皆さんは「SBNR」という言葉を聞いたことがありますか?これは「Spiritual But Not Religious(スピリチュアルだけれど宗教的ではない)」という意味の頭文字を取った略語です。
この考え方は、ここ20年近く主に欧米で広まったもので、宗教的なものに属したりはしないけれど、スピリチュアル的な考えには賛成といった人々のことなのです。
では最近のスピリチュアルのトレンドとも言われているこの「SBNR」とは、具体的にはどのようなことなのでしょうか?
「宗教的」であることと「スピリチュアル的」であることとは?
一般的には「宗教的」であることと「スピリチュアル的」であることは、とても似ているようで、宗教を信じていたらスピリチュアル的だという考えを持つ人もいるのではないでしょうか?
実際には「宗教的」であるということは、特定の団体に属して、そこの宗教の教義や儀式に従うことを意味します。
「スピリチュアル的」とは、宗教は信じないし宗教団体には属さないけれど、自分の心の中、あるいは宇宙には神様がいて、自分はいつでも自分の神様と繋がっているというような考えのことなのです。
従って「SBNR」とは、無宗教でありながらも神の存在や、神以上の高次元の何かを求め、また信じている人たちのことなのです。
欧米ではこのような無宗教者でありつつ、スピリチュアルである「SBNR」が急速に増えつつあるのです。
「SBNR」が生まれた背景とは
20年ほど前から始まったこの「SBNR」への動きは、それまで欧米での精神基盤でもあったキリスト教に対する考え方が、現代の若者に受け入れられなくなったことがひとつの理由です。
また戦争や世界情勢などを経て、世間の様子が昔とはずいぶんと変わってきたことにも起因しています。
ある意味、とても抽象的な考え方である「SBNR」ですが、もっと精神的に満たされたい、あるいは健康的な生活や、自然を大切にする生活などに人々が目覚め始めたところから、この「SBNR」がどんどん受け入れられるようになったのです。
これらの考え方が欧米の人々を瞑想や禅「ZEN」の世界へと誘い、そして瞑想や禅をしながら健康的に、そして自然を大切にして生きることで、「SBNR」へのムーブメントが広まっていったのです。
「SBNR」とは?
宗教離れが激しくなり始めた欧米では、いったいどういうことが「SBNR」と考えられているのでしょうか?
その根底にあるのは、宗教に対する考え方、価値観が時代と共に変わってしまったことにあります。
そして自らを「SBNR」と称する人々の多くは、精神的に豊かになるためにスピリチュアル的な何かを、自分の生活に取り入れようとしているのです。
その中心となっているのが、日本の「禅」なのです。
おそらく彼らの多くは、日本の文化が生み出した独特の世界である「禅」に魅せられたのでしょう。
日本の本来の「禅」と、彼らが解釈している「禅」は、少し違うようには思うものの、静寂の中で精神を統一し、心のバランスを取り、気づきを生み出すことこそが「スピリチュアル」と感じる人々が、欧米にはかなり多いのです。
「SBNR」な人々とは?
「SBNR」な人々は、瞑想やヨガを好む人、占星術、禅など、いろいろな独自の方法でスピリチュアルにあろうとします。
彼らの考え方の中には、宗教は人間が作り出した団体であって、決して本来の神の姿ではなく、組織の規則などもすべて、神ではなく人間が生み出したものであるという解釈をしています。
その理由のひとつには、宗教団体が『その宗教の神を信じなければ地獄に落ちる』とか、その宗教が決めたルールに従わされたり、儀式を行わされたりと、何かと型にはめられた規則や法則を受け入れないといけない場所だと考えるからなのです。
一方で「SBNR」の解釈は広く、「スピリチュアルだが宗教的ではない」という意味には、宗教を信じないという意味のほかに、無神論者ではないけれど、かといって潔癖で道徳的な人間でもなく、また親切で友好的でスピリチュアルだけれど宗教は信じないという、曖昧さもあります。
「SBNR」なライフスタイル
現在の欧米の若者たちにとって、ある意味トレンドでありファッショナブルだと感じられている「SBNR」的生活ですが、感染症が流行したことがきっかけで、自分ひとりで過ごす時間も増え、さらに「SBNR」であろうとする人が増えたとされています。
ではこういう「SBNR」の人々が実践している「SBNR」であるライフスタイルとは、どのようなものでしょうか?
それは先に述べたように禅であったり、瞑想であることも多いのですが、それ以外に自分自身と向き合う時間を持つということなのです。
たとえば朝早く起きて朝陽を拝み、心に静寂と太陽のエネルギーを取り入れることから一日を始める人もいるでしょう。
また緑の多い自然の中で深呼吸をし、小鳥のさえずりを聞きつつ一日をスタートさせる人もいるのです。
そして仕事の時にはヒーリング音楽を静かにBGMとして流してみたり、無農薬や新鮮な野菜をたっぷりと取り入れた、健康的な食事を摂る、そういうことから始めるのです。
上は一例で、それぞれ自分に合ったやり方で、自分の精神を豊かにするために、いろいろな行動を生活に取り入れることで、簡単に「SBNR」は実践できます。
アロマオイルを入れたお風呂にゆっくりと浸って一日を終えるのも「SBNR」的な生活のひとつですし、サウナで整えるのもよいでしょう。
ただし漠然とこういうことを行うのではなく、まずは自分自身を見つめなおすための「SBNR」でもあるのです。
精神統一をしたり、自分の心と身体のバランスを取り、自然と繋がりつつ、自分の先祖や心に棲む神々、スピリット、あるいは周囲の人々にも感謝する、これが「SBNR」の根底にある「SBNR」の精神なのです。
宗教という枠にはめられるのではなく、自由にそして自分なりの方法で、自分の感覚を研ぎ澄まし、体験し、感じることで、自分の意識を目覚めさせ、自分らしく生きることが「SBNR」的なライフスタイルなのです。
まとめ
「SBNR」とはスピリチュアルだけれど宗教的でないという意味です。この「SBNR」が現在、スピリチュアル的な新しい生活スタイルのトレンドとして、日本でも注目を浴び始めているのです。
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