四国39番札所延光寺(えんこうじ)は、高知県の西南端に位置する最後の「修業の霊場」です。38番札所から56Km、40番札所へは29Kmの位置にあります。
付近にある菓子店、浦田菓子舗では「バカヤローまんじゅう」が有名。まんじゅうのもっちり感と皮のサクサク感とのバランスが絶妙で、その名前は、かの有名な総理大臣、吉田茂の発言が由来とされています。
延光寺の建立には、亀が関係しているといわれています。亀に由来する延光寺の歴史や御朱印、見どころなどをご紹介していきましょう。
延光寺の歴史、竜宮城とのつながり
延光寺の建つ山、赤亀山とその寺名には、竜宮城が関わっているという伝説があります。
平安中期、延喜11年(911)のある日、梵鐘(寺院のつりがね)を背負った赤亀が、竜宮城よりやってきたといわれています。僧たちはさっそく梵鐘を寺に奉納し、自分たちの地を「赤亀山延光寺」と改めたといいます。
赤亀の持ってきたその梵鐘には、しっかりと当時の元号が記されており、明治のころには議会の開閉の合図に用いられたそうです。なお現在では、国の重要文化財にも指定されています。
延光寺の開創は神亀元年。行基菩薩が聖武天皇の命を受け、本尊となる薬師如来、ならびに十二坊を建立し開創しました。延暦年間には弘法大師が延光寺を来訪されました。
当時水不足に悩むこの地に、大師が錫杖でひとつきしたとき湧き出た霊水が、「眼洗い井戸」として現在も語り継がれています。
延光寺のご利益
本尊は、平安時代に製作された木造薬師如来像です。宿毛市指定の保護有形文化財に指定されています。
薬師如来は、如来となる前に「十二の大願」を誓いました。願いの1つとして「病気や厄災を取り除いて、安楽を与える」という大願を見事果たされて、医薬を司る仏として、薬壺を持ち、病気を治す仏様として多くの人に親しまれています。
薬師如来は東方浄瑠璃界という場所に存在し、現世の教主であるとされているのです。「眼洗いの井戸」もあり、さまざまなご利益を受けることができそうです。
延光寺の御朱印の特徴
最後の「修業の霊場」として、つつましくも厳かな出で立ちで、来るものを受け入れてくれる延光寺。御朱印は境内の納経所でいただくことができます。まずご本尊にご挨拶するのをお忘れなく。
ご本尊である「薬師如来」と書かれた御朱印をいただくことができます。その筆跡の力強さもさることながら、亀の絵が刻印されているのが、こちらの御朱印の特徴です。延光寺ならではのデザインを、ぜひ楽しんでみてください。
延光寺の見どころ
仁王門
階段を上がった所に仁王門があります。仁王像は年期が入っていますがとても立派です。
手水舎
手水舎の右の修行大師像と、修行大師像の右にあるお地蔵様にも手を合わせます。
鐘楼堂
本堂
香炉は本堂・大師堂共有でした。
大師堂
大師堂の左側から続く「新四国霊場本尊奉安所」です。
大赤亀の石像
仁王門をくぐってすぐ右手に、梵鐘を背負ってきたとされる赤亀の像があります。こちらは昭和54年に信者が寄進したものです。納経所左の池に住んでいた亀が突如いなくなってしばらくしたところ、梵鐘を担いで戻ってきたといいます。
眼洗いの井戸
弘法大師によって湧き出てきた霊水が、こちらにも流れています。大師はこちらの水を「宝医水」と名づけ、現在でも眼病に効果があると高名です。訪れてみると、現にこちらで目をぬぐうお遍路さんも多いです。容器での持ち帰りも可能だそうですよ。
まとめ
延光寺の歴史や見どころはいかがでしたでしょうか。延光寺の歴史はまさしく、水とともにあります。水に住む亀をきっかけに開創され、弘法大師の霊水により、その繁栄を確かにしたといわれています。
行った時は、境内に光が差していてとても清々しい雰囲気でした。最後の「修行の霊場」としてもたいへん魅力的な寺院です。ぜひ、足を運んでみてください。
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