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小田原【勝福寺】は必勝祈願のご利益あり!御朱印&見どころ

小田原市中央部を流れる酒匂川(さかわがわ)の東に位置する勝福寺は、坂東三十三観音霊場第5番札所で、飯泉観音(いいずみかんのん)とも呼ばれ、必勝祈願のご利益で知られています。

坂東5番
戦国時代北条氏の本拠となった小田原城を守る道場となり、歴代の城主が信仰した歴史あるお寺です。勝福寺の見どころと御朱印をご紹介しましょう。







勝福寺とは

寺号:勝福寺(しょうふくじ) 通称:飯泉観音(いいずみかんのん)
山号:飯泉山(いいずみさん)
宗派:真言宗東寺派(しんごんしゅうとうじは)
本尊:十一面観世音菩薩(じゅういちめんかんぜおんぼさつ)
開基:弓削道鏡法師(ゆげのどうきょうほうし)

寺伝によりますと、奈良時代765年、弓削道鏡が下野国(現在の栃木県)薬師寺再興のために東へ下った時、氏寺として七堂伽藍を建立し、本尊を祀り、普陀落山(ふだらくさん)弓削寺としたのが始まりです。当時は千代村という現在地より3㎞ほど離れた所にありましたが、その後本尊のお告げにより現在地に移されました。

室町時代の1394~1428年には、小田原城の鬼門を鎮護する道場となり、寺名を飯泉山勝福寺と改め、歴代城主の帰依(きえ)を受けて六つの小寺院を持つほど繁栄しました。

勝福寺の見どころ

仁王門(小田原市指定文化財)

1.坂東5番・仁王門
江戸時代1758年の造営で、県下では最大級の八脚門です。
2.坂東5番・仁王像吽形
1963年に解体修理され、銅板葺屋根になりました。カッと目を見開いた仁王像が印象的です。

彩色の彫刻が施され、天井や柱にはたくさんの古い納札が貼り付けられており、多くの人々が参拝に訪れたことを物語っています。

側面から見ると、二重虹梁蟇股式の妻架構(にじゅうこうりょうかえるまたしきのつまかこう)がよくわかります。お見逃しなく。

平安時代末期、曽我祐成(そがすけなり)と時致(ときむね)兄弟が、この仁王像に父の仇討が成功するように祈願しました。兄弟は怪力を与えられ、1193年、富士のすそ野の狩場で、父のかたき工藤祐経(くどうすけつね)を見事に討ち果たしたと伝えられています。
4.坂東5番・仁王門から本堂を望む
八脚仁王門から望む本堂のたたずまいが美しいお寺です。

弘法大師像

5.坂東5番・弘法大師像
仁王門をくぐると、左手に弘法大師像と地蔵菩薩坐像が迎えてくれます。

大イチョウ(神奈川県指定天然記念物)

坂東5番大イチョウ
境内に入ると、まず目に入るのが高さ約30mの大イチョウです。樹齢約700年と推定され、枝から乳状のコブが垂れ下がっています。「かながわの名木100選」に選ばれているパワ-スポットです。秋には黄金色に輝きます。

手水場の青銅水鉢(小田原市指定文化財)

坂東5番・竜頭船形・船尾十一面観音手水
青銅製の手水鉢は、船の形をしており、船首に竜頭、船尾に十一面観世音菩薩坐像を載せた珍しい手水鉢です。江戸時代1704年の作。こちらで、手と口をすすぎます。

鐘楼(小田原市指定文化財)

坂東5番・鐘楼
青銅水鉢の右手にあります。手と口をすすいだら、鐘を撞きます。お参りの後に撞くのは「戻り鐘」といって縁起が悪いとされます。梵鐘は、江戸時代1629年小田原の鋳物師青木源右衛門によって鋳造されたものです。総高139㎝、口径75㎝の青銅製です。

本堂(神奈川県指定文化財)

坂東5番・本堂
江戸時代1706年の再建と伝えられ、朱色の壁面、欄間に極彩色の透かし彫りが見事な本堂です。

坂東5番・本尊御影
本尊は、十一面観世音菩薩像で秘仏とされ、33年に一度開帳されます。2014年に、開創1250年記念の開帳大法会が行われました。ふだんは御前立を拝顔できます。

秘仏の十一面観世音菩薩像は奈良時代の753年、唐(現在の中国)の鑑真和上(がんじんわじょう)から孝謙天皇に献上され、その後、弓削道鏡に下されたものだそうです。十一面観世音菩薩は、慈悲深い優しい顔や笑い顔、怒りの顔など十一の顔を持ち、四方八方を見渡して、すべての人々を救済してくれます。

二宮金次郎(尊徳)の像

坂東5番・二宮金次郎坐像
本堂前に、本堂に向かい合掌する金次郎の坐像があります。金次郎は、江戸時代後期の農村復興の指導者として有名ですが、少年時代にこの寺で、旅の僧が観音経を読誦するのを聴き、仏の道は人を救うことだと悟り、僧に再読を願ったと伝えられています。この像はその時の姿を表したものです。

