目次
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③長福寺(ちょうふくじ)真言宗

長福寺の御朱印は、厚手の白い和紙に金文字で「救世観音」と書かれています。ロゴマークとともにきらきらと輝いています。
納経料は800円
所在地:上田市下之郷541 ℡ 0268-38-3029
夢殿救世観音の拝観料は300円
拝観時間9:00~16:00 事前に申し込みが必要です。
生島足島神社と隣接しています。車の場合は生島足島神社に駐車して参拝するといいでしょう。
長福寺は965年に開山された古刹で、本尊は大日如来と薬師如来です。1960年に近隣火災の飛び火で本堂・庫裏、夢殿の一部を焼失しました。現在の本堂は1975年に再建されたものです。
銅造菩薩立像(どうぞうぼさつりゅうぞう) 重要文化財

1942年に、熱心な信者から観音像と八角のお堂が寄進されました。お堂は、奈良法隆寺の夢殿を二分の一に写したもので、「信州夢殿」と称されています。
この夢殿の本尊は像高36.7cmで、奈良の法隆寺に倣って、「救世観音(ぐぜかんのん)」と名付けられて親しまれています。「アルカイックスマイル」(少女の微笑み)を特徴とし、7世紀後半の白鳳時代の作と推定されています。
この観音様はわかっているだけで3回盗まれていますが、不思議に戻ってくる観音様で、「お戻り観音」とも言われ、旅行の安全祈願にお参りする人が多くいらっしゃいます。
事前に申し込むと、拝観(300円)させていただけます。筆者も拝観させていただきました。立って拝顔すると美しくクールな感じがしますが、座って下から拝顔すると優しく微笑む「アルカイックスマイル」が感じられました。
「笑顔が大切」を繰り返しお話くださった住職様も、明るく、始終にこにことされていました。
境内に「なかよし地蔵」が建立されていました。合掌して、ご真言の「おんにこにこはらたてまいぞそわか」を3回唱えるといいそうですよ。なんともわかりやすく愉快なご真言です。
④北向観音(きたむきかんのん)天台宗

北向観音の御朱印は、厚手の白い和紙に「大悲殿」という観音菩薩が安置されている建物を表す文字が書かれています。
納経料は800円
授与所は8:00~16:00
所在地:上田市別所温泉1656 ℡ 0268-38-2023
上田電鉄別所線「別所温泉駅」から徒歩12分程度
拝観料無料、駐車場は有料
北向観音は825年に慈覚大師によって開創されました。1182年の源平争乱で大半の堂塔を焼失しましたが、源頼朝の命令により、1252に再興されました。
本堂が北向きなのは珍しく、南向きの長野善光寺と相対しており、厄除観音として信仰を集めています。
北向観音堂

本尊は千手観音菩薩で現世のご利益をもたらすとされています。本尊が阿弥陀如来で未来往生を願う善光寺と、「両参り」するとご利益があると言われています。
堂内に掲げられている「善光寺地震絵馬」(有形民俗文化財)も上田市日本遺産構成文化財です。
境内にある愛染カツラと夫婦杉はともに「別所五木」(後述)です。
別所温泉は信州最古の温泉地で、北向観音はその真ん中にあり、別所温泉のシンボル的存在です。門前の商店街入口に源泉があり、手水舎には温泉が使われています。ほんのりと温かく、心も暖かくなります。
⑤安楽寺(あんらくじ)曹洞宗

安楽寺の御朱印は、厚手の白い和紙に「本尊釈迦如来」と迫力ある文字が書かれています。
納経料は800円
所在地:上田市別所温泉2361 ℡ 0268-38-2062
北向観音から徒歩9分程度
拝観料:三重塔300円
拝観時間:3月~10月末8:00~17:00 11月~2月末8:00~16:00
駐車場:小型車無料
安楽寺は鎌倉時代中期ごろに開創された禅寺で、信州学海の中心道場でした。鎌倉北条氏の庇護によって栄えていましたが、北条氏滅亡後衰退しました。信州最古の禅寺のおもかげを残しています。
八角三重塔(はっかくさんじゅうのとう) 国宝

鎌倉時代末期(1290年ごろ)の建立で、わが国最古の禅宗様建築です。現存する日本唯一の木造八角三重塔で、長野県国宝第1号です。一見四重塔のように見えますが、初重に裳階(もこし)をつけた珍しい形式です。
禅宗寺院ですが、一層内に大日如来像が安置されています。信濃国分寺の三重塔の大日如来と発着点になっているのではないかと考えられ、太陽信仰との関連をうかがわせます。
杮葺(こけらぶき)の屋根で、シンプルな中にも精密な詰組が施されており、美しい塔です。
木造惟仙和尚坐像(もくぞういせんおしょうざぞう)・木造恵仁和尚坐像(もくぞうえにんおしょうざぞう) 重要文化財

