
侘び寂び(わびわび)と言えばちょっと難しいかもしれませんが、相手に対する背伸びをしない気遣いや、季節に合ったおもてなしと考えたらわかりやすいかもしれません。相手を思う気持ちがあれば可能なら、敷居も低く感じますよね。
今回は千利休の名言から、足さず、競わず、余白を大切にする生き方を読み解きます。今の時代にふさわしい、心が静かに満たされていく人生のヒントを集めました。
千利休の名言①
茶道を楽しもうと思うのなら、釜がひとつあれば事足ります。あとはお茶を飲むのに難のない茶器でもあれば十分。
それなのにわざわざお高い茶道具やら茶碗を用意してひけらかしたり、高い着物を身につけてやってきて自慢したりするのは、限られた道具でおもてなしをする茶道の主旨に反していると言えるでしょう。
極度にへりくだるのでもなく、質素であっても真心をこめて相手をもてなす気持ちがあれば、その思いは相手にも伝わるものです。
千利休の名言②
なにかを学ぼうとするなら、まずは自分自身が行動して、誰かに教わるなり教室や道場に通うなりする必要があります。
そしてある程度習熟してきたなら、改めて初心に立ち返り基本を見つめ直すことが、より成長するためのステップとなるでしょう。
千利休の名言③
日々はなにげないことの積み重ねで、大事件や一生に一度の出会いなんてものは、それこそほぼ起きるものではありません。
そんななんでもない日常を積み重ねて行った上に未来は続くもので、そうしたなんでもない日常の中で結ばれたご縁や信頼関係といったものが、いつか自分を助けてくれる可能性も。
損か得かとか、気分で日々を過ごすのではなく、なんでもないことを地道に続けて行く堅実さや誠実さを忘れないでくださいね。
千利休の名言④
大切な人をもてなすのに、まず形からと道具や食材などにこだわる人も多いでしょう。それはもてなしのひとつの形ではありますが、お金をかければ良いというものでもありません。
ぜいたくな道具や食事などではなく、なにより相手を大切に思い、もてなすことを心がけましょう。見た目は質素であっても、ちょっとした工夫や楽しい会話があれば、十分に場はなごみ良い時間となるものです。
千利休の名言⑤
社会に出れば、なかなか自分の信念や我(が)を通し続けるのは難しいもの。たとえ納得が行かなくても、自分の立場や所属する組織を守るために、相手に頭を下げる必要があることも。
それで良かったと思える、本音と建て前をうまく使い分けられるのが、社会的な立場のある人というものなのかもしれませんね。
千利休の名言⑥
誰だって初めてのことはわからないものですし、わからないままにしておくと大きな失敗につながってしまうことも。
わからなくて不安があるのなら、恥ずかしさなんていったん脇に置いて、詳しい人にきちんと尋ねるべきです。わからない部分をクリアにすれば自分もスッキリしますし、余計なトラブルも起きません。
聞かずに恥をかくくらいなら、恥ずかしい思いをしてもちゃんと人に聞くようにしてください。
千利休の名言⑦
人と人のご縁はお金では買えない財産です。どうせ次があるからと目の前の相手に雑な対応をしてしまったなら、その人はガッカリしてもう二度とご縁を持ってくれないかもしれません。
だからこそいつでも一回一回の出会いを大切にして、気持ちよく次のご縁へとつなげていく心構えを持ちたいものです。
千利休の名言⑧
家は雨漏りなどせず、掃除が行き届いて小ぎれいであるなら、特別大きかったり豪華な造りではなくても十分に住むことができます。
食事だって毎回贅沢(ぜいたく)なメニューでなくても、お腹が空かない程度に満たされるなら、体のためにはむしろ腹八分目がちょうどいいくらい。
持っていないもの、足りないものを数え上げて不満を言うのではなく、すでにあるもので十分だと思うことで、日々の幸せを感じてくださいね。
千利休の名言⑨
日本には春夏秋冬の季節があります。暑い時期には暑いなりの、寒い時期には寒さに対応するための過ごし方やもてなし方があるもの。
大切な人やお客様には、そうした季節やタイミングに合わせたおもてなしを心がけることで、ゆっくりとくつろいでもらってくださいね。
千利休の名言⑩
あまり人が行かないような裏道にも、美しく花は咲いているもの。多くの人が行く道か、ほとんど人も通らぬ道か、どちらを行くにしても自分で決めることですが、それもタイミングを逃してしまえば花は散ってしまうでしょう。
ビジネスでも他の人とは違う提案をしてみるのは良いことですが、それも相手の気持ちやタイミングに合っていなければ意味がありません。しっかりとその機を見極められるように、日頃から心がけると良いでしょう。
千利休の名言⑪
小さな部屋はわざとらしく飾り付けるのではなく、季節感や部屋の雰囲気に合ったさり気ない装飾の方が向いています。
たとえるなら六畳一間にいろんな種類の花束はちょっとちぐはぐで場所も取りますが、スッキリとした花器に同じ色のバラを一輪か二輪くらいなら、圧迫感も少なくて目にも優しいでしょう。
一部屋にあまり広さのない日本の家には、こうした引き算の美学が向いているのでしょうね。
まとめ
おもてなしの基本は、相手が大切だという思いや気遣いから。まずは心安らげるような場であること。相手の好きなお茶やお菓子を準備する。そうしたことができていれば、大体は相手に喜んでもらえるでしょう。
ただお金をかけるおもてなしより、質素であっても心を尽くしたおもてなしの方が、相手の心に残るかもしれませんね。



