徳島県板野郡にある四国八十八ヶ所霊場3番札所「金泉寺(こんせんじ)」は、長寿をもたらす黄金の井戸があることでよく知られています。また、源義経が戦勝祈願をして、平家を倒したことなどから、人生の開運祈願に訪れる人が多いお寺です。そんな伝説やエピソードがいっぱいの金泉寺の御朱印や見どころについてご紹介します。
目次
長寿をもたらす黄金の井戸とは?
八角観音堂の右隣に「黄金地蔵尊」と書かれた小さな建物があります。弘仁年間(810年〜824年)、空海(弘法大師)が修法でこの寺を訪れたとき、日照りで苦しむ村人の声を聞きました。大師が地面を掘ると、霊水が湧き出ましたので、「黄金の井戸」といわれるようになりました。今も霊水が湧き出ていますが、この水面に自分の顔がはっきりと写ったら長寿のしるし、ぼんやりとしか写らなかったら短命に終わると言い伝えられています。
お参りのみなさん、おそるおそるのぞいていました。顔が写ると「あっ、写った、良かった!」と喜ぶ声が響いていました。
井戸の奥には黄金ではないですが、北向き地蔵尊が安置されています。首から上の病に霊験あらたかだそうです。自分の悪いところと同じところを撫でながら、願いをかけると聞き届けてくださるそうですよ。おそらく「黄金の井戸」をお守りするお地蔵様なので、「黄金地蔵尊」と呼ばれているのでしょう。
四国八十八ケ寺霊場の中には、他にも弘法大師が掘ったと伝えられる井戸があります。17番札所井戸寺の「面影の井戸」、39番札所延光寺の「眼洗いの井戸」です。ぜひ訪れてみてください。
金泉寺・仁王門

1996年に完成した朱塗りの三間一戸楼門、入母屋造りです。仁王さんの目は白眼のところが金色になっています。
金泉寺・本堂・ご本尊とご利益
仁王門をくぐり、極楽橋を渡ると正面に見えます。ご本尊の釈迦如来坐像と、脇仏に阿弥陀如来坐像、薬師如来坐像が安置されています。
釈迦如来は、仏教の開祖であるブッダを形にした最初の仏像です。ブッダの死後500年以上が過ぎたころ、ブッダを慕う仏弟子によって造られました。悟りを開くためのご利益があるとされ、上げた右手は畏れを取り除いてくれ、下げた左手は望むものは何でも与えてくれる意味を表すといいます。そして、脇仏は、人間の心にある暗い心を破る力を持つ阿弥陀如来と、病苦から救い、寿命を延ばしてくれるという薬師如来です。
仏界のビッグな三尊に、心を込めてお願いすればご利益がいただけそうですね。2014年以降開帳されています。
金泉寺・多宝塔
本堂の裏手にあります。緑の木立に朱色の塔があざやかに映えます。
金泉寺・大師堂
2008年11月に改築されました。左側の入り口から堂内に靴のままで入ることができます。堂内で弘法大師像を拝見しながらお参りができるありがたい大師堂です。
