パワースポット

四国お遍路58番札所 【仙遊寺】|たくさんの伝説を持つお寺!御朱印や見どころ

四国58番札所,仙遊寺,

四国霊場58番札所「仙遊寺」があるのは、山号でもある作札山(されいざん)の山頂にほど近い高台です。高台からは四国一の高さを誇る今治国際ホテルや瀬戸内海の島々、「しまなみ海道」など、豊かな景色を見ることができます。

「仙遊寺」という名の由来となった伝説や、竜登川の伝説など、多くの言い伝えが残る四国霊場でもあります。仙遊寺のそれらの伝説や歴史、御朱印、見どころなどをご紹介していきます。

▶︎四国88箇所霊場お遍路の参拝方法はこちら

仙遊寺の歴史

四国58番札所,仙遊寺,歴史

仙遊寺の創建は7世紀のこと。天智天皇の勅命を受けて、伊予の国主であった越智守興(おちもりおき)公が、作札山頂上付近に堂宇を建立したのがはじまりです。

作札山のある高縄半島は、瀬戸内海の要所である来島海峡があり、対朝鮮半島の防衛線として機能していました。作札山もまた、防衛の拠点として使用されていたと考えられ、その証拠として、頂上に天智天皇ゆかりの五輪塔も残されています。

弘法大師は四国霊場の開創期、仙遊寺で修行されました。大師は病に苦しむ人々を救済しようと井戸を掘り、当時荒廃していた七堂伽藍を修復して再興に導きました。現在でも井戸は「お加持の井戸」として信仰されており、その跡は旧参道の脇にみることができます。

江戸時代には一時荒廃の道を辿ったものの、明治時代には再興。その立役者であった宥蓮上人は、明治4年、日本最後の即身成仏として入定されました。

仙遊寺の伝説

「仙遊寺」の名の由来・阿坊仙人の伝説

かつての仙遊寺には、阿坊と呼ばれる仙人が住んでいました。仙人は寺の諸設備を整えるとともに、約40年にわたり、同寺で修行を積んでいたといいます。

しかしながら養老2年(717)のある日、仙人は忽然と姿を消しました。そのありようはまるで雲と遊ぶようだったと伝えられており、この伝説から、寺は「仙遊寺」と名付けられたのです。

竜登川と観音様の伝説

四国58番札所,仙遊寺,伝説

その昔、ある竜女が海から竜登川をつたい山を登り、観音様を彫り上げたのだとか。一刀三礼(仏像を彫るときに、一刻みするたびに三度の礼拝をすること)を重ねながら、竜女は幾多の年月をかけて像を完成させ、海へと戻っていきました。

その出来事ののち、旧暦の7月9日には不思議と竜燈が連なり、山を登り、仙遊寺にある桜の枝にかかったといいます。現在では、この伝説を物語る石碑も建てられています。

ごろべえ坂の伝説

かつて仙遊寺には、遠く海まで聞こえる大きな太鼓がありました。ある日、漁師である「ごろべえ」が、太鼓の音のせいで魚が逃げると腹を立て、仙遊寺に来訪。包丁で太鼓の皮を引き裂いてしまいました。

その帰り道、ふもとの坂でごろべえは転んでしまい、当時の傷が原因で亡くなってしまいます。坂はのちに「ごろべえ坂」として語り継がれ、旅人たちはゆっくりと坂を歩むようになったといいます。

犬塚池の伝説

栄福寺と仙遊寺を行き来する利口な犬が一匹。栄福寺の鐘が鳴ればそちらへ、仙遊寺の鐘が鳴ればそちらへと、それはそれは賢い犬だったそうです。

ところがある日、2つの寺の鐘が同時に鳴ってしまいました。どちらに行くべきか悩んだ末、犬はお勤めができないと嘆き、池に身を投げてしまったといいます。

犬の死を悲しんだ村人たちは、池のほとりに塚を築き「犬塚池」と名付け、供養しました。

仙遊寺のご利益

四国58番札所,仙遊寺,本尊御影

仙遊寺のご本尊は千手観音菩薩。またの名を千手千眼観自在菩薩(せんじゅせんげんかんじざいぼさつ)といいます。

仏様たちの集合図で、各々の思想を表現した胎蔵界曼荼羅という番付表があります。蓮華部(観音様のカテゴリー)のなかで、千手観音は蓮華王菩薩と呼ばれる最高位。

そのご利益も広範にわたります。延命、病気治療、夫婦円満、恋愛成就など、すべての現世利益を救済してくれる観音様ですから、さぞご利益があることでしょう。

仙遊寺の御朱印

四国58番札所,仙遊寺,御朱印

山頂近くに美しい景観をもつ仙遊寺。御朱印は境内の納経所でいただくことができます。まずご本尊に挨拶するのをお忘れなきよう。

こちらが仙遊寺の御朱印です。揮毫は千手観音の種字である「キリーク」に「千手大土」です。中央の宝印にも、種字である「キリーク」が描かれています。右上にある「五十八番」と書かれた剣も印象的ですね。

字体としては細めであるものの、どこか風流を感じさせるところがありますね。

仙遊寺の見どころ

仁王門

四国58番札所,仙遊寺,仁王門

仙遊寺の境内は小さめです。車やバスでお越しになる場合は、寺院内にある駐車場をご利用ください。

子安観音像

四国58番札所,仙遊寺,子安観音像

駐車場には安産や幼児の成長を見守る「子安観音像」が安置されています。観音像右下にある丸い石は「子宝石」です。

本堂

四国58番札所,仙遊寺,本堂

本堂には、ご本尊である千手観音像が奉納されています。

四国58番札所,仙遊寺,本尊,千手観音菩薩

本堂右手には藤棚。その近くには、写真のような御砂霊場と弘法大師の銅像もみられます。

四国58番札所,仙遊寺,弘法大師

大師堂

四国58番札所,仙遊寺,大師堂

大師堂です。向かって右側には、仏足石があります。

四国58番札所,仙遊寺,仏足石

まとめ

四国58番札所,仙遊寺,

第58番札所である仙遊寺についてご紹介させていただきました。小さな境内とは裏腹に、その背景にはたくさんの伝説、怒涛の歴史がありました。仙遊寺の歴史や伝説を学んでから訪れると、より楽しむことができるのではないでしょうか。ぜひ、足を運んでみてくださいね。

▶︎四国八十八箇所霊場お遍路巡り一覧はこちら

▶︎日本全国都道府県の神聖なパワースポットまとめ一覧ページはこちら

ABOUT ME
Written by
SPIBRE編集部

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


ある程度の長さの平仮名や漢字が含まれないコメントは受付けておりません。(スパム対策)