惟仙和尚(向かって右側)は信濃の出身で、鎌倉時代中期に宋(現中国)に渡って修行し、帰朝後安楽寺を開きました。
恵仁和尚(向かって左側)は惟仙和尚に従って来朝し、安楽寺二代となった中国の僧です。この坐像は墨書銘から1329年に造られたことがわかっています。
その他、「別所五木」の高野槙(こうやまき 後述)があります。
境内は静かな時が流れ、三重塔へは少し石段を登りますが、孤高の美しさを湛えていました。
⑥常楽寺(じょうらくじ)天台宗

常楽寺の御朱印は、厚手の白い和紙に「妙観察智弥陀如来」と書かれています。
納経料は800円
拝観時間:日中随時
所在地:上田市別所温泉2347 ℡ 0268-38-2040
安楽寺から徒歩14分程度
入山料:100円
駐車場:小型車無料
常楽寺は、北向観音を護る本坊で、825年に慈覚大師によって北向観音が開創された時、別所三楽寺(長楽寺・安楽寺・常楽寺)の一つとして建立されました。安楽寺を開いた惟仙和尚はじめ、多くの青年僧が学んだ「信州学海」を支える天文教学の道場でした。
本堂 市建造物

寄棟造(よせむねづくり)、茅葺(かやぶき)の建物で、江戸時代中期の建築です。本尊は大日如来の五つの智慧を表す五智如来の一尊、妙観察智弥陀如来(みょうかんざっちみだにょらい)です。宝冠を頂いた珍しい阿弥陀如来像です。
石造多宝塔(せきぞうたほうとう) 重要文化財

高さ2m74cmの安山岩でできている上下二層の屋根がある塔(写真中央)で、1262年に建立されました。重要文化財の石造多宝塔は常楽寺のものを含めて全国に2基しかなく、笠や裳階(もこし)がついている鎌倉時代の多宝塔の典型を示しており、非常に貴重な文化財です。825年、ここから北向観音の千手観音菩薩像が出現しました。
多宝塔は大日如来を具現化したものとされ、ここにも太陽信仰との関連を見ることができます。
その他、多宝塔の右側にある五重の石造多層塔は市文化財に指定されています。七色もみじや、「別所五木」の一つ御舟の松(みふねのまつ 後述)があります。
また、境内には美術館(入館料500円、9:00~16:00)があり、寺宝の数々や近代絵画などが陳列されています。
本堂の重厚な茅葺屋根に圧倒され、建築美に感動を覚えました。御舟の松を中心に境内には緑濃い松の木が多く、数人の職人さんたちが一枝一枝松の余分な葉を取り除いていました。こうした丁寧な手入れによって長年維持されてきたことに改めて敬意を表したい気持ちになりました。
⑦別所神社(べっしょじんじゃ)

別所神社の御朱印は、藤色の和紙に「別所神社」の文字の他、藤の花が描かれています。白い和紙に「厄除」と書いたものもセットになって透明の袋に入っていました。無人の神社ですので、初穂料800円は賽銭箱に納め、拝殿に置かれた引き出しから御朱印を出していただきます。書置きがなくなっている場合がありますので、前もってお問い合わせください。
拝観時間:随時
所在地:上田市別所温泉2338 ℡ 0268-38-3022
常楽寺から徒歩4分程度。車の場合は常楽寺に駐車してお参りするといいでしょう。
別所神社の創建は鎌倉時代初期で、和歌山県の熊野本宮大社から分祀され、「熊野社」と呼ばれていました。別所温泉の産土神(うぶすながみ)として信仰され、1878年に別所神社と改称されました。
本殿 上田市指定文化財

写真は、拝殿の後ろにある本殿を左横から撮ったものです。
熊野神社系の「一間社隅木入春日造(いっけんしゃすみきいりかすがづくり)」で、波に蟇股(かえるまた)などの美しい彫刻が施されています。
現在の社殿は、棟札から1788年の建立と考えられ、当時この地方随一の大工棟梁であった末野庄兵衛によるものです。
背面の三つの小さな祠に、男石・女石・子種石が祀られています。神社入口の鳥居の額に「本朝縁結大神(ほんちょうえんむすびおおかみ)」と掲げられているように、縁結び、子宝の神を祀ったものです。
神楽殿(かぐらでん)

木造平屋建、切妻造で、天井がなく、屋根を構成する梁を見ることができます。後ろの壁は一部が開かれており、塩田平の街並みを望むことができます。
岳の幟(たけののぼり)国選択無形民俗文化財
別所神社は、500年以上続く雨乞いのまつり「岳の幟」の終着地です。毎年7月15に近い日曜日に行われます。約6mの青竹に色とりどりの反物をつけ、龍を象った数十本の幟、着物を着て花笠を付けた少女たちの「ささら踊り」、「三頭獅子(みがしらしし)」の舞が別所温泉街を巡り、最後にこの神前で奉納されます。
室町時代後期、この地方がひどい干ばつに苦しめられた時、夫神岳(おがみだけ)の山の神に雨乞いの祈願をしたところ、恵みの雨が降りました。山頂に祠を建てて九頭龍神「龗(オカミ)」を祀り、感謝の気持ちを込めて、各家で織った布を奉納したのが「岳の幟」の始まりとされています。
全く人気ない、静かな境内で、目を閉じて雨乞いのまつりの光景を思い浮かべてみました。



