
日本三景の一つ京都府天橋立にある籠神社(このじんじゃ)は、「元伊勢(もといせ)」とも呼ばれ、古くから「お伊勢さんのふるさと」として崇敬されてきました。平安時代には丹後国の一の宮となりました。海に向かって建立され、神話や伝説がいっぱいの境内はパワーがあふれています。そんな籠神社をご紹介します。
目次
天橋立は

宮津湾と内海の阿蘇海を南北に隔てる砂嘴(さし)で、幅は約20m~約170m、全長約3.6㎞、大小約8000本の松が自生しています。その地形は天に架かる橋のように見えることから天橋立と呼ばれています。
「天の浮橋」の神話には、天におられるイザナギの神が、地上の真名井神社(現在は籠神社の奥宮)におられるイザナミの神のもとに通うために使っていた梯子が天橋立であったとあります。なんだかロマンチックですね。そういうことから良縁成就の地と伝えられているのです。
また、籠神社や成相寺への参道でもあったそうです。
籠神社の見どころ
表参道一の鳥居

左の石柱には「元伊勢大神宮籠之宮」と刻まれ、右の石柱には「與佐宮阯丹後一ノ宮」と刻まれています。中央に「下乗」の石碑。

ここから先は、乗り物を乗り入れることができません。

鳥居の奥は緑の木立を背景にした社殿です。荘厳な空気が流れているパワースポットです。
参道沿いに
大和さざれ石
「平成三十一年 本宮御鎮座千三百年」の案内板
手水舎
二の鳥居をくぐると
狛犬(重要文化財)

社伝によりますと、鎌倉時代に作られ、狛犬としては日本最古のものだそうです。
こんな伝説があります。作者の魂が入った狛犬が、天橋立の松林に出現して、元伊勢詣りの参拝者や通行人を驚かせました。たまたま親の仇討ちでひそんでいた剣豪岩見重太郎が、狛犬を鎮めようと、ある夜待ちかまえていました。すると音が聞こえたのでその方向に刀を払ったところ、狛犬の前脚が切れたのです。それ以後、狛犬の出現は止み、社殿前に座して魔除けの霊験が高まったとのことです。
左側の吽形の狛犬は両前脚が、右側の阿形の狛犬は右前脚が切れて、修復されているのがわかります。ユーモラスで、今にも飛び出しそうな迫力がありますね。屋外の狛犬としては破格の待遇で、屋根が設置されています。これらの狛犬さんからもパワーをいただきましょう。
神門
茅の輪(ちのわ)
私が参拝したのは、2017年6月21日でした。6日30日は神事「夏越大祓(なごしのおおはらえ)」が行われます。それに先立ち、神門を入ると、拝殿前に茅の輪が設けられていました。茅の輪をくぐり、正月からの半年間の汚れを取り除き、残り半年の無病息災を願います。
くぐり方は、正面に立ち、左へ1回、右へ1回、もう一度左へ1回、8の字を画くように回ります。こういう時に巡り合わせてラッキーでした。パワーもいただきましたよ。茅の輪は6月中設けられています。
拝殿・本殿

主祭神:彦火明命(ひこほあかりのみこと)
相殿:豊受大神(とようけのおおかみ)、天照大神(あまてらすおおかみ)
拝殿前は、なんといっても最もパワーがあふれるスポットです。神代の昔、現在は奥宮となっている真名井神社に豊受大神が祀られており、そこへ大和の国から天照大神が遷られ、豊受大神と共に4年間祀られて「吉佐宮(よさのみや)」と申しました。
その両大神が伊勢に遷られてからは、天照大神の孫神である彦火明命(ひこほあかりのみこと)を主祭神として、真名井神社からこの地に遷し、社名を籠神社と改めました。そうした由緒から「元伊勢」「お伊勢さんのふるさと」と呼ばれるようになったのです。
本殿は、伊勢神宮と同じ「唯一神明造り(ゆいいつしんめいづくり)」です。高欄には伊勢神宮と籠神社にしかみられない五色の座玉(すえたま)が飾られています。
拝殿前のこぶがついた木
拝殿の左側に境内社が並んでいます。向かって右側から
天照大神和魂社(あまてらすおおかみにぎみたましゃ)
春日大明神社(かすがだいみょうじんのやしろ)
猿田彦神社(さるたひこじんじゃ)
真名井稲荷神社(まないいなりじんしゃ)

真名井稲荷神社は、古代から明治時代末まで奥宮の真名井神社境内に祀られていましたが、1991年、80年ぶりにこの地に再建されました。産業繁栄、商売繁盛、厄除治病、世界平和に御神徳があるパワースポットです。
真名井稲荷神社のそばにもう一対の狛犬さん

こちらの狛犬さんはところどころ苔むしていて、歴史を感じさせます。躍動感があります。
倭宿禰命像(やまとすくねのみことぞう)

倭宿禰命は、海部氏(あまべうじ)系図(国宝)によりますと、籠神社の宮司海部家4代目の先祖にあたります。神武天皇が東遷の途中、明石海峡から亀に乗って現れ、神武天皇を無事に大和へ導いたと伝えられています。亀に乗り、右手に玉を持っています。
人生先導、事業成就、健康長寿、平和招来などの御神徳にあやかろうと、参拝者が亀の顔をなでるので光っています。私もなでさせていただきました。この銅像のそばの小さな池には、石の大きな亀と生きた小さな亀がいました。
御生れの庭
水琴窟

地下を流れる水の音を聞くことができる水琴窟ですが、こちらは壊れていて残念ながら聞けませんでした。他のお寺で聞いたことがあります。やはり名前の通り、遠くからかすかに聞こえる琴の音色のようでした。細い糸をピンピンと爪弾くような、澄んだ音色でした。
裏参道から入った所にある由緒書き
裏参道入り口
裏参道入り口にある、籠神社と真名井神社への案内板

裏参道を出て右へ約400メートル進んだ所に奥宮「真名井神社」があります。左へ進むと商店街を通って、天橋立を一望できる傘松公園行きのケーブルカー・リフト乗り場があります。



