四国お遍路27番札所神峯寺(こうのみねじ)は、以前「土佐の関所」「遍路ころがし」と言われた難所のお寺でした。最近は中腹まで車で行けるようになって、私たちはタクシーに乗り換えました。
神峯寺は、奈良時代に行基が十一面観世音菩薩を刻んで神仏合祀して開創されました。その後弘法大師が堂宇を建立します。幕末の三菱財閥の創始者である岩崎弥太郎の母が弥太郎の開運を祈願して、片道20Kmの道のりを、なんと素足で21日間も通い続けたそうです。
さらにある難病を抱えた妻と共に、夫婦はこの峯で霊験を得て奇跡的に全治したという実例もあるそうです。
数々の開運ご利益がある神峯寺(こうのみねじ)の魅力をご紹介します。
目次
【参道】
上の駐車場から仁王門までの急坂の途中に出てくるこちらの石碑は、あるご夫妻の奇跡の話が刻まれた石碑です。
昭和30年代に、水谷繁治さんの妻であるしづさんは難病である脊髄カリエスにかかって歩くのも困難な状況に陥り、病院にも見放されます。水谷繁治さんは、妻の病気が治るようにと最初は1人でお遍路をまわりますが、お遍路1番のご住職から2人でお遍路をまわることをすすめられて、夫婦2人で巡礼を始めました。27番神峯寺を参拝した後の帰り道で、妻、しづさんは転んでしまいます。何とか立ち上がってみると今までにない感覚が体にみなぎり、歩くのも困難だった妻、しづさんは普通に歩けるようになってしまったという奇跡の体験をします。
その転んだ場所というのが、この石碑の前だそうです。山門前から素晴らしいパワースポットですね!
【仁王門】

左が神峯寺、仁王門の右には神峯神社の鳥居があります。拝殿は奥の院(神峯寺本堂の上の方)にあります。

どっしりとした構えの仁王門です。

両脇にいらっしゃっる阿吽の仁王像は朱色が艶やかでした。

【納経所・鐘楼】

仁王門を入ってからは、石の門柱の先左手に納経所があります。その先の階段がかなりありますよ。心して登ってください。

鐘楼は階段右手前です。鐘楼の上から右後ろ向こうに小さく見えるのが藤棚です。季節の時にはとても綺麗だと思います。

【神峯の水】
鐘楼の裏手の階段下に、日本名水100選「土佐の名水 神峯の水」があります。
ある病気の女性が弘法大師に水を飲ませてもらう夢を見て病気が回復したので、水が湧き出ている場所を探し当てたところ、この「神峯の水」の場所にたどり着いたそうです。病気平癒に霊験あらたかな有難いお水ですので、ぜひご利益を頂きましょう。

左手には池があり、池と神峯の水(手水舎)の間の階段を登り本堂へ向かいます。

150段の石段を登りながら、両側に樹齢数百年の古木と四季折々の花を咲かせる日本庭園を眺められるのが素晴らしいですね。途中の石仏にも手を合わせます。右手にまだまだ階段が続きます。

【本堂】

本堂は石段を上った上にあります。

ご本尊は十一面観世音菩薩で秘仏となっております。こちらの十一面観世音菩薩様に岩崎弥太郎さんのお母様はお願いしたのでしょう。

【聖観音堂(経堂)】
本堂の右手にある聖観音堂は、大師堂が出来るまではここが大師堂だったそうです。聖観音堂の前に仏足跡がありました。

【みちびき弘法大師】

弘法大師が歩く姿を表現した、みちびき弘法大師の像は、足の先まで細かく再現されているそうですので必見です。
