
奈良県天理市にある石上神宮(いそのかみじんぐう)は、日本最古の神社のひとつとして知られ、古事記や日本書紀にも登場しています。
石上神宮は緑豊かな奈良盆地の東、布留山(ふるやま)の麓に位置し、ここは日本建国の地とされているだけに、その場に足を踏み入れただけでも、何か違った霊的なエネルギーを感じてしまいます。
では、他の神社と違う独特の場所にあるこの石上神宮には、どのような歴史や不思議なことがあるのでしょうか?
石上神宮とは

まずなぜ石上神宮であって、石上神社ではないのでしょうか?
この神宮の「宮」というのは、建物のことを表します。
古代の神社には実は本殿はなく、小さな社と呼ばれる神様が降り立つ場所のみで、大きな建物がありませんでした。
石上神宮のように、神様を祀る建物や場所があるところのみが「神宮」と呼ばれていたのです。
日本最古の歴史書である古事記に登場している神社は「伊勢神宮」と「石上神宮」のふたつだけで、したがって石上神宮は伊勢神宮と同じく、非常に格式が高いのです。
石上神宮には大量の宝物が納められていたという「天神庫」があり、かつては大和朝廷の宝物が納められていた場所でもあります。
石上神宮は、宮中に祀っていたとされる神剣、韴霊(ふつのみたま:日本神話に登場する剣であり、神武天皇の東征の際に高天原から下されたと言われている)と、十種神宝(とくさのかんだから:ニギハヤヒが天から降り立つときに、天津神に授かった10種の宝)を、第10代崇神天皇の指示により、現在の石上神宮がある付近に大遷したのが、始まりとされています。
石上神宮は、日本の初代天皇・神武天皇の時代から天皇家を支えていた物部氏の総氏神でもあり、朝廷の武器管理を任されていました。
そんなこともあって石上神宮は、大和政権の武器庫としての役割も果たすようになったのです。
このほか、石上神宮には、国宝である七支刀(しちしとう)が所蔵されています。
この七支刀とは、両側に3つずつ、計6つの枝が出ている独特の不思議な形をしている刀です。
これは古墳時代の372年に朝鮮半島の百済から献上されたそうで、普段は一般には公開されていませんが、時折特別に展示されることもあります。
石上神宮
住所:〒632-0014 奈良県天理市布留町384
アクセス:近鉄京都線「天理」駅から徒歩約30分
パワースポットとしての石上神宮

石上神宮は、実は明治初期まで本殿を持っていませんでした。
その代わりに拝殿の後方にある禁足地(立ち入り禁止の地域)に、神剣である韴霊(ふつのみたま)などが埋められている場所があり、そこに向かって拝み、自然信仰を伝える神社だったのです。
現在でもこの禁足地は、囲いが施されて神域として守られていますが、明治時代に行われた調査で、この地から多くの勾玉や鏡、兵器が出土しています。
1913年には、これら禁足地から出土した神剣などを祀るために本殿が建てられたのです。
この本殿に祀られている神剣が御神体であり、この剣は非常に神秘的で強力な霊力が宿っていると信じられています。
実はこの御神体である剣は、神武天皇の国土平定及びヤマタノオロチを退治するときにも用いられたという神聖な剣なのです。
それだけに禁足地を含むこのご本殿のエリアは、とても不思議な霊力が漂うパワースポットとなっているのです。
開運をもたらす鶏に出会う

石上神宮を訪ねると、境内を自由に歩き回る約30羽もの美しい鶏を見かけます。
その種類も豊富で、チャボ、東天紅、烏骨鶏、ミノルカなどを境内のあちらこちらで見かけることができるのです。
実は昭和40年代後半から、石上神宮ではこれらの鶏を飼い始めたのだそうです。
鶏は古事記の中でも神様の使いとして登場していましたが、この石上神宮にいる鶏も神様の使者と考えられているのです。
鶏は天照大神が天岩戸に隠れた際、鳴き声で朝を告げた神聖な鳥とされています。
そして鶏のその鳴き声は、魔を払い、清浄な空気をもたらすことができると信じられており、とても特別な存在なのです。
また鶏に出会うことで、災いをトリ除き、幸福をトリ込むということで、縁起がよいのです。
石上神宮のご利益

石上神宮に足を踏み入れるだけでも、その静寂さと杉林の香りの中で癒されてしまいます。
そんなスピリチュアルな神宮のご利益は、とても強力で唯一無二なのです。
石上神宮の御神体である神剣は、強力で神秘的な神様のパワーを秘めており、邪気払いや開運に強い味方となってくれます。
このご神体を拝むことで、「起死回生」のパワーや困難に打ち勝つというご利益があります。
とくに人生の転機を迎えている人には、おすすめのスポットなのです。
何か大切な決断を下す場合にも、きっと背中を押してくれるでしょう。
ほかにも健康長寿、病気平癒、厄除け、除災招福にも効果があります。
また強運を授かれることもあり、仕事運、勝負運にも強い味方となってくれます。
ご朱印と授与品

石上神宮の御朱印には2種類あり、ひとつはシンプルに「石上神宮」と書かれたもの、そしてもうひとつは国宝の七支刀が描かれているものです。
石上神宮を訪れた記念に御朱印をいただくだけでもよいのですが、御朱印からもパワフルな霊力が伝わるようなインパクトがあります。
このほかにも開運や厄除け、勝負運、ペット、交通安全のお守りなど通常のお守りも多種あります。
そんな中でも少し変わっているもののひとつが「玉の緒」のお守りです。
玉の緒とは「魂の緒」という意味で、心身の穢れを払い、清いパワーを体にとどめ、健康長寿、無病息災、開運厄除けにご利益があり、身につけることで神様のご加護を強く結びつけられるとされています。
もうひとつは「静め物」というお守りです。
これは石上神宮が、物部氏の総氏神であるため、古代から体から離れようとする霊魂を呼び戻し鎮める鎮魂債(たましずめのまつり)という儀式が行われる地であることに関係しています。
この「静め物」はこの地のパワーを利用し、ご神体である神剣、韴霊の霊力をこの静め物に宿すことで、健康長寿、病気平癒、除災招福の強力なお守りとなるのです。
まとめ
奈良ののどかな風景の中に現れる石上神宮は、とても格式が高い神社のひとつです。そのご神体は霊力の高い神剣、韴霊で、このご加護を得ることで、邪気払いや開運を引き寄せることができるのです。



