寒さが穏やかになる時期に、梅の花は開花します。早ければ1月から花を咲かせることもあるでしょう。そんな梅の花には、数多くのことわざが存在します。花としては桜よりも影が薄い印象を抱いてしまいやすい梅ですが、実は梅の花に関することわざのほうが多かったりするんですよ。
今回は、そんな梅に関することわざ一覧をご紹介します。梅の花に関することわざを読むことで、風情ある日本の心を感じてみてくださいね。
梅のことわざ
梅は、1月下旬から4月下旬にかけて花を咲かせます。見た目は桜に似ていますが木が細身で、梅独特の良い香りがします。色は白から濃いピンク色などさまざまで、見る人をうっとりさせる綺麗な花です。
次の項からは、そんな梅に関することわざを一覧でご紹介。ことわざの意味や由来についても詳しく説明するので、すでに知っていることわざでも学びがあるかもしれません。日本の心を感じる梅のことわざを読んで、季節に思いを馳せるのも良いでしょう。
良い塩梅
良い具合に一致することを指すことわざです。
もともとは料理の塩加減に対して使う言葉でしたが、現在では物事や健康状態に対しても使用します。ちなみに、語源は梅干しではなく、梅酢。梅酢とは、梅のみを塩漬けにしたときに出る汁で作った調味料のことですよ。
梅はその日の難逃れ
朝に梅を食べると、一日災難から逃れることができるという意味のことわざです。
梅には疲労回復や殺菌効果のあるクエン酸が含まれていますから、古くから病気予防に良いとされてきました。そのことから生まれたことわざであると考えられています。
梅根性に柿根性
梅根性とは、しつこくて変わらない性質のことを指します。
意固地で頑固な性格のことと言うと分かりやすいでしょうか。一方で柿根性とは、柔軟で変わりやすい性質のことを指します。梅は時間が経っても酸味を失いませんが、柿はすぐに渋くなることからできたことわざです。
梅は食うとも核食うな中に天神寝てござる
生梅の種には毒があるので、食べてはいけないという戒めのことわざです。
天神とは、菅原道真の霊を指します。この菅原道真は生前非常に梅を愛していたので、その菅原道真の故事より生じました。梅を愛するあまり、自宅周辺にたくさんの梅の木を植えていたのだとか。ちなみに、梅の種を噛むと字を忘れるという俗説もあります。
梅木学問
梅木学問は、にわか仕込みの不確実な学問を指すことわざです。
梅の木ははじめ成長が早いものの、長い時間が経っても大木にはなりません。このことから、すぐに覚えるが、大成しないようなにわか学問のことを指します。反対語に、楠学問という言葉があります。楠は成長は遅いが着実に大木になるので、進歩は遅くても確実に成長する学問を意味します。
梅は百花の魁
梅は百花の魁は、梅がどの花よりも早くに咲く様を表した言葉です。
梅の花は、寒さの厳しい季節に咲く花です。その年のどの花よりも先立って咲くことから、梅は百花の魁という言葉が生まれました。もともとは春を待ち侘びることわざですが、そこから転じて特に優れた人物は他の人物よりも先に秀でることを意味する場合もあります。
桜切る馬鹿梅切らぬ馬鹿
桜切る馬鹿梅切らぬ馬鹿は、庭木の剪定法に関することわざです。
梅は古い枝はどんどん枯れていきます。そのため、積極的に新しい枝を伸ばすために剪定することが良いとされる木です。一方で、桜の枝を切るとそのまま腐ってしまうので、桜にとっては剪定は禁物です。また、個性に応じた手の掛け方をすることが大切という意味もあります。
梅干しと友達は古い程良い
梅干しは古いほど味が良くなることを、友達に喩えたことわざです。
梅干しは長く漬けることでより美味しく作ることができるように、友人は古くから付き合っている人ほど気心が知れて信頼できます。そのため、長い付き合いの友人ほど頼りになるということを指すことわざです。
梅と桜
梅と桜は、美しいものや素晴らしいものが並んでいることを意味することわざです。
日本の花の中でも特に美しい梅と桜は、美しいものの代名詞。そんな梅と桜をそのままことわざにしたこの言葉は、美しいものや素晴らしいものが並ぶことを意味します。日本らしい感性を感じさせることわざと言えるでしょう。
梅と桜を両手に持つ
梅と桜を両手に持つは、良いものを両手に持つことを意味することわざです。
両手に花とほとんど同じような意味を持つ言葉です。梅は香りが良く、桜は見た目が良いので、一緒に持つとより良い花たちです。語源は平安時代の「後拾遺和歌集」にある「梅が香を 桜の花に にほわせて 柳が枝にさかせてしがな」に由来すると言われています。ちなみにこの句は、梅・桜・柳の良いところをそれぞれ集めた植物があると良いと夢想する句です。
まとめ
梅の花は、一年の中でもっとも早くに咲く花です。暖かくなる季節を象徴する花ですから、梅の花を見ると春の訪れを感じて、ほっこりするなんてこともあります。そんな梅の花は、少し早いお花見にもぴったり。梅の花にしかない良い香りを堪能しながら、花見を楽しんでみてはいかがでしょうか。
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