目次
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四谷須賀神社の見どころ
大国社(祭神:大国主命 おおくにぬしのみこと)
社殿の左側に、須佐之男命と櫛名田比売との子といわれる大国主命が祀られた大国社があります。大国主命は、にこやかなお顔や因幡の白うさぎの話など、日本神話の中で最も親しまれている神様です。国造りを完成した後、天上界の神の要請を受け入れて地上の支配を譲りました。出雲大社の祭神、縁結びの神として広く信仰されています。
天白稲荷神社(祭神:倉稲魂大神 うかのみたまのみこと)
社殿の左奥に、摂社の天白稲荷神社があります。御祭神の倉稲魂大神は須佐之男命の子で、五穀豊穣、商売繁盛の神様として信仰されています。小さなひっそりとしたお社ですが、威厳を感じさせるお社です。1945年5月24日の東京大空襲の時、本殿の御内陣とこの天白稲荷神社は焼けずに残ったのです。
三十六歌仙絵
社殿の御内陣に、「三十六歌仙絵」が掲げられています。
「三十六歌仙」とは、平安時代中期の公卿藤原公任の『三十六人撰』に載った36名の優れた歌人です。1836年(天保7年)、文人画家の旗本大岡雲峰が絵を、和歌や書画で知られた公卿千種有功が書を担当して、一人一枚の絵に仕立て、奉納しました。
新宿区指定有形文化財に指定されており、社殿の左側に複製が展示されています。
町火消「く組」の火の見櫓
手水舎の左側に、「く組」という文字が書かれた火の見櫓がありました。江戸時代に構成された町火消のものでしょうか。江戸の町は火事が多いことで有名でした。267年間に大火だけでも49回、小火も含めると1798回も出火があったそうです。
もう一つの石段
鳥居の内側に、やや幅が広く傾斜も緩やかな石段(女坂)がありました。「家内安全」「八方百難除」などの幟が風にはためいていました。
6月のお祭りの時は、四谷18カ町連合のお神輿がこの女坂を上がって須賀神社に参集するそうです。
神輿庫
6月の例大祭で、「表」の祭りの時に、繰り出されるお神輿が安置されている倉庫です。今年は「陰」の祭りですので、ここのお神輿は出ず、四谷18カ町から繰り出される18のお神輿が参集し、お払いを受け、また各町内に帰るそうです。
アクセス
JR中央線・総武線 地下鉄丸ノ内線・南北線「四ッ谷」駅より徒歩10分
新宿通りの南側を四谷二丁目方面に進みます。ローソンストア100の角を左に曲がり、200メートルほど進むと須賀神社の石段があります。
地下鉄 丸ノ内線「四谷三丁目」駅より徒歩7分
四谷消防署を左に見て、新宿通りの南側を四ッ谷駅方面に進みます。一筋目の果実店の角を右に曲がります。その角に「須賀神社参道」の小さな立て看板があります。300メートルくらい進むと電柱に須賀神社への矢印が見えます。そこを左に曲がるとまもなく、天白稲荷神社からの入り口があります。
須賀神社
住所:〒160-0018 東京都新宿区須賀町5番地
TEL: 03-3351-7023
公式HP:http://www.sugajinjya.org/
周辺スポット:向かい合う二つのお岩稲荷!
於岩稲荷田宮神社(東京都新宿区左門町17番地)
歌舞伎の『東海道四谷怪談』で有名になったお岩さんをお祀りしている神社です。
お岩さんは、江戸時代初期に実在した女性で、養子の夫とも仲睦まじく、夫を支え、田宮家を復興させた貞淑な女性でした。お岩さんが亡くなると、生前お岩さんが信仰していた屋敷内の社を、近隣の人々が「お岩稲荷」としてお参りするようになりました。それがこの神社の始まりだそうです。
それから約200後、江戸時代末期に四世鶴谷南北が、お岩さんを主人公にして、江戸で起こった様々な事件を織り交ぜて『東海道四谷怪談』を書きました。江戸中村座で上演されると大当たりの人気狂言となったため、お岩さんは化けて出る恐ろしい女性というイメージが定着してしまいましたが、実際は女性の鏡と言われるような人物だったそうです。
現在、田宮家十一代の方が宮司様で、招福、商売繁盛、芸能・興行の成功などに御利益があるとされています。
私がお参りした時は、宮司様御不在で御朱印はいただけませんでしたが、社殿の前に宮司様手書きの「言葉守」が置いてありました。「お好きな言葉をどうぞ」と書いてありましたので、一枚頂いてきました。
アクセス:
須賀神社からも近く、天白稲荷神社横の出口を出て、右へ進み、突き当たりを左に曲がり、また突き当たりを右に曲がり、一筋目を右に曲がり、しばらく進むと左側にあります。
地下鉄丸ノ内線「四谷三丁目」駅からは、外苑東通りの東側を南(信濃町方面)へ進みます。三筋目コンビニエンスストアの角を左に曲がり、突き当たりを右に曲がると、右手にあります。「四谷三丁目」駅から8分ほどです。
於岩稲荷 陽運寺(東京都新宿区左門町18番地)
於岩稲荷田宮神社の斜め向かい側にあります。
明治時代、田宮神社が町内の火災で焼失した時、現在の中央区新川に遷座しました。その時に左門町の人々が代わりに小さな祠を祀りました。
陽運寺は日蓮宗のお寺ですが、戦後、左門町の人々が祀った祠の所にお堂を建て、お岩さんをお祀りしましたので、「於岩稲荷」とも呼ばれています。本堂にお岩さんの木像が安置されています。
境内には、お岩さま縁の井戸や、心を込めて「心願成院の石」に向かって投げ入れると願いが叶うという「叶玉」などがあります。
悪縁を切り、良縁を招く御利益があるそうです。
私も「叶玉」を投げ入れ、御朱印頂きました。
まとめ
四谷須賀神社は『君の名は。』の聖地!はいかがだったでしょうか?
須賀神社の石段からは四谷の町並みが見渡せて、石段は、天上界と地上とを結ぶ役割を果たしているように思いました。そう考えると、『君の名は。』の重要なシーンにこの石段が選ばれたわけがわかるような気がします。
でも、石段だけではなく、須賀神社は、守護神として頼もしい須佐之男命をはじめ、32柱もの神々のパワーが集まっている所です。パワーを頂きに訪れてみてはいかがでしょうか。
6月2日(金)〜5日(月)にかけて行われる例大祭。特に、4日(日)の連合神輿渡御は、新宿通りの四谷四丁目から四谷一丁目まで練り歩き、ユーターンして四谷二丁目の南側(角にローソンストア100)から須賀神社の女坂を上がって境内に参集するそうです。
今年は格別の熱気に包まれることでしょう。
