初詣は諏訪大社に行った……という人もいるでしょう。それくらい諏訪神社は全国各地にたくさんありますが、総本山は長野県の諏訪湖周辺。日本最古の神社の1つで、本殿がないのが大きな特徴です。
この諏訪大社、スピリチュアルなパワーにあふれたスポットでもあるのですが、同時に有名なのが七不思議。それらを知れば、次に諏訪大社を訪れたとき、またちがった一面が発見できるかもしれませんよ。
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諏訪大社とは
長野県の諏訪湖周辺に位置する諏訪大社には、4箇所の境内地があります。そのうち上社である本宮と前宮は御山を御神体と拝し、下社である秋宮と春宮はそれぞれ一位の木と杉の木を御神木としています。
諏訪大社は七不思議が有名ですが、実は不思議の数は7どころか11あるのです。これは、上社と下社、それぞれに七不思議があり、重複していないものもあるから。ちなみに、学校などの七不思議は怪談話となりがちですが、諏訪大社の七不思議は不思議な現象をさしており、必ずしも怪談ではありません。
諏訪大社の七不思議スピリチュアル
諏訪大社の七不思議は歴史が長く、700年前の古文書にも「諏訪七不思議」として記されているほどです。上社と下社を合わせると11ある不思議ですが、ここでは一般的な七不思議をご紹介します。
御神渡
冬季、凍結した諏訪湖は山脈に向かって大きな亀裂が走ります。この氷の筋は、上社の男神様が下社の女神様のもとへ通う道だとされ、御神渡といわれています。昔は、この御神渡の様により国家の吉凶を占ったこともあるようです。
ちなみに、七不思議では御神渡と呼ばれているこの現象ですが、正式には御渡といいます。
元朝の蛙狩り
諏訪大社では、毎年元旦に蛙狩神事が行われています。この神事は御手洗川の氷を砕いて捕まえた蛙をお供えするというものですが、このとき御手洗川の氷を割ると、必ず2、3匹の蛙が姿をみせるのです。
五穀の筒粥
五穀の筒粥とは、筒粥の神事のことです。1月14日の夜から15日の朝にかけて粥を炊き続ける神事で、大釜に葦の茎44本と白米、小豆を入れて行います。その後、葦に入った粥の量で農作物とその年全体の吉凶を占うのです。とくに農作物に関しては、43種の農作物すべてにおいて神様のご宣託が読まれます。
高野の耳裂け鹿
諏訪大社では農作物の豊穣を祈る行事として、御頭祭が行われています。この御頭祭では神前に75の鹿の頭を供えるのですが、毎年必ず耳の裂けた鹿がいたと言い伝えられています。ちなみに、現在は本物の鹿の頭ではなく、剥製を用いて行事が行われているようです。
葛井の清池
諏訪大社の上社の摂社に、葛井神社があります。大晦日の夜、この葛井神社の池に上社で使用した道具や供物を沈めると、元旦の卯の刻、遠州の佐奈岐池に浮かぶと言われています。ちなみに、諏訪神社の神事で用いられる鈴はサナギ鈴です。
佐奈岐池が現在のどこにあたるのかは諸説あり、特定されていません。
御作田の早稲
6月末に植えた稲が、7月末~8月1日に収穫できたという言い伝え。上社では藤島社、下社では御作田社の出来事として伝えていますが、一月ほどで稲が実ったということは共通しています。
宝殿の天滴
どれだけ干天が続いていても、宝殿の屋根にある穴からは1日に3粒の水滴が落ちてくるといわれています。この宝殿とは、上社である本宮の天流水舎のこと。ちなみに、雨乞いにはこの水滴を青竹に入れて用いると必ず雨が降ったと言われています。
まとめ
諏訪大社の不思議はほかにも、御射山祭では太陽と月と星の光が同時に見えるとされる「穂屋野の三光」、丑三つ時にイビキをかくといわれる「根入杉」、悪人が入ると濁るといわれている「湯口の清濁」、どれだけ氾濫しても土がなくならなかった「浮島」があります。
科学的に説明がついたとされるものもありますが、必ずしも当時の現象がその通りだといいきるものではありません。ぜひ、現地を訪れた際、感じるものがあるかどうか……たしかめてみてくださいね。