スペインといえば情熱の国。街も人も活気づいていて誰もが元気になれそうな国ですね。
そんなスペインには、スペインでなければ生まれなかったような世界遺産がたくさん存在します。未だに完成されていない建築物や童話の舞台になった建物など、わくわくドキドキするようなスペインの世界遺産に触れてみませんか？
ガウディの作品群
スペインのバルセロナに存在する、まだ未完成の世界遺産です。
スペインを代表する建築家アントニ・ガウディが手掛けた作品群は自然界にモチーフを求め、曲線を多用した独創的なデザインが人気ですね。感性の赴くままに表現されたような奇妙な造形も、実は構造力学的な合理性に裏打ちされたものなんだそうです。
晩年のガウディが心血を注いだサグラダ・ファミリアは未だに未完成なのに、スペイン以外の世界各国から観光客が訪れています。
キリストの生涯を描いた、この壮大な教会は信者からの寄付と拝観料で建設費用が賄われているので、今も工事を続けることができるのです。完成は2026年を見込まれている、全世界の人々が完成を待ちわびている世界遺産です。
ガウディの世界観に触れるためだけに、スペインを訪れるのもおすすめです。
セゴビア
スペインはマドリッドの北西にある街が世界遺産となっています。
グアダラマ山脈の麓、エレスマ川とクラモレス川に挟まれた標高約1,000mの丘陵にある美しい街並みの世界遺産です。その歴史はローマ時代の城塞に遡ります。古代ローマから中世に至る建造物が栄光の歴史を物語っています。中でも街の突端に建つアルカサルは、レコンキスタ時代に建造された歴代カスティーリャ王の居城でした。
なんと「白雪姫」のモデルにもなったお城とも言われていて、女性に根強い人気があります。街の中心に建つカテドラルは、スカートを広げたような気品ある姿から「カテドラルの貴婦人」とも称されるスペイン最後のゴシック建築です。
更に旧市街の外れにそびえる、全長728ｍもの巨大な水道橋は見ものです。丘の上の街まで水を供給するためにローマ時代に建設されたものです。しかも1884年までは実際に使用されていたというから驚きです。ローマ人の高度な技術を見ることができる世界遺産です。
サンティアゴ・デ・コンポステーラ
スペイン北西部に位置する世界遺産です。
エルサレム、ローマと並ぶキリスト教三大聖地のひとつであり、「サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路」の終着地でもあります。街の中心にあるオブラドイロ広場は、巡礼の最終目的地である聖ヤコブの遺骸を祀った大聖堂が建っています。
初期の大聖堂は焼失してしまいましたが、11世紀頃から再建が始まり、その後は様々な様式で改修が加えられました。その結果今のような荘厳な姿となり世界遺産に登録されました。何世紀にもわたって築かれてきた旧市街は、スペインの中でも歴史を感じることのできる建造物が多く残ります。
花崗岩を使った石造りの美しい町並みを眺めたり、豊富な魚介類に舌鼓を打ったりすれば最高ですね。スペインの歴史と濃密な空気を感じられる世界遺産です。
トレド
スペインを旅するなら必ず訪れたい世界遺産です。首都として君臨し続けてきた威風堂々とした佇まいや、多彩な宗教的建造物など、美しい外観に心打たれる人も少なくないでしょう。
街を散策してまず目に付くのは、イスラム特有の様式美です。イスラム以外の建物でも、アーチや幾何学文様のタイル装飾など彩りを添えています。スペインの職人たちの手によって技が語り継がれた結果ともいえる、キリスト教とイスラム教が融合したような独自の文化を見て取れます。
更にトレドといえば、スペインでも人気のパラドールが有名ですね。
小高い丘のテラスからトレドの街を眺めつつ、優雅にお茶を楽しむなどという時間の使い方も素敵です。歴史と魅惑的な雰囲気のあるトレドは、誰もが訪れずにはいられない素晴らしい世界遺産です。
グラナダ
スペインといえばカトリック大国として名高いのですが、実は8世紀にも及ぶイスラム統治時代があったのは知っていますか？
スペインを代表する世界遺産といっても過言ではない、アルハンブラ宮殿はイスラム勢力最後の王国となったグラナダ王国のシンボルなんです。
そんな世界遺産となっている宮殿の外観は意外なほど質素ですが、一歩足を踏み入れると陽光まぶしい中庭や透かし彫りの窓から差し込む柔らかな光など、光と影が建物内の随所に繊細なタイルやレリーフを浮かび上がらせます。
多数の円柱が美しいシルエットを描き出す回廊を歩けば、当時の気分に酔いしれることもできそうです。
この宮殿は、燦々と降り注ぐスペインの太陽の光なしにはありえない芸術品ばかりなんです。まさに光と影の芸術でできた宮殿なんですね。外観が質素だからといって、素通りしてしまうと後悔してしまうかもしれません。そんな美しい世界が広がる世界遺産なのです。
まとめ
スペインの世界遺産はいかがでしたか？物語に出てきそうな美しい建物や街並みは、一見の価値ありです。そして旅をしたら誰もが立ち寄ってしまう街や、外側と内側の差が激しい光の空間など…スペインならではの世界遺産があちこちにひしめき合っています。
スペインを訪れたら情熱に目を向けるのも良いですが、落ち着いて世界遺産を巡ってみると、またスペインの違う顔が見られるのではないでしょうか。
