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煩悩の数が108個って一体どんな種類があるの?深い意味を解説!

煩悩,108の意味
年末の風物詩といえば、「除夜の鐘」。寺院で鳴り響く108回の鐘の音を聞きながら、静かに新しい年を迎える光景は日本の伝統的な風習です。でも、どうして鐘を108回もつくのでしょうか。それは、「煩悩(ぼんのう)」という、心にひそむ欲や迷いを清める意味が込められているからです。煩悩と聞くと難しいイメージをもつかもしれませんが、実は、日常で感じるさまざまな感情や欲望こそが煩悩にあたるのです。

今回は、煩悩の意味や、なぜ108個とされているのか、その深い意味をわかりやすくお伝えしていきましょう。

煩悩とは?

煩悩とは、仏教の教えで「心を乱して苦しみを生む原因」とされるものです。簡単にいうと、「欲望」「怒り」「嫉妬(しっと)」など、ネガティブな感情のこと。たとえば、「もっとお金が欲しい」「あの人が羨ましい」「あのときこうしておけば良かった」というマイナスの感情は、すべて煩悩に含まれるといえるでしょう。

煩悩は、一見すると悪いもののように感じられますが、実際は人間らしさの一部でもあります。なぜなら、煩悩があるからこそ、努力したり成長したりするきっかけにもなるから。しかし、煩悩に振り回されてばかりいると、心が不安定になり、苦しみも増してしまうでしょう。仏教では、煩悩を理解してコントロールすることが大切だと教えています。

煩悩の108個の種類と意味

仏教では、煩悩を108個に分類し、それぞれに意味があるとされています。108個という数字には理由があり、それは、六根・感情(2パターン)・時間軸によるもの。それぞれ6・3・2・3にわけられるため、6×3×2×3で108、つまり煩悩は全部で108あるということになるのです。グループわけ、それぞれの詳細は以下の通りです。

【6つの六根】

「六根」とは、世界を感じるための6つの感覚のこと。具体的には、「目(視覚)・耳(聴覚)・鼻(嗅覚)・舌(味覚)・体(触覚)・心(意識)」です。この6つの感覚が外界からの刺激を受け、それが欲望や迷いを生み出すと考えられているのです。たとえば、美しいものを見て「欲しい」と感じたり、嫌な匂いを嗅いで不快になったりすることは、すべて六根によるもの。この六根が煩悩の基盤となっているのです。

【3つの感情】

煩悩を引き起こす3つの大きな感情があります。それは「貪(とん)」=欲望、「瞋(しん)」=怒り、「痴(ち)」=無知です。この3つは「三毒」と呼ばれ、人間の苦しみの根源だとされています。たとえば、「もっといいものが欲しい」という欲望(貪)や、「あの人が許せない」という怒り(瞋)は、日常生活で多くの人が経験する感情でしょう。

また、無知(痴)とは、自分の行動や考えの結果を深く理解できない状態を指します。これら三毒は、心の中で煩悩を生み出し続ける原因となっているものなのです。

【2つの感情】

次に、煩悩を「善いもの」と「悪いもの」の2つの感情に分類します。これは、物事を「良い」と感じるか「悪い」と感じるかによって、心が大きく揺れ動くことから。たとえば、おいしいものを食べて幸せを感じるのは「善い感情」です。しかし、それが過剰になると「もっと食べたい」「足りない」と欲望に変わり、煩悩となるのです。また、「嫌な出来事があった」と感じた場合は、それが怒りや不満(悪い感情)となり、煩悩を生み出すでしょう。

【3つの時間軸】

煩悩は、時間軸においても分類できます。その分類とは、もちろん「過去・現在・未来」の3つ。たとえば、過去の出来事を後悔する心、現在の状態に執着する心、未来のことを不安に思う心が煩悩へとつながりやすいでしょう。たとえば、「あのときこうしていれば良かった」と後悔するのは過去に縛られた煩悩。一方で、今あるものを失うことを恐れたり、将来に対して不安を抱くのも、煩悩の一種だといえるのです。

「除夜の鐘」を108回つくのは

では、どうして除夜の鐘は108回もつくのでしょうか。それは、108という数が煩悩を象徴する数だから。すでに述べた六根や三毒、時間軸などの分類を組み合わせることで出てくるのが、108という数なのです。

つまり、除夜の鐘をつく理由は、この煩悩を1つずつ消し去るため。鐘の音を聞くことで、心を落ち着かせ、新しい年を穏やかに迎える準備をするのです。鐘の一打一打が、心の中にある煩悩を消し去り、リセットしていく象徴なのだといえるでしょう。

また、鐘の響きは心を浄化するとされていることからも、1年の終わりにふさわしい神聖な儀式となっているのです。

まとめ

煩悩は、生きていく上で避けられない感情や欲望です。煩悩をもつこと自体は、決して悪いことではありません。しかし、それに振り回されると心が乱れ、苦しみが増してしまうのです。毎年大みそかには、除夜の鐘を聞きながら、自分の中の煩悩を一つ一つ振り返り、新しい年を穏やかな気持ちで迎えるようにしましょう。

ABOUT ME
Written by にゅや
占い歴20年のタロット占い師。カードに独自の解釈をもちいるため、占いのセカンドオピニオン的な相談を受けることも多いです。現在は新規相談休止中。所属している電話&チャット占いサービスもお休み中で、年間・月間の星座占いなどを中心に記事を書かせていただいています。

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