉄大阪線「長谷寺駅」下車、北へ徒歩15分

公開時間:
4月~9月 8:30~17:00
10月~11月・3月 9:00~17:00
12月~2月 9:00~16:30

入山料:一般500円

まとめ

いかがでしたでしょうか?

長谷寺は、昔から多くの文人も訪れています。境内には、万葉歌碑、大伴坂上郎女(おおとものさかのうえのいらつめ)歌碑、藤原俊成碑・定家塚、松尾芭蕉句碑、小林一茶句碑、高浜虚子句碑などがあります。

平安時代中期、『更級日記(さらしなにっき)』の作者、菅原孝標女(すがわらのたかすえのむすめ)は2回長谷寺に参籠しています。1回目の3日目の夜、御堂の方から「稲荷から賜ったご利益の杉だよ」という声がして、物を投げ出すようにするので、はっとして目が覚めると、夢だったと記しています。

『蜻蛉日記(かげろうにっき)』や『枕草子』にも登場し、平安女人の間で長谷寺詣でが盛んだったことを物語っています。

広大な境内で、花だけではなく、見どころも多く、バスツアーの限られた時間ではすべて回りきることはできませんでした。歌碑・句碑、開山堂、弘法大師御影堂、鐘楼などシャッターチャンスを逃したものがたくさんあります。

歴史や古典好きには大変魅力的なお寺です。ぜひゆっくり時間をとって訪ねてみてください。

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ABOUT ME
Written by ゆうこ
卯年、山羊座。元国語教師。趣味は、温泉旅行や食べること。百人一首競技かるたは選手&読手A級。お寺や神社に立つと、幾度もの興亡が繰り返され、再建・再生され、長年月維持し、受け継いできた無数の無名の人々がいたことを思わずにいられません。そういう人々の思いを少しでも伝えられたらと思っています。 共著書:『新渡戸稲造の至言』(新渡戸基金発行)『花ひらく女学校』(女子教育史散策 明治後期編)

POSTED COMMENT

  1. 鈴木政雄 より:

    私は6月に行きましたので、桜は見られませんでしたが綺麗だったようですね。あいにくの雨でしたが、長い階段の登廊ゆっくり上がりました、
    周りの景色が良く分かりませんでした。日本杉に関する和歌等文学に関する記事等、良かったです。結縁の五色線大事にしています。
    いつもながらあなた様の記事に感動しています。この次は花がきれいな時行きたいと思います(いつも思いますが?)

    • Written by より:

      ご訪問ありがとうございます。長谷寺は、桜や牡丹のころにめぐり合わせられれば言うことなしですが、花はなくてもお寺全体から醸し出される雰囲気がなんともゆったりとしていて、過去の歴史の中へタイムスリップしたような気持ちにさせていただけるお寺で、何度も訪れてみたくなりますね。
      鈴木様も、ぜひまた花の季節や紅葉の頃に再訪なさってくださいませ。
      私も、両側が牡丹で彩られる頃、あの登廊を登ってみたいと思っています。

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