鎌倉の長谷寺は、坂東三十三所観音霊場の第4番札所。観音山の中腹に諸堂が広がり、木彫の仏像としては日本最大級の「長谷観音」や、由比ガ浜や三浦半島などを一望できる見晴台など多くの魅力を備えています。
四季折々の花も美しく、とくに梅雨時の「あじさい路」は人気のスポットとなっています。
あじさいの季節でなくても、散策を楽しめる長谷寺の見どころや基本情報、御朱印をご紹介します。
目次
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鎌倉長谷寺の基本情報と歴史
山号:海光山(かいこうざん)
院号:慈照院(じしょういん)
宗派:浄土宗系単立
本尊:十一面観世音菩薩(じゅういちめんかんぜおんぼさつ)
開基:徳道上人(とくどうしょうにん)
拝観時間
拝観時間
通常期間 8:00~16:30(閉山)17:00
延長期間(4月~6月) 8:00~17:00(閉山17:30)
拝観料 大人400円(小学生200円)
アクセス
長谷寺 〒248-0016 神奈川県鎌倉市長谷3-11-2 TEL 0467-22-6300
・JR横須賀線「鎌倉駅」下車、バス「長谷観音」下車、徒歩5分
・江ノ電「長谷駅」下車、徒歩5分
・小田急線「藤沢駅」下車、江ノ電「長谷駅」下車、徒歩5分
歴史
寺伝によりますと、721(養老5)年、奈良の長谷寺の開山である徳道上人の本願により、観音菩薩と地蔵菩薩の化身と思われる2人の仏師が現れて、巨大なクスノキから2体の観音像を刻みました。1体は奈良の長谷寺の本尊となり、もう1体はこの世の生きとし生けるものを救うため、行基(ぎょうき)によって開眼供養が行われ、海に流されました。
15年後の736(天平8)年、観音像は、相模国の長井浦(現在の横須賀市長井)に流れ着きました。藤原北家の祖となる藤原房前(ふじわらのふささき)によって鎌倉へ移され、本尊として祀られたのが鎌倉長谷寺の始まりと伝えられています。
鎌倉長谷寺・山門
「長谷寺」と書かれた赤い大きなちょうちんと、門におおいかぶさるかのような「門かぶりの松」の色合いが美しい門です。直径40㎝の四脚門で、鎌倉市内では4番目の大きさです。
鎌倉長谷寺・良縁地蔵(りょうえんじぞう)
本堂への石だたみの参道で、三体の小さなお地蔵様が身を寄せ合う「良縁地蔵」が迎えてくれました。「あっ、これこれ!」という声があちこちから上がり、写真を撮る人が絶えませんでした。
境内には3ケ所(あと2ケ所は、経蔵の近くと眺望散策路のどこか)にこのような良縁地蔵があり、少しずつ姿がちがうようですが、すべて見つけられると、良縁に恵まれるそうです。インスタ映えしそうですね。
長谷寺は大きく分けると、上境内と下境内からなります。観音山の中腹にある上境内の見どころから紹介します。
鎌倉長谷寺・本堂(観音堂)
創建は奈良時代ですが、1923(大正12)年9月1日の関東大震災で大きな被害を受けました。1986(昭和61)年、60年ぶりに、災害から保護するため鉄筋コンクリート造により再建されました。
本尊は、十一面観世音菩薩。右手に数珠と錫杖(しゃくじょう)、左手に水瓶(すいびょう)を持ち、岩座の上に立つ「長谷寺式観音像」と呼ばれる姿です。
錫杖は煩悩を除き、知恵を得るとされる法具で、本来は地蔵菩薩の持ち物です。この長谷寺の観音様は、観音菩薩と地蔵菩薩の功徳を併せ持つとされています。
十一面観世音菩薩は、あらゆる人々の救いを求める声・音を聞いて、その慈悲深い心で救ってくださる仏様として、古来、千手観音と並んで人気が高い観音様です。開運招福、家内安全、身体健全、厄除けなどのご利益をいただけます。
