秋分の日は、季節の変わり目であり、お彼岸には、赤い彼岸花(ひがんばな)が見ごろを迎えます。サンスクリット語で「天界に咲く花」を意味する言葉になります。暑い夏が終わり、秋の到来を告げる日でもあります。
秋分の日は、日本の祝日でもあり、どのように過ごすとよいのでしょうか?秋分の日の過ごし方や食べ物にまつわる意味をご紹介します。
秋分の日とは?
「秋分」とは、1年を24期に分けた二十四節気のひとつです。中国から伝わった季節の節目を表す日に名称を付けたものになります。戦前では、「秋季皇霊祭(しゅうきこうれいさい)」と呼ばれていました。
秋分の日は、国民の祝日で、「祖先を敬い、亡くなった人々を偲ぶ日」とされています。太陽は真西に沈み、秋分点と呼ばれる位置を太陽が通過し、昼と夜の長さがほぼ同じになります。
春は「春分の日」、秋は「秋分の日」になります。2023年の秋分の日は、9月23日(土)になります。秋分の日は毎年若干異なり、国立天文台が定めた日付を前年の2月1日に政府が発表します。
秋分の日とお彼岸
お彼岸とは仏教用語のサンスクリット語で「波羅蜜多」を訳した「到彼岸(とうひがん)」の言葉です。私たちが暮らすこの世である此岸(しがん)に対し、苦しみのない生死を超越した悟りの境地の世界である彼岸。
その間には、煩悩の川が流れており、こちらの岸から向こうの岸へ、煩悩の川を渡ることが到彼岸と言われています。六波羅蜜(ろくはらみつ)を実践することで、彼岸に辿りつくと言われています。お彼岸の7日間のうち、中日である秋分の日は祖先を偲び、それ以外の6日は六波羅蜜を1日ひとつずつ修めるとされています。
「六波羅蜜(ろくはらみつ)」
【布施(ふせ)】他人に何かを施すこと。
【持戒(じかい)】ルールやマナーを守ること。
【忍辱(にんにく)】辛抱強くものごとにあたること。
【精進(しょうじん)】努力を怠らないこと。
【禅定(ぜんじょう)】心穏やかに過ごすこと。
【智慧(ちえ)】正しく物事をみること。
お彼岸の期間
お彼岸とは、秋分の日を中日とした前後3日間ずつ、合わせて7日間の期間を指します。初日を「彼岸入り」、最終日を「彼岸明け」と言います。お彼岸の歴史は古く、平安時代から存在していました。
お彼岸には、ご先祖さまや、亡くなった人たちのことを思い出して、感謝する時期とされています。お墓参りに行ったり、おはぎなどをお仏壇にお供えしたり、お線香をあげたりして、先祖のご供養をします。2023年のお彼岸の期間は9月20日から26日となります。
秋分の日の過ごし方
季節の変わり目でもある秋分の日はどのように過ごすとよいのでしょうか?
お墓参り
お墓参りの日にちはお彼岸の中日が良いと言われています。お彼岸は八王日に当たり、八王日に善行を行うとよいと言われています。八王日とは 立春、春分、立夏、夏至、立秋、秋分、立冬、冬至のことを指し、天地の諸神・陰陽が交代する日とされていました。
お墓参りに行けない人は、お仏壇に手を合わせましょう。祖先や故人について考える時間をもつことで、供養となります。ご先祖様がいるから私たちが存在しているので、感謝の気持ちを伝えるとよいでしょう。
彼岸会(ひがんえ)
彼岸会の起源は約1200年前に遡り、全国の仏教寺院で、彼岸会と呼ばれるお彼岸法要が行われます。彼岸会は、お寺で行われる合同供養のことを指します。お寺が運営している墓地にお墓を持っている人が参加して行われます。
ゆっくり過ごす
陽から陰のエネルギーへ切り替わっていく期間になります。スターゲートと呼ばれる天界の門が開くといわれます。身体的にもエネルギー的にも変化が起こるときで、デトックス期間としてゆっくりと過ごすのもよいでしょう。
呼吸をゆっくりして気持ちを穏やかにし、瞑想をする時間を取ってみましょう。心に浮かんでいることを見つめることで、自分にとって大切なことや、整理しないといけないことなどが明確になっていきます。瞑想の時間を取り入れることで、さまざまな気づきをもたらしてくれるでしょう。心身ともにエネルギーを調整していく日にするといいかもしれませんね。
秋分の日の食べ物
秋分の日のお供え物や食べ物などをご紹介します。
おはぎ
秋分の日には、おはぎを食べる風習があります。秋の七草でもある「萩」から命名されたおはぎ。小豆の赤い色に邪気を払う力があると言われています。ちなみに、春分の日に食べられる「ぼたもち」になります。
旬を迎える食べ物
秋分のころに、旬を迎える食べ物をご紹介します。ご先祖様にお供えしたり、お下がりを家族の健康を祈願して頂いたりするとよいでしょう。
【野菜】さつま芋・かぼちゃ・じゃが芋・人参・生姜 など
【魚介類】秋刀魚・鯖・鰹・いくら・しらす など
【果物】イチジク・栗・柿・梨・葡萄 など
まとめ
秋分の日は、ご先祖様に感謝して過ごし、季節の変わり目でもあるので、自分自身のエネルギーを調整して過ごすとよいでしょう。秋の味覚にはさまざまな食材があります。食べ物が美味しい季節ですが、夏バテした身体の調整をしつつ過ごしていましょう。
