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四国お遍路57番札所 【栄福寺】|オリジナリティ溢れるお寺!御朱印や見どころ

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今回ご紹介する57番札所「栄福寺」のある瀬戸内海沿岸は、かつて、海難事故の絶えない土地でした。その土地柄から弘法大師は海上の安全を願い、栄福寺は現在でも海陸安全の祈願寺として信仰されています。

イラストレーターやコラムニストなど、多彩な才能を持つ住職さんや充実の限定グッズなど、バラエティに富んだ四国霊場である「栄福寺」。その歴史や御朱印、見どころなどをご紹介していきます。

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栄福寺の歴史

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栄福寺周辺で海難事故が多かったことから、弘法大師が安全を祈願したことは先に述べたとおりです。このエピソードには続きがあり、大師の願いが成就した満願の日、光あふれる阿弥陀如来が海上から出現したといいます。大師はこれを受けて、阿弥陀如来を本尊として栄福寺を開創しました。

貞観元年(859年)には、行教(ぎょうきょう)上人が暴風雨のために同地に漂着。上人は栄福寺のあった府頭山が、本来の目的地であった京都・男山に似ていたことに驚愕し、阿弥如来を本地仏としたうえで八幡神を祀り、神仏習合の八幡宮を建立したといわれています。

明治に出された神仏分離令により、お寺は中腹へと移動したものの、栄福寺は長年にわたり、多くの人々に信仰され続けてきました。

栄福寺のご利益

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栄福寺のご本尊は阿弥陀如来です。如来への信仰は栄福寺の御詠歌である

「この世には弓矢を守る八幡(やはた)なり 来世は人を救う弥陀仏(みだぶつ)」

にもあらわれています。「今の世の中には戦いの神である八幡神がいらっしゃるが、来世には人を救う阿弥陀如来になるほどに仏道に励もう」といった意味です。

現代では多くの人々に愛されている阿弥陀如来もまた、かつては菩薩でした。名を「法蔵」といいます。

法蔵菩薩は、煩悩の塊である者をどう助けるべきか、五劫という長い時間考え抜きました。そうして「阿弥陀仏の四十八願」が生まれました。法蔵菩薩の誓いともいうべきこの本願のなかでも十八願は「阿弥陀仏の本願」であるといわれ、菩薩の本心が映し出されていると考えられています。

「どんな人からも苦しみの根本を抜き出し、絶対の幸福にする」

大宇宙のあらゆる仏が成し遂げることができなかったとてつもない内容を、法蔵菩薩はいちばんの願いとして誓われたわけです。

その後、菩薩は永劫の修行をおさめ、みごと本願を成就し、如来となられたのです。かつての仏たちが成し遂げられなかった大願を達成したからこそ、今なお、阿弥陀如来は多くの人に信仰されているわけですね。

栄福寺の御朱印

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栄福寺が、他の四国霊場とは一風変わった札所であることを分かっていただいたところで、御朱印をご紹介します。御朱印は境内の納経所でいただくことができます。まずご本尊にご挨拶するのをお忘れなく。

栄福寺の揮毫はご本尊である「阿弥陀如来」です。中央の宝印には蓮台上の円に、阿弥陀如来の種字である「キリーク」という文字が描かれています。筆の独特なかすれ具合が、どこか風情を感じさせます。

栄福寺の見どころ

参道

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大型バスで訪問される場合は道幅も狭く、おそらく歩くことになります。

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境内図にはないものの、写真の石柱門から坂道を登ってお寺に行くことができます。

境内

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入口はこちら。

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境内を入って左手に石仏・修行大師像・句碑ならびに手水舎があります。手水舎を左に見たところで、右側には鐘楼堂があります。そこを左に曲がると納経所が見えます。

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石で造られたカエルがキュートな納経所で、御朱印をいただきましょう。なお栄福寺の納経帳では寛政12年(1800)の、九州からのお遍路の記録を見ることができます。「八幡宮別当栄福寺」と示されていますので、ぜひ確認してみてください。

お願い地蔵

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境内入って左手、修行大師像たちの近くにあります。赤い帽子が特徴的で、祈願した人の願いを叶えるとされています。

本堂

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阿弥陀如来が安置された本堂は、境内で最も高いところにあります。本堂の両側には一対の「仏足石」が奉納されていました。

大師堂

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こちらが大師堂です。

少年の箱車

当時足の不自由だった15歳の少年が、箱車を犬に引かせて巡礼したといいます。昭和8年に栄福寺を訪れた際、祈願叶って彼の足は治り、少年は松葉杖とともに箱車を奉納しました。

栄福寺の特徴

現役コラムニストの住職さん

栄福寺の住職は「白川 密成(しらかわ みっせい)」さん。経歴を見てとても興味深かったので、ご紹介させていただきます。

密成さんは1977年生まれ。俗名(僧侶になる以前の名前)は歩(あゆむ)で、お母様がイラストレーター・大橋歩さんのファンであることから命名されたそうです。

密成さん自身もイラストレーターとしての才能を発揮し、大橋歩さん推薦でコンテスト受賞を果たしたことも。大学卒業後は書店員として働いていたものの、先代住職の遷化(亡くなること)を受けて、24歳の若さで栄福寺の住職となりました。

密成さんは、著者も大好きなコピーライター、糸井重里編集長の人気サイト「ほぼ日刊イトイ新聞」でコピーライターとしても活躍。2008年まで231回にわたり連載「坊さんー57番札所24歳住職7転8起の日々—」を担当していました。

連載終了後も「ボクは坊さん。」「空海さんに聞いてみよう。」などの本を執筆するなど、多方面にわたり活躍されている住職さんです。栄福寺を訪れる方は、ぜひとも密成さんの著作も一緒に読んでみてください。

充実の栄福寺限定グッズ

他の四国霊場と比べ、限定グッズが充実しているのも、栄福寺の大きな特徴です。

シャム柿や檜といった木材を使用した数珠や袈裟の色をした”しるし”、お守りなど、限定グッズは魅力的なものばかりです。お遍路用の白衣やオリジナルの頭陀袋(ずたぶくろ)まで用意されています。

まとめ

今回は海陸安全を願う57番札所、栄福寺についてご紹介しました。

その歴史や境内の見どころはもちろん、多才を発揮する住職さんや限定グッズなど、他の四国霊場とは違った切り口から楽しむことができる栄福寺。ぜひ、足を運んでみてくださいね。

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SPIBRE編集部

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