1791年と1802年の酒匂川(さかわがわ)の氾濫で家や田畑を流された経験から、知恵を働かせて家を再興し、多くの人々の救済にもあたりました。その出発点がここにあったのです。

大日堂 北向大師堂

坂東5番・大日堂・北向大師堂
本堂の左手に、東向きに大日如来、北向きに北向大師を祀る二つの向拝を持つ珍しいお堂があります。

水向十三仏

坂東5番・水向十三仏
本堂の右手にあります。十三仏は、死者への13回の追善供養を司る仏として、江戸時代に考えられたものです。

左から不動明王(初七日)、釈迦如来(二七日)、文殊菩薩(三七日)、普賢菩薩(四七日)、地蔵菩薩(五七日)、弥勒菩薩(六七日)、薬師如来(七七日)、観音菩薩(百か日)、勢至菩薩(一周忌)、阿弥陀如来(三回忌)、阿閦如来(あしゅくにょらい・七回忌)、大日如来(十三回忌)、虚空蔵菩薩(三十三回忌)が設置されています。

足元に水を手向けて、亡き人の追善供養をします。

四国八十八カ所の石像

坂東5番・四国八十八ケ所石像
十三仏の外側に、四国八十八カ所霊場の本尊が彫られた石像が並びます。遠く四国まで行けない人のために置かれました。ここをお参りすれば四国八十八カ所をお参りしたのと同じご利益が得られます。天上に咲くという赤い彼岸花が咲いていました。

その他

本堂の左手に、相撲の土俵跡があります。お寺に土俵があるのは珍しく、小田原城下では相撲興行が許されなかったため、この境内に土俵を設けたのです。当時の名力士雷電(らいでん)が乱暴者の岩五郎を投げ飛ばしたというエピソードが伝わっています。
坂東5番・納経塔
鐘楼の手前に、納経塔や青龍水の名井戸があります。この井戸は徳川家康がこの水を飲んだ時、「ああ、いい泉」と言ったことから「いいずみ」という地名の由来になったとか。豊臣秀吉が小田原城を攻めた時、家臣であった家康は必勝祈願にこの寺に参拝したと伝えられています。

御朱印

坂東5番・御朱印
中央に梵字「キャ」と「十一面大悲閣」の墨書です。「大悲閣」は観音菩薩を意味します。左上の朱印に「二宮尊徳先生初発願霊場」とあります。二宮金次郎の合掌坐像のゆかりです。

御朱印は、本堂右手の門内の寺務所でいただけます。お参りをしてからいただきましょう。

坂東観音霊場の公式ページより
令和2年4月1日より
納経帳 ご朱印 500円
白衣(宝印のみ) 300円
に改定させていただきます。

アクセス・拝観時間

勝福寺:〒250-0863 神奈川県小田原市飯泉1161 ☎0465-47-3413
拝観は無料。拝観時間:8~17時(冬期 9~16時)
小田急線「小田原駅」から富士急湘南バス「新松田行き」などで約15分。「飯泉観音前」下車、徒歩1分。

まとめ

小田原の勝福寺はいかがでしたでしょうか。私がお参りした時は雨でしたが、雨に清められて境内はいっそう静かなたたずまいを見せていました。

鎌倉時代には曽我兄弟が、戦国時代には徳川家康が必勝祈願をしてそれぞれ目的を果たしたことから、必勝祈願にご利益があるお寺として知られるようになったのでしょう。寺名の「勝福」も縁起がいいですね。

毎年12月17・18日に行われる「だるま市」は、室町時代の終わりに始まった歴史を持ち、関東地方では一番早く開かれます。境内にだるまを売る店が軒を連ね、必勝祈願や商売繁盛、家内安全などを願う人々でにぎわうそうです。

「いいずみかんのん」として地元の人々に親しまれている勝福寺、ぜひ訪れてみてください。

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Written by ゆうこ
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卯年、山羊座。元国語教師。趣味は、温泉旅行や食べること。百人一首競技かるたは選手&読手A級。お寺や神社に立つと、幾度もの興亡が繰り返され、再建・再生され、長年月維持し、受け継いできた無数の無名の人々がいたことを思わずにいられません。そういう人々の思いを少しでも伝えられたらと思っています。 共著書:『新渡戸稲造の至言』(新渡戸基金発行)

POSTED COMMENT

  1. アバター きりん より:

    坂東5番札所勝福寺二宮尊徳座像思い出しました、曾我兄弟の敵討ち話もあり勝福寺の名がついたのですか、土俵があったお寺の記憶有りましたがここでしたか、山号の由来も面白いですね。

    • アバター Written by より:

      ご訪問ありがとうございます。お寺の縁起や名前の由来、伝わるエピソードなどを知ってお参りすると楽しさが倍増します。
      曽我兄弟に怪力を与えたという仁王像、北条氏の歴代小田原城主が信仰したお寺であること、秀吉の家来だった徳川家康も必勝祈願したことなど伝説がたくさん伝わるお寺です。
      二宮金次郎が合掌している坐像というのも珍しいですね。
      12月17・18日の「だるま市」にも是非訪れてみてください。

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