日本にありながら外国人に絶賛されているのが日本庭園です。
まさに日本人の繊細な技と感覚が織りなす芸術品のようです。日本には世界に誇る美しい庭園が数多くあります。そんな個性あふれる庭園をふらり、歩いてみませんか?
御船山楽園(佐賀)
佐賀県にある国登録記念物となっている日本庭園です。「楽園」という名がふさわしい美しい庭園です。
作られたのは江戸時代で、武雄をとりまとめていた鍋島家のお殿様が考案した庭園です。実に綿密に描かれた絵図のもと、3年もの月日をかけて作られた庭園だと言われています。かなり歴史のある庭園ですね。
その構図の完璧さはまさに「豪華絢爛」「迫力満点」という言葉がピッタリです。御船山楽園に足を踏み入れればその美しさに納得ができます。どこを切り取っても絵画のように美しい景色が広がり、一歩進むごとに新鮮な驚きを与えてくれるのです。
池を中心に造られ、その周囲をめぐる路を回遊して観賞する池泉回遊式庭園です。庭園内は約15万坪ととても広く、数十万本の植物が植えられています。春になると20万本のツツジが標高210メートルの御船山の断崖を背に咲き乱れます。その様は素晴らしいの一言に尽きます。
また、2000本の桜や樹齢170年の大藤など見どころが満載です。「花祭り」開催時期は庭園がライトアップするので、そちらも見たいですね。まさに九州を代表する庭園といえるでしょう。
栗林公園(香川)
国の特別名勝に指定されている庭園の中で最大の広さを持つのが香川にある栗林公園の庭園です。その広さは東京ドーム16個分です。まるで昔話に出てくるような雰囲気で、日本庭園らしい橋を渡ってみたくなります。
江戸時代に元亀天正の時代に当時の豪族佐藤氏によって築庭されたのが始まりです。讃岐高松藩の歴代藩主により百年余りの歳月をかけて完成された、日本を代表する回遊式大名庭園なんですよ。日本の美がギュッと凝縮したような庭園は多くの人を魅了してきました。
足を進めるごとに変化に富んだ庭園の風景を楽しむことができるのです。一歩進むたびに一つの景色が広がる栗林公園の情景は「一歩一景」と表現されます。広い自然の庭園の見どころとしては、緑豊かな芝や6つの池泉、13の築山、滝、茶室など見ていて飽きない光景ばかりです。
どの景色も1枚の絵を見ているように美しいです。カメラ好きでなくても思わずシャッターを押してしまうでしょう。旅行ガイド「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」では「わざわざ旅行する価値がある」を意味する三つ星に格付けされている庭園です。
足立美術館(島根)
庭園という名前ではないですが、島根にある足立美術館の日本庭園は人気があります。足立美術館は「大観美術館」と呼ばれることがあるほど、近代日本画を代表する横山大観の名品が数多くコレクションされています。
足立美術館の日本庭園は、米国の日本庭園専門誌で13年連続で庭園日本一に選ばれるほど美しい庭園です。京都や東京のように庭園がたくさんある地域ではありませんが、大勢の人が一目見てみたいと訪れています。
四季折々の美しさを見せる枯山水庭をはじめ、5万坪におよぶ6つの庭園で味わえる自然と人工の調和美は外国人でなくても、実際に訪れて体感したいと思うはずです。庭園の敷地内にあるお茶室「寿立庵(じゅりゅうあん)」では、是非、お茶をいただいてみてください。
混雑している美術館と打って変わってお茶室は訪れる人も少なく静かです。広間で庭園を眺めながらお茶とお菓子をいただいてゆっくりと過ごしましょう。美しい庭園を眺めながらのお茶は時間を忘れさせてくれます。
桂離宮(京都)
京都には数々の日本庭園がありますが、その中でも傑作と言われている桂離宮は完璧な美しさを誇る庭園です。
皇族の八条宮別邸として江戸時代に創設された桂離宮は、明治以前は桂別業と呼ばれていたそうです。平安時代の貴族が好んだような、気品のある趣をそのままに数寄屋造りの建物で表現しています。周りには船遊びを楽しむ苑池や茶屋があるなど、王朝文化を実践した建物であることも見てとれるのです。
この完璧な美しさを超える庭園は他にないと言われるほど、国内でも名の知れた庭園なんですね。
主な見どころを紹介していきます。格式の高い茅茸入母屋作りの茶室として知られる「松琴亭」は、遠州好みの八窓囲いで水屋からの眺めは素晴らしいです。池に映る月影を楽しむ為に作られたと言われている「月波楼」では、本当に月を愛でてみたくなりますね。
北側の窓からは紅葉を楽しむこともできるので、四季の移り変わりを感じることもできますよ。新緑が青々としている時期も、冬の雪景色も、どの季節に行っても違った顔を見せてくれる庭園です。日本人なら一度は訪れておきたい庭園のひとつですね。
養浩館庭園(福井)
福井県の養浩館庭園は、江戸時代の藩主、松平家の別邸を復原したものです。築邸当初は「御泉水屋敷」と呼ばれていたお屋敷は、7代藩主昌明が改造してこのような見事な庭園を持ちました。広い池を中心にして、書院造りの建物があり、周りを見事な庭園が囲んでいます。その静かなたたずまいは、一般の人が見ても感動してしまうほどの絶景スポットです。
庭園には一部、枯山水も含みますが、広大な園池を主体する回遊式林泉庭園になっています。要所に飛石や石橋、蹲踞などが配置されていて、見どころ満載です。
養浩館庭園は、1年中どの季節に訪れても美しい景色を眺めることができます。冬は一面に雪が積もり、冬らしい雪景色を見ることができます。池にも氷が張るので、いつもとはガラリと違った印象になりますよ。
もちろん桜や新緑の緑、紅葉も美しい庭園です。池の周りをぐるっと一周できるので、庭から建物を見たり、建物の中から庭園を眺めるのも良いですね。散歩がてらに庭園の周遊という贅沢な楽しみ方をするのにピッタリの庭園です。
まとめ
日本の有名な庭園はいかがでしたか。どの庭園も甲乙つけがたいくらいに美しく、どこを見ても絵になるような光景ばかりです。
日本の美しさを改めて再確認させてくれるような世界に触れてみたいですね。国内の庭園をめぐる旅に出てみるのはいかがですか。