高さが9.18mもあり、最初は圧倒されますが、金色に輝く観音像を眺めているとなんともいえないありがたい気分になって、自然と頭が下がります。
一礼・合掌して「南無観世音菩薩(なむかんぜおんぼさつ)」あるいは、ご真言の「おん・まか・きゃろにきゃ・そわか」と唱えましょう。
鎌倉長谷寺・観音ミュージアム
本堂の続きにあります。宝物館が改修され、2015(平成27)年に「観音菩薩」を主題とした博物館としてオープンしました。
江戸時代の造立とみられるお前立観音の「十一面観音菩薩立像」、「三十三応現身像」(鎌倉市指定文化財)、6面の「懸仏(かけぼとけ)」(重要文化財)、梵鐘(重要文化財)などが展示されています。入館料300円 9:00~16:00(16:30閉館)
鎌倉長谷寺・経蔵(きょうぞう)
観音ミュージアムの左手にあります。中央の輪蔵(まわり堂)に「一切経」が納められています。時計まわりに1回まわすと、一切経を一通り読んだと同じ功徳が得られるそうです。ただし、回せるのは、月に1度、18日の観音様のご縁日だけです。偶然、私がお参りしたのは11月18日でしたので、回すことができました。ラッキーでした。
鎌倉長谷寺・阿弥陀堂(あみだどう)
本堂の右側にあります。源頼朝が42歳の厄除けのために建立したと伝えられています。そのため、「厄除阿弥陀(やくよけあみだ)」と呼ばれています。
中に祀られている阿弥陀如来坐像は、鎌倉市内にあった誓願寺(現在廃寺)の本尊であったものだそうで、室町時代の制作であろうといわれています。近くの高徳院の「鎌倉大仏」などとともに「鎌倉六阿弥陀」の一つに数えられています。堂内に上がってお参りできます。
鎌倉長谷寺・鐘楼(しょうろう)
阿弥陀堂の右下にあります。梵鐘は1264(文永元)年鋳造の銘があり、鎌倉市内では3番目に古いものです。重要文化財に指定され、観音ミュージアムに展示されています。現在の鐘は、1984(昭和59)年に制作されたもので、大晦日には除夜の鐘を撞くことができます。
鎌倉長谷寺・かきがら稲荷
鐘楼の右下にあります。本尊の十一面観世音菩薩像が海を漂流していた間にかきがらが付着して、本尊を長井浦へ導いたという伝説があります。そのかきがらを豊楽(ほうらく)へ導く神として祀った稲荷社です。
かきがら絵馬がたくさん掛けられていました。どうぞ観音様のお導きがありますように。次は、下境内です。
鎌倉長谷寺・地蔵堂
かきがら稲荷の右下にあります。地蔵堂は、信者の発願により建立されたもので、現在のお堂は、2003(平成15)年の再建です。扇を広げたような扇垂木(おうぎたるき)の屋根が美しいお堂です。
子授け、安産、子孫繁栄のご利益があり、「福壽地蔵」が祀られています。
今回も素晴らしい記事でした、大きな観音様が奇麗すぎて圧倒されました。お地蔵様がこんなに沢山あるなんて驚きました。18日にお参りすると色々楽しみですね、御朱印も3種類あるなんて知りませんでした。なるべく早く行ってみたいです。その時はあなた様の記事をおもいだし(読み直して) ボーっと見ていた事を反省し、叱られないようにします。
こんにちは。ご訪問ありがとうございます。
大きな観音様の写真を載せて、皆様にご紹介できないのが残念なくらいきれいな観音様です。あの観音様に出会えるだけでも行った値打ちがある長谷寺です。四季おりおりの花木を楽しみにいくのもいいですし、カフェやショップ、御守りや記念グッズなどまだまだ紹介しきれていないものがたくさんあります。ぜひゆっくりご覧になってください。