桃太郎

おばあさんが川に洗濯に出かけたところ、流れてきた大きな桃を拾います。
するとその桃の中から元気な男の子が生まれ、おじいさんとおばあさんはその子に桃太郎という名前を付けました。
桃太郎は、鬼ヶ島で悪事を働く鬼を退治するために出かけ、道中で出会った猿、犬、雉におばあさんが作ってくれたきびだんごを与えることで、忠誠を誓わせ、彼らをお供とします。
無事鬼退治が成功した桃太郎は、おじいさんとおばあさんに鬼ヶ島の財宝を持ち帰り、村人たちとともに幸せに暮らしたというお話。
普通の桃太郎のお話では、このようになっています。
しかしもともとの桃太郎は、川から流れてきた桃を食べたおばあさんが若返り、男の子を出産して桃太郎となったというところから始まります。
「あら、桃を食べると若返るのね…」と、思わず喜んで桃を買いに走ってしまいそうになりますよね。
この物語に出てくる桃は、日本では昔から長寿や魔除けの象徴として大切にされてきたものです。
また桃は再生の象徴でもあるため、桃から生まれた桃太郎は、まさに新しい世の中を作るための鬼退治に出かけたというわけです。
その反面鬼というのは、人間の潜在意識、欲望や弱さ、災厄をもたらすものの象徴でもあります。
そして家来の猿、犬、雉は知恵や勇気を表しているのです。
これらの登場人物によって、仲間と協力し合い、思いやり合いながら、知恵を使って悪を倒すという善行の結果として、財宝を手にして村に戻るということなのです。
ところで桃太郎は、岡山県にある吉備津神社が桃太郎の伝説の舞台とされています。
この神社の主祭神である吉備津彦命(きびつひこのみこと)が桃太郎のモデルであり、鬼はその当時吉備の国で悪行を働いていた、温羅(おんら)という一族で、吉備津彦命が温羅を退治したという伝説に基づくとされています。
かぐや姫

かぐや姫の物語は、竹取物語として知られています。
昔竹取の翁が光り輝く竹の子を見つけ、その中から小さな少女を授かり、かぐや姫と名付けました。
大切に育てられ美しく成長したかぐや姫は、5人の公達(きんだち)から求婚されながらも、相手にしようとしませんでした。
やがて十五夜が近づくと、かぐや姫は間もなく月から迎えがくることを翁に打ち明けたのです。
翁はなんとかかぐや姫を引き留めようと努力を試みるのですが、月の使者が来るとみんな動けなくなり、かぐや姫は翁に命の袋を渡して去ってしまいました。
しかし翁は、かぐや姫がいなくなっては長生きしても仕方がないと、その命の袋を火にくべてしまいました。
月からやってきて月に戻るというかぐや姫は、もしかして宇宙人だったのでしょうか?!
この点からかぐや姫は、最古のSF物語ではないかともいわれています。
色々な貢物を持って登場する身分の高い男性たちに見向きもしないというかぐや姫は、自分自身の価値を見つめなおすとともに、何が大切で何が必要かを見極めたのでしょう。
この物語は、月からやってきた小さな姫が成長し、魂の成長とともに再び月に戻るという行動が輪廻転生を表すとともに、いろいろな経験をして魂が成長すると、元の場所に戻るということを表しているのです。
鶴の恩返し

鶴の恩返しは、江戸時代から語り継がれてきたお話ですが、作者は不明です。
このお話では、おじいさんが猟師の罠にかかった鶴を助けたところ、その鶴が女性に姿を変えて、道に迷ったふりをしておじいさんのところにやってきます。
鶴は恩返しのためにそこで機織りをはじめますが、決して機織りの間は覗きに来ないようにとおじいさんに頼みます。
しかし彼女の織る布は、大変美しく高価で売れたのです。
そんな布をどのようにして織っているのか、どうしても知りたくなったおじいさんは、とうとう機織りをする姿を覗き見てしまったのです。
そこには自分の羽を抜いて織物を織る鶴がいたのですが、見破られたと知った鶴は飛び立ってしまいました。
この物語が告げようとしているのは、人に親切にすると、自分に返ってくるということや、感謝することや約束を守ることなのです。
ちなみに仏教においては、鶴は仏の使者であり、その存在自体が吉兆であるとされています。
まとめ
日本に残る数々の昔話は、単に伝説や子供のための読み聞かせのお話ではありません。それぞれのお話には、深い意味があり、何等かの教訓を伝えているのです。中には不思議でスピリチュアル的なお話も多く、読む人をファンタジーの世界へと引き込みながらも、考えさせられるような大切なメッセージが含まれているのです。
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